2017年8月18日 (金)

ソロとイリヤのお気楽スパイ道中

1964年9月から1965年4月にかけての第一シーズンはナポレオン・ソロを中心とした緊張感のあるスパイものだったのに、イリヤ・クリヤキン人気のためか、1965年9月から1966年4月にかけての第二シーズンは二人が事件に対してお気楽に臨むというパターンになっているように思います。もともと古風な二枚目ソロがモテモテだったのに、現代的なクリヤキンがカワイコちゃんにもてるというエピソードも増えています。ちなみに第一シーズンは白黒で、第二シーズンからカラー。

アメリカでの放送は、第一シーズン前半が火曜8時半、後半が月曜8時。第二シーズンが金曜10時。時間が遅くなったものの、10代のファンも多く、翌日は学校が休みなので、特に後退というわけでもなさそう。テレビ局はNBC。

第43話は The Yokon Affair という題名で、本国では1965年12月24日に放映。アラスカでジョージ・サンダースと対決する話。MGMの在庫の映像を挿入しつつ、映画でおなじみの古めかしいゴールドラッシュ時代のアラスカを見せられているようで、なんだか変な感じ。日本を舞台にしたエピソードがあるのかどうか知らないけれど、もしあれば、「007は二度死ぬ」以上に珍妙なものになっているにちがいない。

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2017年8月17日 (木)

イリヤ・クリヤキンのコード番号は?

ナポレオン・ソロが0011なら、イリヤ・クリヤキンのコード番号は?胸につけたバッジみたいなのには2とあります。ウェーバリー課長が1ってことは、クリヤキンのほうがソロよりはるかに偉いってこと?

「0011ナポレオン・ソロ」DVD全集から久しぶりに拝見。アメリカでは1965年12月に放映された42話「追跡特急 The Adriatic Express Affair」。アドリア海特急に乗り込んだスラッシュ一味の年配女性の悪だくみをソロとクリヤキンが阻止しようとする話。全体的にぬるい出来栄えで、テレビでゆったり楽しむのにちょうどいい。

クリヤキンがサイケな感じの現代娘に追い回されるのが60年代っぽい。

年配女性を演じているのはジェシー・ロイス・ランディスで、ヒッチコックの「泥棒成金」や「北北西に進路を取れ」の金持ち女性で有名。前者でのグレース・ケリーの母親役は良かったけれど、後者でケイリー・グラントの母親って、まさか!7歳しか違わない。ウェーバリー課長を演じるレオ・G・キャロルも「北北西」に出てたし、「北北西」も「ナポレオン・ソロ」もMGM制作。

彼女に付き添う若い女性がジュリエット・ミルズ。英国俳優ジョン・ミルズの娘で、ディズニーの人気子役ヘイリー・ミルズのお姉さん。60年代は妹の人気に隠れがちだったけど、1970年のテレビシリーズ「ぼくらのナニー」で人気に。家庭的な雰囲気なので、ビリー・ワイルダー監督、ジャック・レモン主演の1972年の「お熱い夜をあなたに」という艶笑喜劇に出演したのが意外でした。

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2017年1月13日 (金)

村の映画だより (2017年1月号)

12月に購入したDVDです。

黒の報告書
1962年の田宮二郎主演「黒の試走車」が好評で、大映は「黒の」犯罪ものを1963年と1964年に5本ずつ公開し、計11本。1963年には宇津井健主演が3本、川崎敬三主演が1本ありましたが、1964年はすべて田宮二郎主演。二作目「黒の報告書」は一作目に続いて増村保造監督で、原作は佐賀潜の「華やかな死体」、主人公は宇津井健の検事。社長殺害事件が起こり、社長夫人の愛人で社長と金銭問題があった金融会社の神山繁を起訴し、楽な事件と思われたが、弁護士の小沢栄太郎が集団偽証を仕掛けたために宇津井は苦戦を強いられる。いやらしい小沢が登場すると「待ってました!」と声をかけたくなります。宇津井のために足で証拠を集める昔堅気の刑事、殿山泰司も好演。ほかに叶順子、高松英郎、上田吉二郎、中条静夫、実の親子の潮万太郎と弓恵子など。見ごたえある作品で、観客の期待を裏切るラストに余韻があります。

黒の札束
黒シリーズ三作目「黒の札束」(1963)はシリーズ唯一の川崎敬三主演作。佐野洋原作、村田三男監督で、合併で整理されるサラリーマンがニセ札犯罪に手を染める話。すでに精巧なニセ札ができており、千円札一万枚を印刷屋から購入した川崎が、高松英郎ら数名の仲間とともに、どうやって本物のお札に換金するかが焦点。川崎には献身的な婚約者がいて、彼女の存在が大きい。家庭的で可愛い婚約者がいるために、犯罪に手を染めた川崎がどうなるのかハラハラします。演じているのは三条江梨子。新東宝で清純派だった三条魔子は、新東宝が倒産した1961年に大映に移籍し、翌年に橋幸夫と共演した「江梨子」のヒットによって芸名を変える。数年後、芸名を三条魔子に戻し、お色気路線に転向し、基本的に歌手として活動しつつ、俳優やクラブのママなども務めたそうです。

黒の超特急
黒シリーズ11作目で最終作の「黒の超特急」(1964)。新幹線公団の専務理事(船越英二)から西日本の建設予定地を聞きだし、先に土地を買い占めて多額の利益を得る加東大介。工場建設と聞かされて土地買収の仲介を行った地元不動産屋の田宮二郎。あとで真相を知った田宮は、加東が専務理事をまるめこむために利用した藤由紀子に接近する。二人は協力して、加東から大金を巻きあげようとするが・・・。田宮二郎と藤由紀子という現代的な美男美女がいれば、50年前の東京もナウい。大金を得ようとする主人公は国際スターになろとした田宮本人のようだし、藤由紀子が演じる寝たきりの母を抱えた貧しい女性も、このあと田宮と結婚して1978年暮れの悲劇まで支え続けてきた彼女自身を思い起こさせ、よけい哀しいフィルムノワール。監督は一作目「黒の試走車」と二作目「黒の報告書」以来の増村保造。1979年に浅草の名画座で鑑賞して以来のDVD鑑賞。

太陽が知っている
中学生だった1971年は、アラン・ドロン人気がすごく、その一年間でテレビと映画館でほとんどの作品を鑑賞することができました。それでも食指が動かなかった「太陽が知っている」。食わず嫌いもなんだからと、やっと箸をあげる。60年代末期の作品で、30代半ばのドロンは渋みが出てきて本当にきれい。ドロンとロミー・シュナイダーの恋人カップルが避暑地の別荘でくつろいでいるところに友人モーリス・ロネとその娘ジェーン・バーキンがやってくる。「太陽がいっぱい」から10年たっても愛されることばかり考えて真面目に努力しないドロンはまたもや成功者ロネを殺害してしまう。殺害以外、たいしたことが起こらないので、なんか微妙な味わい。ポール・クローシェ演じる刑事が探り始めて、やっと面白くなってきたぞと思ったのに、あやふやな結末。「サムライ」「さらば友よ」「シシリアン」「ボルサリーノ」「仁義」といった同時期の本格的な犯罪者のドロンのほうがいい。ドロンとロネによる「太陽がいっぱい」の再現、元恋人のロミー・シュナイダーとの共演、ドロンのボディーガードが殺害される事件、ナタリー・ドロンからミレーユ・ダルクへの移行期と話題はたっぷりで、フランスでは大ヒットしたらしい。ジャック・ドレー監督の最初のドロン作品。

The Shirley Temple Collection Vol. 2
The Shirley Temple Collection Vol. 3

各巻6本で、前に購入した第一巻を加えると、計18本。フォックス社とニ十世紀フォックス社のテンプルちゃんの主要作は20本ほどで、ほぼ全部そろいます。

Doris Day: The Essential Collection
ドリス・デイは、アラフォーだった1960年代前半、北米の興行主が選ぶドル箱スターのトップに4年輝きました。そのころの作品が中心の6本セット。ヒッチコックの「知りすぎていた男」(1956) とヒッチコック風スリラー「誰かが狙っている」(1960) 以外の4本が恋愛コメディ。もっと甘いものかと思ったら、笑わせることに徹底していて、予想以上に面白かったです。大きすぎてハンサムすぎるロック・ハドソンが3本共演で善戦しているけど、のちに「おかしな二人」のジャック・レモンの役をテレビ版で演じるトニー・ランドールがコミック・リリーフとしてハドソン共演作すべてに登場し、笑いを倍増させてくれます。ハドソンがプレイボーイを演じる「夜を楽しく」(1959) はお色気ありすぎですが、ほかは他愛もないドタバタで私好み。
・広告代理店に勤めるドリスがライバル社のやり手ハドソンに振り回される「恋人よ帰れ」(1961)
・主婦ドリスが病気心配性の夫ハドソンに振り回される「花は贈らないで!」(1964)
・主婦ドリスが石鹸CMの売れっ子になったために夫ジェームズ・ガーナーが振り回される「スリルのすべて 」(1963)

The 78 Project Project Movie
心が洗われるというか、耳が洗われるというか。マイク一本で78回転のレコードに直接録音する機械を車に積んで、テネシー州、ミシシッピ州、カリフォルニア州などを巡るプロジェクト。知らないミュージシャンたちが3分間一発勝負でルーツ音楽を心を込めて演奏。私が見たのはドキュメンタリー映画のDVDだけど、たぶん探せば個々の演奏を聴くことができるはず。

The Exterminating Angel
ブニュエルの1962年のメキシコ映画「皆殺しの天使」は80年代初めに日本で初公開。題名から血なまぐさいものを期待していたら、見事に肩透かしを食らわされました。あれから30数年、クライテリオンからブルーレイが発売され、今どのように見えるのかワクワク。10年後の「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」同様にブルジョワをコケにしたコメディながら、なかなか夕食にありつけない連中と対照的に、ここでは晩餐会のあと部屋から出ることができない連中を描く。別に何にも邪魔するものがないのに、なぜか部屋から出ることができない。10数名の男女は何日間も狭い場所に閉じ込められた人質か被災者のようになり、次第に本性をむき出しにし始める。リアルに描いていないし、白黒だしで、ほどよい上品さ。たとえば、クローゼットの中には高価そうな壺がいくつか置いてあり、ときどき一人一人がその中に入ったり出たりするのは、そこで何かをしていることを匂わせます。

Pioneers of African-American Cinema
英国映画協会が発売したDVD5枚組で、1910年代から40年代までの米国の黒人による黒人のための映画を集めたもの。短編と長編あわせて30本ほど。まだ観賞中だから、見終わったら何か書きます。

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2016年12月16日 (金)

村の映画だより (12月号)

夏の嵐
植草甚一氏、没後37年。毎年12月2日には「映画だけしか頭になかった」で論じている作品を鑑賞しており、今年は1954年の「夏の嵐」。4作目にして日本で初めて公開されたヴィスコンティの長編。19世紀半ばのベニスで伯爵夫人アリダ・ヴァッリがオーストリアの中尉ファーリー・グレンジャーに激しく恋する。植草氏は、巨大な建造物などの背景に人物を配置する構図の正確さに感心し、背景の中に溶け込むように主人公の心理が表現されていることに驚嘆し、ショットが長いのは師匠のルノワールゆずりだと述べ、ヴァッリほど素晴らしい演技を示した映画女優は戦後ひとりもいないと信じるのです。

The Shirley Temple Collection (Volume One)
知ってるつもりでも見たことがなかったシャーリー・テンプル作品。2年前に86歳で死去。60年代からは政治活動に力を入れ、国連代表になったり、ガーナやチェコの大使を務めたり。7歳から10歳だった1935年から1938年までマネー・メイキング・スターのトップ。その全盛期の作品はけっこう日本でも公開されており、このセットの6本のうち4本には「テムプルちゃんお芽出度う」「テムプルの燈台守」「ハイデイ」(ハイジ)「天晴れテムプル」という邦題があります。各作品ともオリジナルの白黒版とコンビューターでカラー化されたもの収録。「テムプルちゃんお芽出度う」は、孤児が金持ちに引き取られ、善人だらけの世界で、ただただ愛嬌をふりまくだけの愉快な作品。不況時代には、こんな現実離れしたコメディが好まれたみたい。ドタバタな恋愛コメディやアステア=ロジャーズのミュージカルコメディのように、シャーリー・テンプルの世界も楽しいパラダイス。

Secret Defense
ジャック・リヴェット監督、サンドリーヌ・ボネール主演の1998年の「シークレット・ディフェンス」。3時間近くありますが、けっこうまともに語っている心理スリラー。数年前、列車から転落した父の死が事故ではなく、他殺らしいと弟から知らされたボネールは、父を殺した知り合いを射殺しに行くが・・・。ギリシャ神話のエレクトラを下敷きにしており、家族内のドロドロが背景にあるものの、それは言葉として知らされるだけで、画面は抑えた色調で清潔感があります。ボネールが射殺しに行く場面は、自宅を出てタクシーに乗り、高速列車TGVに乗り、ローカル電車に乗り、田舎の夜道を歩き、やっとピストルを相手に向けるのが15分後。でも、TGVの窓の外を流れる田舎の風景や、ボネールが落ち着かない様子など、目的よりも過程が面白い。電車が向うからカーブしながらやって来るのを長めに撮影したり、自動車の前方を緑豊かな田舎の風景が展開したり、乗り物の映像好きはワクワク。でも、なんといっても主演のボネールが素晴らしい。

尼僧ヨアンナ
京したての40年前にポーランド特集の自主上映会で見て以来のイエジー・カワレロウィッチ監督の「尼僧ヨアンナ」(1961)。17世紀初頭のフランスの史実に基づく。尼僧院の院長が悪魔にとりつかれており、まわりの尼僧たちも彼女の影響を受けている。そこに悪魔払いの神父がやって来る。「エクソシスト」と同じようなラストだけど、ホラーではなく、もっと厳格。前任の悪魔払いは火刑に処されており、それを描いているのが10年後のケン・ラッセル監督の「肉体の悪魔」らしい。このあとカワレロウィッチ監督は国際的ではなくなるけれど、前作「夜行列車」のおかげで、2010年、ポーランドの特急列車に彼の名前がつけられたそうなので、国内ではずっと有名だったのかな?2007年に亡くなったこともあるのだろうけど。

Library Suicides
ピッチリした赤シャツの女性に魅せられて英版DVDを衝動注文したウェールズのミステリー映画。図書館で働く双子姉妹の母親は著名な小説家で、飛び降り自殺し、死に際に彼女の伝記を書いている男の名前を言う。復讐心に燃えた姉妹は、夜の図書館で母の資料を調べている伝記作家を殺害しようと企てる。オリビア・デ・ハビランドの「暗い鏡」のように双子各々が善と悪を象徴しているわけではなく、むしろ、外見も中身も似すぎているのがミソ。カトリン・スチュワートという女優さんが期待どおり魅力的だったし、ちょっとイカれた若い警備員が面白い味付け。

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2016年11月 4日 (金)

村の映画だより (11月号)

先月購入したDVDのご紹介。各作品を鑑賞後にフェイスブックに書いたものをまとめました。

女経    
がめつい女が三人登場する大映の1960年のカラー映画「女経」(じょきょう)。インタビュー集「映画の黄金時代」に山本富士子が「一つの殻を破られた感じ」とあったので、興味を持ちました。その第二話「物を高く売りつける女」は市川崑監督で、一番面白かった。売りにくい物件を色仕掛けで高く売りつけるのが商売の山本富士子。お風呂で背中を流されたら、何でも買っちゃう!売りつけるときの古風な女っぷりと計算高い現代娘の本性の対比が見事で、初めて山本富士子を好きになりました。売りつけられる相手の流行作家を演じる船越英ニのオトボケぶりも面白い。男をだますのがうまいバーのホステス若尾文子と悪い遊びならなんでも知ってそうな社長の息子川口浩の第一話「耳を噛みたがる女」は増村保造監督で、心の底では本当の愛を求めている二人のからみが面白くなりそうだったのに、突然終わってしまう。旅館とバーを切り盛りする京マチ子がいくつかの出来事を通じて人を愛する心を取り戻す吉村公三郎監督の「恋を忘れていた女」は、よくできていました。

山の上の第三の男 Third Man on the Mountain
ディズニーは50年代から子供向け冒険映画もよく作っていました。1959年のカラー作品「山の上の第三の男」は、19世紀のスイスの話で、登山中に亡くなった父の代わりにマッターホルンに登頂するのが夢の18歳の若者ジェームズ・マッカーサーが主人公。クレバスに落ちていた著名な登山家マイケル・レニーを助けたので、マッターホルン登頂に同行させてもらえることになる。切り立った崖が高所恐怖症にはたまらない。主演のマッカーサーはアメリカ人ですが、レ二―のほかに、ケン・アナキン監督、可愛い相手役ジャネット・マンロー、登山ガイドのジェームズ・ドナルドらもイギリス人だし、登山ガイドのハーバート・ロムもイギリスで活躍していた俳優(生まれはチェコ)。戦後、イギリスでの収益はイギリス国内で使わなければならないという法律があったらしく、冒険ものはイギリスのスタジオで作られていたようです。

南海漂流 Swiss Family Robinson     
ディズニーの家族向け冒険映画の代表作の一つ「南海漂流」(1960)。ナポレオンの時代、ニューギニアに移住しようとした家族の乗った船が難破し、家族は無人島にたどりつく。そして、海賊がやって来る。両親と男の子三人の家族。孤島までイカダで荒波を乗り越え、海賊から少女を救出し、海賊を退治したりと冒険また冒険かといえば、合間合間がのんびりしてて、ゆったり楽しめます。風景がきれいだし、いろんな動物があちこちにいるし。木の上にステキな我が家を作るエピソードや海賊退治のさまざまな工夫をするエピソードなど、もし60前じゃなく10歳前に見ていたら、非常に興奮して夜も寝ることができなかっただろうなあと悔やまれます。ロビンソン・クルーソーにヒントを得た「スイスのロビンソン」という児童文学がナポレオンの時代から有名で、1940年にRKO社が映画化しましたが、スタジオ内での撮影だけのようです。ディズニーのはトバコ島で長期間撮影し、調教された動物すべて集めてきたような感じで、費用も苦労も大変だったでしょう。ケン・アナキン監督、両親のジョン・ミルズとドロシー・マクガイア、「山の上の第三の男」のジェームズ・マッカーサーとジャネット・マンローの若いカップルら出演。テレビシリーズ「宇宙家族ロビンソン」など、漂流する家族の名字はロビンソンが定番らしい。

太陽の下 Under the Sun
米盤DVD。いちおうウィキペディアに「太陽の下」として載っているけど、日本では公開されていないらしい。早く日本で公開され、識者の話をいろいろ聞いてみたい。可愛い少女が子供愛国団体みたいなのに入団する様子を描いたドキュメンタリーを共同監督するためにロシアから呼ばれたヴィタリー・マンスキー監督。こっそり撮影した映像を持ちかえって独自に編集したらしい。父役も母役も本当の親ではなく、撮影現場でポツンと寂しげにしている少女。最後に明るく愛国的なことを言わなければならない場面では、プレッシャーなのか疲れているのか涙を流す。架線が張られた場所までトロリーバスを押す乗客たちなど、本来の市民の様子も散見できます。落ち着いた色調で端正に撮影された作品。北朝鮮側が完成させた作品も見てみたい。(「太陽の下で -真実の北朝鮮」として日本で来年早々に公開されるようです。)

ボーン・アイデンティティー The Bourne Identity 
今日は半労半遊だったので、安いDVDを入手した「ボーン・アイデンティティー」(2002) を昼下がりに鑑賞。CIAによって殺し屋に仕立てられたマット・デイモンが、記憶を失うけれど、テクニックだけは体でおぼえているので、窮地に陥っても体や頭が自動的に反応するのが面白い。デイモンは好青年っぽいし、巻き添えをくらう女性フランカ・ポテンテも感じがいいから、大甘なラストも許しちゃう。CIAの中年の担当者クリス・クーパーも渋くて良かった。少し雪の積もったフランスの田舎で、自分と同じように殺し屋にされた男と対決するのは、日本やフランスの暗黒映画みたいな哀愁がありました。アパートの管理人以外、一般人があまり犠牲にならない殺し屋たちの殺人ゲームなのがいい。渋い色調のパリが中心だからか、若いドロンが主演だったらなあと思いました。いくつか続編があるらしいので、おいおいに。

テオ・アンゲロプロス第一巻、第二巻
The Theo Angelopoulos Collection の Vol. 1 と Vol. 2。英国版で、どちらも数本ずつ収録されています。送料込で各2500円少々だったので、買わずにいられませんでした。買うことよりも、鑑賞することのほうが大変そう。すでに第三巻は購入しており、チェックしていませんが、彼の長編のほとんどを鑑賞することができるのではないか。

【「ボーン・アイデンティティー」を加えるのを忘れた】

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2016年10月13日 (木)

村の映画だより (10月号)

9月に入荷したDVD。どれも鑑賞した翌日にフェイスブックに感想を書いているので、それを転載しました。

サボテンの花

ドキュメンタリーが公開されているらしいイングリッド・バーグマンは、どの時代も注目すべき活躍をしているけれど、60年代はパッとしないなあと考えたら、1969年の「サボテンの花」を未見だということに気づきました。で、安いDVDを購入したら、やっぱりアカデミー助演女優賞を獲得したゴールディ・ホーンが面白い。独身の一流歯科医ウォルター・マッソーが既婚だと偽ってゴールディとつき合っていたら、彼女が「奥さんに会わせてほしい」と言いだし、看護婦のバーグマンに奥さん役を依頼するところから生じるドタバタ。ヒット舞台ではローレン・バコールが演じ、堅物の看護婦からお色気たっぷりの奥さんに変身するあたりが面白いらしいんだけど、どちらの役もバーグマンだと気品がありすぎ。そもそもマッソーとバーグマンが夫婦だなんて信じられる?バーグマンは1956年の「追想(アナスタシア)」でハリウッドに復帰して、早々にアカデミー主演賞を獲得するんだけど、その後ずっとアメリカ映画に出演していても撮影はヨーロッパのスタジオだったそうで、「サボテンの花」が久々のアメリカのスタジオでの撮影だったそうです。ドキュメンタリーのDVDはアメリカのクライテリオンが最近発売し、近日中に届きそうなので楽しみ。(9月15日)

イングリッド・バーグマン~愛に生きた女優

イングリッド・バーグマンに関する愛らしいドキュメンタリー。有名監督や俳優に囲まれたスターとしての彼女よりも可愛い子供や犬に囲まれた母親としての彼女が強く印象に残る。数多く残された日記やホームムービー。日記を読む彼女の声を担当しているのはアリシア・ヴィキャンデルという美人女優。マイケル・ナイマンの音楽が効果的。(9月19日)

オリエント急行殺人事件

84歳だったアガサ・クリスティが自作の映画化で最も満足した1974年の「オリエント急行殺人事件」。出版から40年後の映画化。アルバート・フィニーのメイクが凝りすぎで、名探偵ポワロが一番怪しい。ローレン・バコール、リチャード・ウィドマーク、ショーン・コネリー、アンソニー・パーキンズ、ジャクリーヌ・ビセット、バネッサ・レッドグレーブなど、たっぷりスターが出てくるなかで、5分ほどポアロから尋問されるだけのイングリッド・バーグマンがアカデミー助演女優賞。同じ賞にノミネートされていた「アメリカの夜」のバレンティナ・コルテーゼに対し、受賞スピーチで「ごめんなさい。あなたのライバルになるつもりなんてなかったのに・・・」(9月21日)

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白夜(ブレッソン)
白夜(ビスコンティ)

ドストエフスキー、ヴィスコンティ、ブレッソンの「白夜」を楽しみました。どちらの映画も東京にいたとき劇場で鑑賞しましたが、原作を読むのは初めて。孤独な夢想家の主人公がまるで自分のよう。橋で女性が泣いているので、話を聞くと、その橋での再会を一年前に約束した恋人が来ないと言う。孤独な男女は互いにひかれあうが・・・。1957年のヴィスコンティ版は、マストロヤンニが孤独な夢想家らしくないし、マリア・シェルが健康的すぎ。約束した相手はジャン・マレーで、恋人というより父親。スタジオ内に作ったセットが見事だし、ダンスホールでビル・ヘイリーと彼のコメッツのレコードに合わせてロックンロールを踊るシーンが愉快。1971年のブレッソン作品の男女のほうが原作に近い。でも、主人公はジャン=ピエール・レオをひょろ長くした感じだし、昔の恋人もなんか変で、トリュフォーの恋愛コメディを真面目な顔で語っているかのよう。(10月1日)

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2016年10月 8日 (土)

今週鑑賞した映画 (DVD)

このところ、ほぼ毎日DVDで映画を見て、感想をフェイスブックに書いています。それを一週間分ご紹介。

「エレニの旅」

長回しでゆったりしているので、購入後なかなか見る気が起きなかったギリシャのテオ・アンゲロプロスの晩年4作入り英盤DVD。キェシロフスキの「トリコロール/赤の愛」でいい感じだったイレーヌ・ジャコブが出演しているので、やっと「エレニの帰郷」(2009)を鑑賞したら、さっぱりわからず。気を取り直して、その前の「エレニの旅」(2004)を眺めていたら、これがすこぶる面白い。若い女性が老人と結婚させられそうになり、老人の息子と駆け落ちし、貧しくつらい生活を強いられる。ロシア革命から第二次大戦ごろまでの30年間を描いている。主人公のカップルが共感しやすいし、水面と陸との境目がわからない雄大な風景、掘立小屋が密集するスラム街、木からぶら下がっている20匹ほどの羊の死骸などで2時間40分あきさせてくれない。夫はアコーディオン奏者で旅芸人楽団に入るので、ギリシャの民族音楽みたいなのをあちこちで聴くことができるのもいい。イギリスではアンゲロプロスの数作を収めた作品集が三つ発売されており、どれも送料込2500円少々。(10月2日)

「女経」

がめつい女が三人登場する大映の1960年のカラー映画「女経」(じょきょう)。インタビュー集「映画の黄金時代」に山本富士子が「一つの殻を破られた感じ」とあったので、興味を持ちました。その第二話「物を高く売りつける女」は市川崑監督で、一番面白かった。売りにくい物件を色仕掛けで高く売りつけるのが商売の山本富士子。お風呂で背中を流されたら、何でも買っちゃう!売りつけるときの古風な女っぷりと計算高い現代娘の本性の対比が見事で、初めて山本富士子を好きになりました。売りつけられる相手の流行作家を演じる船越英ニのオトボケぶりも面白い。男をだますのがうまいバーのホステス若尾文子と悪い遊びならなんでも知ってそうな社長の息子川口浩の第一話「耳を噛みたがる女」は増村保造監督で、心の底では本当の愛を求めている二人のからみが面白くなりそうだったのに、突然終わってしまう。旅館とバーを切り盛りする京マチ子がいくつかの出来事を通じて人を愛する心を取り戻す吉村公三郎監督の「恋を忘れていた女」は、よくできていました。(10月3日)

「パリよ、こんにちは!」

60年代のディズニーは、アニメをテレビで放映していたのか、劇場ではアニメじゃないコメディが中心。その代表作が実写とアニメを融合させた「メリー・ポピンズ」(1964)だし、弾力性のある物質を発明し、車で空を飛んだり、バスケットチームを勝利に導いたりする特撮コメディ「フラバァ」(1961)もリバイバルで見て面白かった。その間に作られた「パリよ、こんにちは!」は、アメリカでも欧州旅行が珍しかったのか、延々2時間10分もあります。フレッド・マクマレーとジェーン・ワイマンの夫婦が子供三人と船に乗ってパリとリビエラを旅行。高校生ぐらいの娘の恋愛のエピソードが長すぎて深刻すぎるのと、ワイマンにプレイボーイが言い寄るエピソードもくどくて、子供向けなのか、大人向けなのかよくわからない(ま、家族向けなんだろうけど)。一番面白かったのは、マクマレーが小学生の息子とルーブル美術館を見学しようとすると、息子が下水道ツアーに行きたいと言い出し、マクマレーが下水道の中で迷子になり、やっとホテルに帰ると、「下水道のあとでルーブル美術館を見学したよ」と息子に言われ、ギャフン。(10月4日)

「ツツぬけですピタリ一発」

なにやら怪しげな「ツツぬけですピタリ一発」という邦題のディズニーのコメディ。もともと、テレビシリーズ化したかったのか、45分のエピソードを二つくっつけた感じ。大学生の珍発明家トミー・カークが実験中、人の心を読むことができるようになり、判事がダイヤ強盗をたくらんでいるのを知り、警察とともに判事の家に乗り込むと、判事は別名で犯罪小説を書いているベストセラー作家で、頭の中でストーリーを練っていただけなのでした。二番目はカークが催眠術をおぼえてテンヤワンヤの巻。なんとも珍妙な作品なんだけど、小学生なら喜びそう。実際、アメリカでは数百万の子供が見たそうで、翌年には The Monkey's Uncle という続編も作られました。両作品とも相手役はアネットで、主題歌も歌っています。続編の主題歌にはビーチボーイズも参加しています。(10月4日)

「太陽の下」

米盤DVD。いちおうウィキペディアに「太陽の下」として載っているけど、日本では公開されていないらしい。早く日本で公開され、識者の話をいろいろ聞いてみたい。可愛い少女が子供愛国団体みたいなのに入団する様子を描いたドキュメンタリーを共同監督するためにロシアから呼ばれたヴィタリー・マンスキー監督。こっそり撮影した映像を持ちかえって独自に編集したらしい。父役も母役も本当の親ではなく、撮影現場でポツンと寂しげにしている少女。最後に明るく愛国的なことを言わなければならない場面では、プレッシャーなのか疲れているのか涙を流す。架線が張られた場所までトロリーバスを押す乗客たちなど、本来の市民の様子も散見できます。落ち着いた色調で端正に撮影された作品。北朝鮮側が完成させた作品も見てみたい。(10月7日)

「山の上の第三の男」

ディズニーは50年代から子供向け冒険映画もよく作っていました。1959年のカラー作品「山の上の第三の男」は、19世紀のスイスの話で、登山中に亡くなった父の代わりにマッターホルンに登頂するのが夢の18歳の若者ジェームズ・マッカーサーが主人公。クレバスに落ちていた著名な登山家マイケル・レニーを助けたので、マッターホルン登頂に同行させてもらえることになる。切り立った崖が高所恐怖症にはたまらない。主演のマッカーサーはアメリカ人ですが、レ二―のほかに、ケン・アナキン監督、可愛い相手役ジャネット・マンロー、登山ガイドのジェームズ・ドナルドらもイギリス人だし、登山ガイドのハーバート・ロムもイギリスで活躍していた俳優(生まれはチェコ)。戦後、イギリスでの収益はイギリス国内で使わなければならないという法律があったらしく、冒険ものはイギリスのスタジオで作られていたようです。(10月8日)

【「太陽の下」予告編】

2016年9月 5日 (月)

村の映画だより (2016年9月号)

少し前にテレビで放映されたのを録画していたトム・クルーズ主演の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」。面白かったです。古い映画ばかり見ているから特撮だけで感動してしまう。テレビゲームみたいに、死んだら何度でもくりかえすことができて、敵を攻撃するのが次第にうまくなっていく。全体的にユーモアがあるのがいい。女闘士との恋愛もときめく。邦題が英語だけど原題は Edge of Tomorrow。へぇー、日本人が書いたものが原作で、その題名が「オール・ユー・ニード・イズ・キル」なのか!

8月もCDやDVDをけっこう購入しましたが、一日も休まずに仕事をしたので、大目に見てやってください。

十字路の夜
日本盤を購入。ジャン・ルノワールの1932年の作品。ジョルジュ・シムノンのメグレ刑事もので、ピエール・ルノワールが演じています(ジャン・ルノワールの兄)。原作はアマゾンの Kindle版に「メグレと深夜の十字路」というのがあり、たぶんそれでしょう。映画は撮影したフィルムの最後の三巻が紛失したまま編集したために、あまりよくわからないそうです。まだ鑑賞していません。

ポリアンナ (1960)
罠にかかったパパとママ 1961)
パリよ、こんにちは! (1962)
ツツぬけですピタリ一発 (1964)
シャム猫FBIニャンタッチャブル (1965)
すべて米盤DVD。猛暑にディズニーのお気軽コメディを楽しもうと思っていたら、オリンピック、高校野球、広島カープのおかげで、そんな暇がありませんでした。ゆっくり楽しんで、そのうち感想を書きます。

「エロ事師たち」より人類学入門
クライテリオンから発売されている米盤DVD。8月27日にフェイスブックで次のように書いています。

今村昌平の「「エロ事師たち」より人類学入門」。1966年のキネ旬で「白い巨塔」に次ぐ二位。読者は男子が1位で、女子が10位圏外という健全ぶり。ブルーフィルムなどあの手この手で社用族のハートをつかむ小沢昭一を中心とした色とカネにまみれた世界は、そんなものにまみれてみたい、もとい、まみれたことがない私には少々きつい。野坂昭如の原作を読んでみたら、あの話ばかりで、かえって痛快。映画の描写は原作より、はるかにおとなしい。過去の作品で吉村実子、左幸子、春川ますみが演じた、たくましい女性を受け継ぐはずの坂本スミ子が変になっちゃうのは、そういう女性にも希望を見出せない時代になったということか。ほかの女優たちがきれいじゃないのが残念で、特に坂本の娘役がもっと魅力的なら、もうひとがんばりしてみるかという気になったのに。

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン
クライテリオンから発売されている米盤DVD。8月28日にフェイスブックで次のように書いています。

昨年の秋に65歳で亡くなったベルギーの女流監督シャンタル・アケルマンが1975年に発表した3時間20分の「ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン」。未亡人の日常生活をカメラ据えっぱなしの長回しでとらえる。料理を作り、風呂に入り、高校生ぐらいの息子の世話をし、買い物に出かけ、そんなことが淡々と続く。主演のデルフィーヌ・セイリグは品があり、何事も几帳面で、家具も洋服も映画全体も落ち着いた色合い。皿を洗う後姿を延々と見せられて、なぜ面白いんだろう?なんだか人の家をのぞいているような気持ちになり、一人でDVDを見ていると、余計そう感じます。彼女は週ごとに何人かの男と関係を持ち、お金をもらうのですが、それさえも日常的な営み。しかし、日常的な作業以外は椅子に座り、無表情な顔で、ほとんど動かず、じっとしているだけ。それが次第に薄気味悪く感じるようになり、唐突なラストを迎えるのです。

「トリコロール/青の愛」「トリコロール/白の愛」「トリコロール/赤の愛」
クライテリオンのブルーレイを購入。なぜ購入したか忘れました。ポーランドのクシシュトフ・キェシロフスキ監督がフランスで作った三部作。1993年から94年にかけて公開。日本では1994年に公開され、各々キネ旬42位、61位、11位。

フランス国旗の三色が象徴する自由・平等・博愛をモチーフにしています。「青の愛」は高名な作曲家の夫と幼い娘を交通事故で亡くした妻の話で、よくわかりませんでした。「白の愛」は美人妻と結婚したとたん不能になったポーランド人が主人公のコメディで、妻から離婚され、お金やパスポートを奪われ、カバンに詰め込まれて密出国し、ポーランドで金持ちになります。妻を喜ばせるところでハッピーエンドになれば面白かったのに、なんかよくわからない終り方。「赤の愛」は各々恋人とうまくいかない男女が出会うまでの話で、ジャン=ルイ・トランティニャン演じる元判事の盗聴老人が面白い。「青の愛」のジュリエット・ピノシュ、「白の愛」のジュリー・デルビー、「赤の愛」のイレーヌ・ジャコブという主演女優さんたちが素敵。

天空の草原のナンサ
どこかでジャケットを見て、すぐ気に入ったので、日本盤の中古を購入。8月16日にフェイスブックで次のように書いています。

「天空の草原のナンサ」ってナニさ?モンゴルを舞台にした10年前のドイツ映画。どこかで見かけたジャケットが可愛かったので中古DVDを購入。雄大な風景、可愛い犬と女の子、渋い民族音楽があれば、拾ってきた犬を飼うのを父親が許さないという単純なストーリーで十分だし、遊牧民の日常生活や引越しの様子を淡々と描くだけで十分。どこか自分の知らない世界を体験した気分。カンヌにパルムドールならぬパルムドッグ(最高犬)という賞があるなんて初めて知りました。

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2016年8月 4日 (木)

村の映画だより (2016年8月号)

村長と村議会議長の微妙な関係

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7月に購入したDVD。

「脱走」 (1962, Lisa)、「ザーレンからの脱出」 (1962, Escape from Zahrain)、「屋根の上の赤ちゃん」 (1969, Daddy's Gone A-Hunting)
7月2日に感想を書いています。今の娯楽映画は刺激が強すぎるので、60年代の娯楽映画がちょうどいいだろうと思って購入。予想以上に単純すぎて、少々もの足りませんでした。

Woman on the Run
1950年のフィルムノワール。7月13日に感想を書いています。けっこう面白かった。

Battle of the Somme
ソンムの戦い100周年記念。第一次大戦中の1916年7月1日から11月半ばまでフランス北部でイギリスとフランスの連合軍がドイツ軍と戦うが、あまり成果をもたらすことなく、英軍40万、仏軍20万、独軍50万ほどの死者が出ただけ。DVD二枚組で、1枚目のBBCのドキュメンタリー番組よりも、当時の映像を編集したものにナレーションをつけたボーナスDVDのほうが素晴らしい。残念ながら字幕がないのですが、見る前に勉強しておけば大丈夫。両方とも50分なので、DVD1枚に収録すればいいじゃないかと思ってしまう。戦場の地図と60ページ少々の解説書がオマケ。

素晴らしき哉、人生! It's a Wonderful Life
安い日本盤。フランク・キャプラ監督、ジェームズ・スチュワート主演の1946年の作品。アメリカでは当初あまりヒットせず、テレビでよく放映され始めた70年代あたりから人気が出て、今やコメディの名作に。田舎町の人々に親切にしても、自分の人生がうまくいかないので、自殺しようとしたら、中年男の天使が降りてきて、もし彼がいなかったら町がどんなに悲惨になったかを見せる。今回はグロリア・グレアムがお目当て。彼女が出演した初期の作品で、派手で男に色目を使うので町の評判は悪いけど、本当は気のいい女というのは、彼女ののちの役柄の原型。子供時代、ドナ・リードとスチュワートを張り合うので、のちのちまでライバル関係が続くのかと思いきや、大人になってからは、さほど登場せず、スチュワートが親切にする人々のうちの一人。(あとで彼女の本の該当箇所を読むというお楽しみもありました。)

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2016年7月10日 (日)

村の映画だより (2016年7月号)

架空の「私の小さな文化村」の村長としての活動を活発にしたいので、ココログ広場のニックネームを「アワムラ」から「アワアワ村長」に変更しました。村長と呼んでください。「おい!」「こら!」と呼んでもかまいませんよ(たぶん)。

うちの村の住民は鳥ばかりなので、ヒッチコックの「鳥」上映会がお気に入り。仲間たちが人間をやっつけるごとに「カアカア」「ケンケン」「ホーホケキョ」と歓声を上げます。

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本日は村長が6月に購入したDVDを紹介。心理西部劇の仮想上映会のために購入したのが半分を占めます。

「Day of the Outlaw」は第11回上映予定。アンドレ・ド・トス監督、ロバート・ライアン主演の1959年の白黒西部劇「無法の拳銃」。英語字幕を表示させることができるアメリカ盤。動画サイトで探せば、字幕なしのを楽しむことができます。

「Track of the Cat」は第8回上映予定。ウィリアム・A・ウェルマン監督、ロバート・ミッチャム主演の1954年のカラー西部劇「血ぬられし爪あと」または「影なき殺人ピューマ」。英語字幕を表示させることができるアメリカ盤。

「ワーロック」は最後の12回上映予定。エドワード・ドミトリク監督、リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、アンソニー・クイン主演のカラー西部劇。日本盤だから日本語字幕で楽しむことができます。

カーク・ダグラスの60年代中心の作品集については6月27日に感想を書いています。

シャーロット・ランプリングとトム・コートネイ主演の「さざなみ」の感想は6月28日に書いています。

あとはアメリカのクライテリオンから最近発売されたもの。すべて英語字幕を表示させることができます。

「Road Trilogy」はブルーレイを購入。ヴィム・ヴェンダースのロードムービー三部作「都会のアリス」(1974)、「まわり道」(1975)、「さすらい」(1976)。

ジャン・ルノワールの「牝犬」(1931)はDVD二枚組を購入。オマケはルノワール初のトーキーで「牝犬」の前の作品「赤ん坊に下剤を飲ませる」(1931)、ジャック・リヴェットが演出したルノワールとミシェル・シモンの対談を含む1967年のテレビ番組など。

「女ともだち」はミケランジェロ・アントニオーニ監督の1955年の白黒作品。DVD1枚。

村の予算委員会の意見: DVD購入の合計価格は許される範囲だし、内容も文化村にふさわしい。本とCDの購入を減らすこと。

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部屋の芳香剤は甘ったるいのばかりなので、「炭と白檀の香り」にしたら、父の法事でお世話になっているお寺さんのような香りで、かえって落ち着かない。

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