2009年11月 8日 (日)

1976年11月に見た映画 (その1)

家族を介護しなければならなくなって、ますますブログを書く余裕がなくなってしまいました。

11月05日(金) 太陽がいっぱい (渋谷文化) 4点
11月05日(金) ル・ジタン (渋谷文化) 3点
11月05日(金) ロミオとジュリエット (飯田橋ギンレイホール) 4点
11月05日(金) ブラザーサンシスタームーン (飯田橋ギンレイホール) 4点

たぶん文化祭が終わって余裕ができたのでしょう。一日に二本立てを二回見に行っています。最初は渋谷に一人で。「太陽がいっぱい」は言わずもがなのドロンの出世作。1960年のルネ・クレマン監督作品で、原作は才人トム・リプリー君が主人公のパトリシア・ハイスミスの小説で、脚色はルネ・クレマンとポール・ジェゴフ(「獅子座」「いとこ同志」「二重の鍵」「気のいい女たち」)、撮影アンリ・ドカ、音楽ニーノ・ロータ、プロデューサーはアキム兄弟、共演モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ。「ル・ジタン」は、日本では「気狂いピエロ」という邦題で早川ミステリから出ていたジョゼ・ジョバンニの小説を自らが1975年に監督(小説の訳者は同名ゴダール作品の原作と勘違いしていたらしい)。ジャン・ピエール・メルビル風の都会的な洒落たギャングものを期待していたのですが、主人公が野性的なジプシーだったのでガッカリ。

続いて、映画研究部の先輩と二人で飯田橋でフランコ・ゼフィレッリ作品を見に行きました。男二人で「ロミオとジュリエット」を見るのは恥ずかしかった。「ブラザーサンシスタームーン」は、すでに二人とも見ていたことがあって、大好きな作品でした。しかし、あらためて見ると、話がきれいすぎるかなあと思ったので一点マイナスになっています。ふっくらホッペのジュディ・バウアーが可愛かったし、ドノバンのテーマ曲が印象的でした。

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2009年11月 1日 (日)

1976年11月に見た映画 (概観)

11月05日(金) 太陽がいっぱい (渋谷文化) 4点
11月05日(金) ル・ジタン (渋谷文化) 3点
11月05日(金) ロミオとジュリエット (飯田橋ギンレイホール) 4点
11月05日(金) ブラザーサンシスタームーン (飯田橋ギンレイホール)  4点
11月23日(火) 狼たちの午後 (渋谷全線座) 5点
11月23日(火) ル・ジタン (渋谷全線座) 3点

この月は大学の文化祭があったし、飲む機会も多かったので、あまり映画を見ていません。人との付き合いが多かった月で、一人好きの私としては珍しいことに、三回見に行ったうちの一回は映研の先輩と、一回はグループで見に行っています。

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2009年10月27日 (火)

1976年10月第4週に見た映画

10月26日(火) 危険を買う男 (久保ホール) 3点

クラスメートに誘われて試写会に行きました。久保ホールは虎ノ門にありましたが、今もあるのかどうか知りません。「危険を買う男」(L'alpagueur, 1976)は「怪盗二十面相」に次ぐベルモンド主演作。一匹狼が政府から依頼を受けて連続殺人犯を追いつめる話。監督は1973年にベルモンド主演の「相続人」を作ったフィリップ・ラブロ。原案ラブロ、脚本ジャック・ランツマン、音楽ミシェル・コロンビエと撮影ジャン・パンゼルで、これらは「相続人」と同じ。フィリップ・ラブロはジャン・ルイ・トランティニャン主演の「刑事キャレラ10+1の追撃」やイブ・モンタン主演の「潮騒」なども監督していますが、監督作はさほど多くない。詳しく知らないのですが、テレビとかラジオとかが専門の人かもしれません。何年か前にトリュフォーのCD5枚組を購入したら、そのうちの1枚がインタビュー集で、インタビュアーがフィリップ・ラブロでした。監督が監督にインタビューするのが変な感じだったのですが、こっちが本業で、監督は副業だったのかもしれない。

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2009年10月23日 (金)

1976年10月第3週に見た映画 (その2)

10月21日は1984年にトリュフォーが52歳で亡くなった日でした。あれから25年。私もその年になってしまった今考えると、やっぱり残念。

10月22日(金) 男はつらいよ寅次郎相合い傘 (新宿ロマン) 4点
10月22日(金) 男はつらいよ夕焼け小焼け (新宿ロマン) 4点 
10月22日(金) 華麗なるヒコーキ野郎 (名画座ミラノ) 4点
10月22日(金) 運命の饗宴 (東京12) 4点

後年の寅さん映画は見たことがないので、よくわかりませんが、この頃までは一定の水準を保っていたので、キネ旬のベストテンのどこに寅さん映画が位置するかでその年の日本映画全体の水準を推し量ることができます。それを強く感じたのはマドンナに太地喜和子を迎えた1976年夏公開の17作目「夕焼け小焼け」で、なんと2位になったからです(1位は「青春の殺人者」)。「寅次郎相合い傘」は1975年の5位。1975年夏公開の15作目でマドンナは浅丘ルリ子のリリー。1973年夏の11作目「寅次郎忘れな草」に次いで二度目の登場。これはその年の9位でした。「相合い傘」も「夕焼け小焼け」も当然面白かったのですが、4点だから期待以上の面白さじゃなかったのでしょう。

この二本だけじゃ物足りなかったのか、伊勢丹近く新宿ロマンから歌舞伎町の一本立て名画座ミラノへ。「華麗なるヒコーキ野郎」はジョージ・ロイ・ヒル監督、ロバート・レッドフォード主演。ポール・ニューマンこそいないものの、「明日に向かって撃て」と「スティング」のコンビだから当然面白いだろうと期待したのですが、寅さんと同じで予定どおりの面白さ程度。"The Great Waldo Pepper" という1975年のユニバーサル映画で、スーザン・サランドン共演、ウィリアム・ゴールドマン脚本、ヘンリー・マンシーニ音楽、ロバート・サーティース撮影。第一次大戦直後のテキサスで曲芸飛行を商売とする男の話。私としては1960年代半ばのオールスターキャストのコメディで、1910年にロンドンからパリまで競争する「素晴らしきヒコーキ野郎」のほうが好きです。

さらに、アパートに帰ってから東京12チャンネルでジュリアン・デュビビエの「運命の饗宴」(Tales of Manhattan, 1942)を見ています。デュビビエが第二次大戦中にハリウッドに逃れていた頃の二十世紀フォックス作品。ある立派な燕尾服にまつわるオムニバス風物語で、その燕尾服を着た男は必ず不運な目にあう。出演はシャルル・ボワイエ、リタ・ヘイワース、ジンジャー・ロジャーズ、ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ロートン、エドワード・G・ロビンソンら。デュビビエは、ある女性が社交界にデビューしたときに手帖に書いた踊りの相手たちを何年か後に訪ね回るという「舞踏会の手帖」を1937年にフランスで作っているし、1941年にはイギリスで「リディアと四人の恋人」を作っているし、、60年代には「フランス式十戒」も作っているしで、こういうの好きみたい。

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2009年10月21日 (水)

1976年10月第3週に見た映画 (その1)

10月18日(月) 冒険また冒険 (月曜ロードショー) 4点

クロード・ルルーシュ監督の1972年のアクションコメディ。1973年2月に「さらば友よ」とともに福山の一般封切館で見ているので、2007年4月27日にシネシャモ日記に書いたのを転載します。

たぶん最後に見たクロード・ルルーシュ作品は「愛と哀しみのボレロ」(1981)だと思うのですが、それ以後もコンスタントに映画を撮り続けているようですね。「マイ・ラブ」(1974)や「愛と哀しみのボレロ」といった大作も面白く見た記憶があるのですが、私はそれ以前の「流れ者」(1970)、「恋人たちのメロディ」(1971)、「男と女の詩」(1973)あたりの軽くて洒落た娯楽作品が好きだし、なつかしいです。「冒険また冒険」もその頃の作品。音楽は当然フランシス・レイですが、このコンビは現在までずっと続いているのでしょうか。

リノ・ヴァンチュラ、ジャック・ブレル(名曲「行かないで」を作った歌手)、シャルル・デネル(トリュフォー作品でもおなじみ)、シャルル・ジェラール、アルド・マチオーネの五人の悪党が、銀行強盗じゃ儲からなくなったので、身代金目当ての誘拐に切り替えて、次々と要人をさらっていく冒険コメディ。誘拐されるのは人気歌手ジョニー・アリディ(ご本人として登場)、大使(「夜霧の恋人たち」で探偵事務所の所長を演じたアンドレ・ファルコン)などです。

76年と79年にテレビでも見ていて、一番憶えているのは、海辺で主人公たちが一人ずつポーズを決めながら通り過ぎる即興的なシーンです。たぶん手前にきれいな女性が寝そべっているのでしょう。日本版DVDはなさそうですが、アメリカ版があるので、余裕があれば買って、再見したいです。

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2009年10月19日 (月)

1976年10月第2週に見た映画 (その6)

10月17日(日) ある殺し屋 (?) 3点

日曜日の午後にテレビで見たのでしょう。1969年に37歳の若さで世を去った市川雷蔵の1967年の大映作品。この年、この映画と「華岡青洲の妻」でキネ旬男優賞を獲得しています。孤独な殺し屋というと同時期のメルビル監督、ドロン主演の「サムライ」を思い起こさせますが、キネ旬の日本映画監督全集(1976)で監督の森一生を調べると、イタリア映画の「殺しのテクニック」にヒントを得たとあります。「殺しのテクニック」の殺し屋は照準器とサイレンサーの付いたライフルを使用しますが、こちらは畳針を使う。ほとんど憶えていないのですが、窓を開けると墓地がある薄汚れたアパートと共演者の成田三幹夫が印象に残っています(1990年にもう一度テレビで見ているので、そのときの印象かもしれませんが)。原作は藤原審爾の「前夜」、脚色増村保造ら、撮影宮川一夫。同じ年に同じ監督と主演で「ある殺し屋の鍵」が作られていて、goo でストーリーを読むと、続篇というより、似たような趣向の作品らしい。というのも、雷蔵は前作では表向き板前、今度は日本舞踊の師匠で、暴力団から殺人を依頼されるという発端が同じらしいから。

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2009年10月17日 (土)

1976年10月第2週に見た映画 (その5)

10月16日(土) おかしなおかしな大冒険 (中野武蔵野館) 4点
10月16日(土) 007/ロシアより愛をこめて (中野武蔵野館) 3点

すでに見たことのある作品二本立て。友人と見に行きました。中野武蔵野館って客席の奥行きがなくて、横に長かったから、「カニの横ばい」と呼ばれてませんでしたっけ?私がまだ東京にいたころに廃館になって、跡地にミニシアターができたようですが、そのミニシアターには行ったことがあるような、ないような。「おかしなおかしな大冒険」(1973)はフィリップ・ド・ブロカ監督で、月曜に見た「怪盗二十面相」(1975)の前作。両方ともジャン・ポール・ベルモンド主演。共演ジャクリーヌ・ビセット、音楽は「ボルサリーノ」のクロード・ボラン。探偵小説家が自分で書いている小説の中の主人公として大活躍する話で、60年代にジャック・レモン扮する漫画家による同趣向のコメディ「女房の殺し方教えます」がありました。さえない男が想像の中で活躍するというコメディの原型は、ジェームズ・サーバー原作でダニー・ケイが主演した「虹を掴む男」(1947)じゃないかと思うのですが、そういえば「キートンの探偵学入門」(1924)も夢の中で活躍する話でした。しかし、あれはずっと夢の中の話だから、現実と想像が交差するという点では、やはり「虹を掴む男」が原点なのかな?「おかしなおかしな大冒険」は全体的に愉快なスラップスティックなのですが、一つ不快な部分があります。現実の中でビセットと仲が悪くなったベルモンドが小説の中でビセットが集団暴行される場面を描くという部分で、そのものズバリは見せずにコミカルに描いているけど、想像の中の話にしても後味が悪い。というわけで、この時以来この映画を見ていないのですが、もっと大人になっている今見ると違う印象になるのかな。007シリーズの最高傑作と言われている第二作「ロシアより愛をこめて」は、何度か見て満点をつけたこともあるけれど、このときは古臭く見えたのか、あまり良い点はあげてません。

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2009年10月16日 (金)

1976年10月第2週に見た映画 (その4)

10月15日(金) 鐘 (池袋文芸坐) 1点
10月15日(金) 手 (池袋文芸坐) 2点
10月15日(金) いつか見たドラキュラ (池袋文芸坐) 4点

自主製作映画三本立て。テレビのお笑い界で才人と呼ばれる人たちが映画を作りたがるのは現在も変わらない。「鐘」(1966)は、青島幸男が製作・監督・脚本・主演した1時間少々の作品。短篇だと記憶していたけど、川から鐘を引き上げるだけのくりかえしをを1時間少々見せられては、1点をつけたくなろうというもの。萩本欽一の「手」も短篇だと思っていたら、これも1時間あって、シナリオなしで手だけを相手に芝居を見せらるのはキツイ。欽ちゃんには「俺は眠たかった!!」(1970)という松竹で監督した長篇もあります。欽ちゃんはチャップリン好きで、スイスで引退生活を送っていたチャップリンにアポなしで会いに行くテレビドキュメンタリーを見たことがあります。結局、欽ちゃんは豪邸に入れてもらえたけれど、カメラは入れませんでした。ウィキペディアによれば、1971年のことでした。同じくウィキペディアによれば、チャップリン好きというより、世界で一番有名な人ぐらいの認識しかなかったらしい。40年近く「欽ちゃんはチャップリン好き」と思い込んでいたのに。「いつか見たドラキュラ」(1967)は、テレビCMの演出家として活躍していた大林宣彦が脚本・監督・撮影した40分の中篇実験映画。怪奇映画や西部劇のパロディで、けっこう良い点をつけているところからすれば楽しめる作品だったのでしょう。

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2009年10月15日 (木)

1976年10月第2週に見た映画 (その3)

10月14日(木) ドノバン珊瑚礁 (?) 4点

1963年のジョン・フォード作品。原題は "Donovan's Reef"。ジョン・ウェインとリー・マービンが殴り合いをする豪快なコメディ。舞台はハワイだと記憶違いをしていましたが、実際は南海の孤島でした。TBSの月曜ロードショーでカラーで見た記憶があるので、木曜日というのが不思議でしたが、記憶をたどっていくと、月曜ロードショーで見たのは中学時代に終りの30分ほど見ただけで、そっちのほうが記憶に残っていたのでしょう。今回は、白黒テレビしかもっていなかったので白黒で見たはずだし、たぶん東京12チャンネル(テレビ東京)の木曜の夜9時からの映画劇場だったはずです。なんと、この木曜洋画劇場は1968年から今年3月まで40年以上続いていたんですね。今は水曜シアター9というのに移行したらしいんですが、なんにせよ、広島じゃ見れない。インターネットで調べたら、たしかに木曜洋画劇場で放映されていました。http://www.geocities.jp/jotx12ch/mokuyouyouga/51list.html

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2009年10月14日 (水)

1976年10月第2週に見た映画 (その2)

10月12日(火) ボッカチオ'70 (TVK) 3点
10月12日(火) 底抜けもててもてて (東京12) 2点

「ボッカチオ'70」も、映りの悪いテレビ神奈川で見ました。映りが悪いのはテレビ神奈川のせいじゃなくて、調布市の仙川という神奈川から離れたところに住んでいたからです。映りが悪くてもけっこう見ていたってことは、東京のテレビ局では見ることのできない珍しいのを放映していたからでしょう。「ボッカチオ'70」もそう。これは、デ・シーカ、フェリーニ、ビスコンティのイタリア三大巨匠による1962年のオムニバス映画で、主演は各々ソフィア・ローレン、アニタ・エクバーグ、ロミー・シュナイダー。もともとマリオ・モニチェリ監督も参加していて、日本公開時にカットされたとずっと思っていましたが、どうもイタリア公開時からカットされていたらしい。でも、彼が監督したエピソードを含む完全版が10年ほど前に公開されたらしい。これらのことはウィキペディアの「ボッカチオ'70」の項で知りました。マリオ・モニチェリは "Big Deal on Madonna Street" の監督です。

中学の頃はジェリー・ルイスが面白かったけど、高校あたりから見るのがバカバカしくなったので、大学になってもまだ見ていたのが驚き。1961年のパラマウント映画で、ジェリー・ルイス製作・監督・主演。カイエ・デュ・シネマ誌では、ジョン・フォードの「リバティ・バランスを射った男」とともに1962年の15位。「ウエストサイド物語」「太陽は一人ぼっち」「草原の輝き」よりも上ですぜ。おっと、22位には「ボッカチオ'70」からビスコンティ篇のみ入っています。オムニバス映画の1エピソードのみ入っているというのは、1968年に「世にも怪奇な物語」のフェリーニ篇のみが4位に入っているけど、これは納得。

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2009年10月13日 (火)

1976年10月第2週に見た映画 (その1)

10月11日(月) 怪盗二十面相 (渋谷全線座) 4点
10月11日(月) 女優志願 (NHK) 4点
10月11日(月) 情婦 (TVK) 4点

体育の日は10月の第二日曜日ですが、それは2000年に「ハッピーマンデー制度」というのが適用されたからで、それ以前は10月10日に固定されていました。そんなわけで、33年前のこの日は振替休日でした。ちなみに、振替休日が始まったのは1973年4月29日の天皇誕生日からで、そのとき高校二年生だったから、私は日曜と祝日が重なっても連休をもらえないという不運な小学時代と中学時代を送ったわけです。

で、休日の朝早くから渋谷全線座に、フィリップ・ド・ブロカ監督、ベルモンド主演、ジュヌビエーブ・ビジョルド共演の「怪盗二十面相」(1975)を見に行ったわけです。「リオの男」と「カトマンズの男」の監督・主演コンビ、「まぼろしの市街戦」の監督・共演者コンビ、さらにこの題名で面白くないはずがないだろうと、併映作品を見ずに(興味なかったか見たことのある作品だったに違いない)、意気込んで見たわけですが、しまりのない遊び半分の作品だったように記憶しています。70年代のベルモンドやドロンの映画ってスターの立場が強くなりすぎて、たぶんプロデューサー的な役割もしていたと思うんだけど、なんか自分中心に気分良く作っているような作品が多かった印象があります。点数がさほど悪くないので、そこそこ楽しめたんだろうけど、60年代のほうが良かったなあ。ベルモンドとビジョルドはルイ・マル監督の1967年の「パリの大泥棒」でも共演していますが、あれは他に女優さんが何人か出ていて、そんなにビジョルドの印象はない。ビジョルドは、「千日のアン」(1969)でアカデミー助演女優賞にノミネートされたあと、カナダのテレビディレクターと結婚して、70年代初めはあまり目立った活動をしていませんでした。カコヤニスの「トロイアの女」(1971)というのがあるけど、けっこうあとになって日本公開されました。その後、「大地震」というチャールトン・ヘストン主演のパニック映画に出たり、デ・パルマの「愛のメモリー」やマイケル・クライトンの「コーマ」といったスリラーに主演したり、私は見たことがないんだけど80年代にはアラン・ルドルフという監督の作品によく出ていたり、「タイトロープ」でイーストウッドと共演したりして、60半ばの現在でも活躍しているようです。私が最後に見たのはクロネンバーグの「戦慄の絆」(1988)でした。「怪盗二十面相」の音楽はド・ブロカ作品の常連ジョルジュ・ドルリュー。

「女優志願」(Stage Struck, 1958)は、たぶんNHK総合の午後4時ぐらいからの放映だったと思います。テレビ出身のシドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」に次ぐ二作目ですが、キネ旬のベストテンでは「女優志願」が1958年の10位、「十二人の怒れる男」が翌年の1位なので、日本では「十二人の怒れる男」の公開のほうがあとだったようです。「女優志願」の主演は、ジョシュア・ローガン監督の「ピクニック」でメガネをかけた文学少女が可愛かったスーザン・ストラスバーグでしたが、これは印象にありません。「十二人の怒れる男」と同じくヘンリー・フォンダ主演で、クリストファー・プラマーも出ているので、前日の「サウンド・オブ・ミュージック」と二日続けてプラマーを見ています。普段そんなに見かける人じゃないのに。

さらに、夜、映りの悪いテレビ神奈川で、ビリー・ワイルダーの「情婦」(1957)を見ています。アガサ・クリスティの舞台劇「検察側の証人」の映画化で、映画の原題も "Witness for the Prosecution"。主演はタイロン・パワーとマレーネ・デートリッヒですが、体調の悪い弁護士チャールズ・ロートンと付添看護婦エルザ・ランチェスターのコンビが印象に残りました。このノートルダムのせむし男とフランケンシュタインの花嫁は実生活上の夫婦で、二人とも映画の中では変わった人物を演じていますが、ロートンが63歳で病死するまで30年以上連れ添っていたので実生活ではちゃんとした人たちだったのでしょう。しかし、IMDbによれば、二人の間に子供がいなかったのはロートンがホモだったからだと未亡人ランチェスターが語ったとか。

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2009年10月12日 (月)

1976年10月第1週に見た映画 (その4)

10月10日(日) サウンド・オブ・ミュージック (日曜洋画劇場) 4点

友人の家で見ました。1959年からブロードウェイで上演されていたヒットミュージカルの映画化。野外ロケを含む60年代の大作ミュージカルなんてまったく興味ないとずっと思っていたんだけど、案外良い点を付けています。「エーデルワイズ」や「ドレミの歌」といった曲に感銘を受けたとも思えないので、ナチスドイツから逃げるドラマ部分が面白かったのかもしれません。監督のロバート・ワイズは娯楽監督として一定の水準を私に保証してくれるのです。双葉さんの採点表には逆のことが書いてあって、歌は素晴らしいが、サスペンスドラマになったのがマイナスだとか。ジュリー・アンドリューズ、クリストファー・プラマー主演。アンジェラ・カートライト共演。音楽はロジャーズ&ハマースタイン。"My Favorite Things" も「サウンド・オブ・ミュージック」の曲なんですね。20世紀フォックス。1965年。トリュフォーの「華氏451」撮影日記である「ある映画の物語」(草思社、1986)に、半年で330回も「サウンド・オブ・ミュージック」を見たイギリス夫人のことが書いてありました。トリュフォーが新聞記事で見つけたんだけど、月曜から土曜まで毎日二回、日曜は一回、同じ映画館で見続け、40回目からは顔パスで入れるようになったそうです。

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2009年10月11日 (日)

1976年10月第1週に見た映画 (その3)

10月08日(金) スローターハウス5 (池袋文芸坐) 5点
10月08日(金) 10億ドルの頭脳 (池袋文芸坐) 3点

「スローターハウス5」は、この年「狼たちの午後」に次いで好きだった映画なんですが、変な映画だったという以外、記憶にありません。カール・ボネガット・ジュニアの小説が原作で、たぶんSF風だったと思います。監督が「明日に向かって撃て」や「スティング」のジョージ・ロイ・ヒル監督が好きだったから、良い点をあげたのかもしれません。「スローターハウス5」は1972年の作品で、その二作の間に位置するのですね。ロイ・ヒル監督は、このあと、「華麗なるヒコーキ野郎」「スラップショット」「リトルロマンス」「ガープの世界」と快調だったのですが、ジョン・ル・カレ原作の「リトルドラマーガール」が私にはあまり面白くなくて、興味を無くしてしまいました。結局、そのあとチェビー・チェイス主演のコメディを作っただけで、2002年に81歳で亡くなられたようです。1964年の「マリアンの友だち」というのも印象に残る作品でした。

「10億ドルの頭脳」(Billion Dollar Brain, 1967)は、レン・デイトン原作のスパイもので、マイケル・ケイン演じるハリー・パーマーものとしては3作目。一作目は「国際諜報局」(The Ipcress File, 1965)、二作目は「パーマーの危機脱出」(Funeral in Berlin, 1966)。その後、1995年と1996年にもマイケル・ケイン主演で一本ずつ作られたようです。 キネ旬を読み始めた1973年ごろに石上三登志という方の連載記事があり、そのなかで一作目「国際諜報局」をほめていたので、ずっと興味がありました。あれはシドニー・J・フュリー監督でしたが、二作目は「007/ゴールドフィンガー」のガイ・ハミルトン監督、三作目はケン・ラッセル監督。ケン・ラッセルはテレビ出身で、この前に一本あるらしいけど、これが本格的な劇場デビューらしい。音楽を題材にした70年代以降の悪趣味でケバケバしい作品を何本か楽しませてもらいましたが、これはしまりがなくて、面白かった記憶がありません。最初の二作が見てみたい。カトリーヌ・ドヌーブの姉で交通事故によって25歳で亡くなったフランソワーズ・ドルレアックの遺作。プロデューサーは007のハリー・サルツマンと、監督として有名なアンドレ・ド・トス。アンドレ・ド・トスにはもう一本プロデュース作品があって、それはジョン・ギラーミン監督、ジム・ブラウン、リー・バン・クリーフ主演の「エル・コンドル」(1970)です。

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2009年10月10日 (土)

1976年10月第1週に見た映画 (その2)

10月07日(木) ブリット (新宿ローヤル) 4点

私の記憶では、この前に一度テレビか福山の名画座で見ていたと思っていたのですが、意外とこのときが初めてでした。友人と見に行ったのですが、期待していたほど面白くなかったというのが共通の感想でした。たぶん、もっとスリルとサスペンスに満ちたものを期待していたのでしょう。スティーブ・マックイーンの刑事ブリットがクールに描かれているので、「ダーティハリー」や「フレンチコネクション」を経験したあとでは物足りなかったのかもしれません。でも、ピーター・イエーツというイギリス出身の監督は、演出が小ざっぱりしているので、けっこうお気に入りなんです。とくに「ヤング・ジェネレーション」(Breaking Away, 1979)という田舎の落ちこぼれ4人組が大学生たちと自転車レースで戦う青春コメディが大好きです。

何年か前にNHK教育で放映された「ブリット」を録画したビデオを再見しました。今回は、渋く描かれているのを最初から知っていたので、マックイーンがカッコいいなあと思いながら楽しめましたし、カーチェイスの場面はやっぱり迫力ありました。しかし、マックイーンにまとわりつく政治家ロバート・ボーンが何をしたかったのかよくわからなかったし、重要証人の替え玉のエピソードがよく理解できなかったので、悪い政治家にギャフンと言わせたとか、悪い奴をやっつけたとかいう気持が起きなくて、欲求不満が残りました。

もう一つ不満を言わせてもらうと、恋人ジャクリーヌ・ビセットがマックイーンに対して、惨殺死体を見て平気なあなたが信じられないというようなことを言うシーンがあるのですが、刑事ってそういう職業じゃないんですか。マックイーンが射殺した相手に自分のジャケットをかぶせてやるのが白々しい。しかし、今見るとさほどでもない暴力描写も当時はショッキングだったので、スターがこれくらいの気持ちを見せないと、丸く収まらなかったのかもしれない。孤独に戦うヒーローに女なんていらないので、恋人とのエピソードをまるごとカットすればいいと思うのだけど、そうすると、トリュフォーの「アメリカの夜」にジャクリーヌ・ビセットが出ていなかったかもしれないので、あるがままを受け入れることにします。

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2009年10月 6日 (火)

1976年10月第1週に見た映画 (その1)

10月4日(月) モダンタイムズ (月曜ロードショー) 5点

「モダンタイムズ」は、「ビバ!チャップリン」と銘打たれて1972年から始まったリバイバル上映シリーズの第一弾でした。この頃キートンが大好きで、チャップリンにあまり興味がなかったので、このリバイバルシリーズがいつ終わったのかわかりませんが、人気を呼んだので、着実に上映され、盛況のうちに終わったのでしょう。それに比べると、キートンのリバイバルシリーズは5本ぐらいは着実に上映されましたが、「大列車追跡」や「荒武者キートン」は1年とか2年とかのブランクがあってやっと上映された次第で、私の知っている限り、「ゴーウエスト」「バトリングバトラー」「カレッジ」は上映されなかったんじゃないでしょうか。ロイドのリバイバルシリーズもあったような気がするけど、ビルを登る「要心無用」しか記憶にない。

リバイバル第一弾の「モダンタイムズ」は1973年3月に福山で一般封切りか試写会で見ています。古臭さかったし、おセンチだったし、笑い顔が好きじゃなかったし、ギャグもそれほど面白く感じなかったし、みんながほめすぎるので、高校生の私は「ケッ!」って感じでした。その後、「街の灯」「独裁者」「ライムライト」「黄金狂時代」など見ましたが、やっぱり古臭くて好きになれなかったし、1973年からリバイバル上映され始めたキートンのほうがずっと現代的で、面白かったです。でも、この年の五月に「サーカス」を見て、何かチャップリンに感じるものがあって、それで、今回は5点を付けたのでした。あらためて見てみないと「サーカス」に何を感じたのか思い出せないのですが、自分の弱さを自覚し始めて、強いヒーローを求めるのじゃなくて、弱い人間なりの生き方に共感を覚え始めたのかもしれません。

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2009年10月 5日 (月)

1976年10月に見た映画 (概観)

10月14日の「ドノバン珊瑚礁」は、「月曜ロードショー」で見たように記録しているのですが、この日は木曜なので、あきらかに間違い。たぶん東京12チャンネルで夜9時から放映していた映画劇場でしょう。月曜に見たのを14日に記録した可能性もあるけど、この週の月曜日はけっこう見ているので、やっぱり東京12チャンネルの映画劇場の可能性が高い。

第1週

  • 10月04日(月) モダンタイムズ (月曜ロードショー) 5点
  • 10月07日(木) ブリット (新宿ローヤル) 4点
  • 10月08日(金) スローターハウス5 (池袋文芸坐) 5点
  • 10月08日(金) 10億ドルの頭脳 (池袋文芸坐) 3点
  • 10月10日(日) サウンドオブミュージック (日曜洋画劇場) 4点

第2週

  • 10月11日(月) 怪盗二十面相 (渋谷全線座) 4点
  • 10月11日(月) 女優志願 (NHK) 4点
  • 10月11日(月) 情婦 (TVK) 4点
  • 10月12日(火) ボッカチオ'70 (TVK) 3点
  • 10月12日(火) 底抜けもててもてて (東京12) 2点
  • 10月14日(木) ドノバン珊瑚礁 (月曜ロードショー?) 4点
  • 10月15日(金) 鐘 (池袋文芸坐) 1点
  • 10月15日(金) 手 (池袋文芸坐) 2点
  • 10月15日(金) いつか見たドラキュラ (池袋文芸坐) 4点
  • 10月16日(土) おかしなおかしな大冒険 (中野武蔵野館) 4点
  • 10月16日(土) 007ロシアより愛をこめて (中野武蔵野館) 3点
  • 10月17日(日) ある殺し屋 (?) 3点 

第3週

  • 10月18日(月) 冒険また冒険 (月曜ロードショー) 4点
  • 10月22日(金) 男はつらいよ寅次郎相合い傘 (新宿ロマン) 4点
  • 10月22日(金) 男はつらいよ夕焼け小焼け (新宿ロマン) 4点 
  • 10月22日(金) 華麗なる飛行機野郎 (名画座ミラノ) 4点
  • 10月22日(金) 運命の饗宴 (東京12) 4点

第4週

  • 10月26日(火) 危険を買う男 (久保ホール) 3点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2009年10月 4日 (日)

1976年9月第4週に見た映画 (その3)

10月2日(土) ぐうたらバンザイ (池袋文芸坐) 5点
10月2日(土) オー!ラッキーマン (池袋文芸坐) 4点

どういうつながりがあるのかわからない二本立て。「ぐうたらバンザイ」はフィリップ・ノワレ主演のフランス式コメディで、1968年の映画なんだけど、日本で公開されたのは70年代に入ってからだったと思います。監督は「わんぱく戦争」のイブ・ロベール。田舎町に住む農夫フィリップ・ノワレのグータラぶりが笑わせてくれるコメディでした。

「オー!ラッキーマン」(O Lucky Man!)は、リンゼイ・アンダーソン監督、マルコム・マクダウェル主演という「IFもしも...」コンビの1973年のイギリス式コメディで、3時間もあります。どういう内容だったか思い出せない。4点つけているから、けっこう面白かったんでしょう。音楽は昔アニマルズでキーボードを弾いていたアラン・プライスで、この頃にはソロのミュージシャンとして地位を確立していました。マクダウェルとしては「時計仕掛けのオレンジ」の次の作品でした。生意気そうな若造って感じが好きなんですが、まだ66歳で現役バリバリなのがうれしい。

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2009年10月 2日 (金)

1976年9月第4週に見た映画 (その2)

10月1日(金) やぶにらみの暴君 (アテネフランセ近くの美術学校) 3点
10月1日(金) ガス燈 (東京12) 4点

「やぶにらみの暴君」は、ポール・グリモーという監督のフランスのアニメで、キネ旬の1955年の6位に入っていたから見たかった作品です。「アテネフランセ近くの美術学校」というのは、お茶の水と水道橋の中間にあるアテネフランセの水道橋寄りにある学校で、Google の地図で調べたら、どうも東京デザイナー学院らしい。たぶん文化祭が行われていて、大きな講義室で上映されており、一人で見に行った私はとてもアウェイな気分で、居心地が悪かったです。「やぶにらみの暴君」は1952年の作品で、原題は "La bergere et le ramoneur" で、「羊飼と煙突掃除人」という意味らしい。声優は、羊飼いの娘がアヌーク・エーメ、煙突掃除の少年がセルジュ・レジアニ。アンデルセンの原作をグリモーとジャック・プレベールが脚色。音楽はジョセフ・コスマ。制作費がかさんだため、未完の作品だったらしい。思ったほど面白くなかったので、このとき以降、ポール・グリモーにも「やぶにらみの暴君」にも興味を持ったことはないのだけど、あらためて調べてみたら、1980年に "Le roi et l'oiseau" と題された完成品が作られていて、これは2006年に日本でも公開されたらしい。ウィキペディアによると、宮崎駿や高畑勲が「やぶにらみの暴君」に影響を受けていて、スタジオジブリが「王と小鳥」という邦題でミニシアターで公開したらしい。

「ガス燈」(Gaslight, 1944)は、ジョージ・キューカー監督、イングリッド・バーグマン、シャルル・ボワイエ主演のMGM製作配給映画。1947年のキネ旬の9位。音楽はブラニスラウ・ケイパー、撮影はジョセフ・ルッテンバーグ。バーグマンがアカデミー主演女優賞を獲得。ビクトリア時代のロンドンが舞台で、若妻バーグマンが夫ボワイエの策略によって自分は精神異常じゃないかと思ってしまう。他の出演者はジョセフ・コットン、デイム・メイ・ウィッティ、アンジェラ・ランズベリーら。東京12チャンネルの夜10時ぐらいから見たような気がします。ポーリン・ケイル女史がけっこうほめているので、あらためて見たくなりました。コレクターズ・エディションという少々高めの日本盤もあるけど、500円の安い日本盤で十分。おっと、「汚名」と「白い恐怖」との三枚で980円ってえのもある。

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2009年9月29日 (火)

1976年9月第4週に見た映画 (その1)

「人間の条件」は、全部で10時間ぐらいあるので怖気づいていましたが、見始めたら止まらなくなって、あっという間に全部見ちゃいました。クライテリオンのボックスセットは、劇場公開と同じく、「1部2部」「3部4部」「完結篇」と三枚のDVDに収録されており、4枚目がボーナスDVDなんだけど、なんで7月に日本で発売されたボックスセットは6枚組なんでしょうねえ。枚数を増やして割安感を出そうとしているとしか思えない。1部ずつ2800円の単品も発売しているようですが、2部ずつにするのが本来の姿じゃないのでしょうか。

9月27日(月) 暗くなるまでこの恋を (月曜ロードショー) 4点

トリュフォーの作品を地上波の夜9時から放映するなんて今なら考えられない。でも、この年を対象としたスクリーン誌の人気投票では監督部門でトリュフォーが1位だったのですよ。「アメリカの夜」「アデルの恋の物語」「トリュフォーの思春期」と好調だったから(「思春期」が公開されるのはこの年の暮れで、この時点では日本公開されていませんでしたが)。「暗くなるまでこの恋を」(1969)は、トリュフォーの長篇8作目で、6作目の「黒衣の花嫁」と同じくアイリッシュ原作。原作のタイトルは「暗闇へのワルツ」で、映画の原題は「ミシシッピーの人魚」。レ・ユニオン島でタバコ会社を経営するベルモンドが結婚詐欺師ドヌーブにだまされ、彼女をフランスまで追いかけるが、やっぱり彼女が好きなベルモンドは自分が雇った私立探偵を殺して二人で逃避行を続けるというお話。

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2009年9月21日 (月)

1976年9月第3週に見た映画

9月20日(月) 野いちご (池袋文芸坐) 4点
9月20日(月) マッシュ (テアトル新宿) 4点
9月20日(月) チャイナタウン (テアトル新宿) 4点
9月20日(月) 殺人者 (TVK) 3点

「野いちご」は1957年のベルイマン作品で、1960年の「処女の泉」とともに、60年代の陰鬱で難解な作品群の前の最後の傑作のような感じがします。ハリウッド映画好きの双葉さんも白星4つ黒星2つ(90点相当)と、たぶん60年代に日本で公開された中では最高の点数を付けています。80近い医師が名誉博士の称号を授与される式典に息子夫婦の車で出かけるロードムービーで(BFIから出版されている "100 Road Movies" という本にも入っている)、出かける前に不吉な夢を見たり、途中立ち寄った屋敷で若いころの女性関係を回想したりします。それにしても、この頃なぜ名画座でこれを見ることができたのかわかりません。リバイバル公開でもされたのでしょうか。撮影グンナール・フィッシャー。1962年キネ旬1位で、「処女の泉」が前年1位だから、「処女の泉」のほうが先に日本で公開されたらしい。現在、IMDbのユーザー投票では約1万8000人が投票しており、8.3点で131位。2年前にベルイマンが亡くなったとき、"Four Masterworks" と題された4枚組が発売されて、ずっと欲しいと思っているのですが、テレビから録画したのがあるので、ずっと我慢しています(ほかの3作は、「夏の夜は三たび微笑む」、「第七の封印」、「処女の泉」)。

文芸坐での併映は何だったのか記録にありませんが、一本だけだと物足りなかったのか、伊勢丹の裏のテアトル新宿で「マッシュ」と「チャインナタウン」を見ています。アルトマンの「マッシュ」は1973年に福山の名画座で一度見ています。「チャイナタウン」は、このときはまあまあ面白かったのですが、この何年か後に再見したときのほうが面白かった記憶があります。ポランスキーって話の語り口がうまいんだなあって、そのとき初めて思ったような気がするし、それ以降ずっとそう思っています。それは、1979年1月29日に三鷹オスカーで「ロンググッドバイ」とともに見たときのことだから、そのときのことを回想する3年後までにDVDであらためて見て、そのときもっと詳しく書こうかなと思っています。現在、IMDb のユーザー投票では7万人近くが投票しており、8.5点で60位。ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェー主演、ジョン・ヒューストン共演、ポランスキーも出てます。脚本ロバート・タウン、音楽ジェリー・ゴールドスミス、撮影ジョン・A・アロンゾ。

それでもまだ物足りなかったのか、帰ってから、映りの悪いテレビ神奈川で「殺人者」を見ています。同じヘミングウェー原作のドン・シーゲルの「殺人者たち」(1964)ではなく、1946年のロバート・シオドマク監督、バート・ランカスター、エバ・ガードナー主演のフィルムノワール。ほとんど記憶にないので、これもDVDを探して、「フィルムノワール作品リスト」の一本として、そのうち書き込むことにします。DVDを探したら、シオドマクとドン・シーゲルのが一緒になった2枚組がクライテリオンから発売されているのを発見。

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2009年9月17日 (木)

1976年9月第2週に見た映画

9月13日(月) 夏の嵐 (月曜ロードショー) 4点

私の好きなビスコンティは、「夏の嵐」(1954)、「白夜」(1957)、「若者のすべて」(1960)あたりで、それ以降になると、大作すぎたり、わかりにくかったりで、私の鑑賞能力を超えています。「夏の嵐」は、1983年9月に東京駅近くの八重洲スター座で見て感動し、一ヵ月後にも下高井戸で見ています。それ以降は見ていないです。イタリア映画は共同脚本家が多いのですが、中心になっているのはビスコンティとスーゾ・チッキ・ダミーコ女史(95歳で御存命)のようで、IMDbによれば、台詞にテネシー・ウィリアムズが参加しています。撮影はG・R・アルド(「揺れる大地」「ミラノの奇蹟」「ウンベルトD」「終着駅」)が交通事故で亡くなったため、途中でロバート・クラスカー(「逢びき」「邪魔者は殺せ」「第三の男」)に交代。助監督の中にはフランチェスコ・ロージやフランコ・ゼフィレッリがいたようです。19世紀後半の話で、年上の伯爵夫人アリダ・バリがイケメン青年将校ファーリー・グレンジャー(「夜の人々」「見知らぬ乗客」)に身も心も捧げる話。時代背景や青年将校に夢中になるという大筋が似ているからか、私の頭の中では、トリュフォーの「アデルの恋の物語」とエットーレ・スコラの「パッション・ダモーレ」とともにトリオになって思い浮かんできます。他の二作の美人と違って、「パッション・ダモーレ」の女性は骸骨みたいな気味の悪い女性なんだけど、映画が進むうちに魅力的に思えてくるのが不思議でした。植草さんがパンフレットのために書いた短いエッセイ「夏の嵐」と「白夜」が「映画だけしか頭になかった」に収められているので、近いうちに再読しなきゃ。

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2009年9月10日 (木)

1976年9月第1週に見た映画

9月09日(木) 続・動く標的 (渋谷文化) 3点
9月09日(木) 狼たちの午後 (渋谷文化) 5点

「続・動く標的」(Drowning Pool, 1975)は、「動く標的」(1966)に次ぐポール・ニューマン主演の探偵リュー・ハーパーもので、原作はロス・マクドナルド。原作ではリュー・アーチャーという名前ですが、「ハスラー」や「ハッド」など頭文字がHの映画が縁起がいいので、ポール・ニューマンがハーパーという名前にしてくれと言ったとか。それで、一作目の「動く標的」のアメリカ題名も、原作の "The Moving Target" ではなく、"Harper"。で、9年目の再登場になったわけですが、結局、探偵ハーパーはこの2作しか登場しないようです。リュー・アーチャーが登場するものはないかと調べたら、なんと同じ1975年にテレビでブライアン・キースが6本ほど主演しているシリーズがあるじゃありませんか。これは偶然なのか。「動く標的」の監督はジャック・スマイトでしたが、「続・動く標的」の監督は、ポール・ニューマンのお抱え監督みたいな感のあるスチュアート・ローゼンバーグ。この二人何本映画を作ったかという「暴力脱獄」(1967)、「WUSA」(1970)、「ポケットマネー」(1972)と「続・動く標的」だけで、思ったほど多くなかった。短期間に一緒に数本作っているから、お抱え監督みたいな印象になったのだな。共演はニューマンの奥さんのジョアン・ウッドワードで、この二人の共演は何本あるかというと、多そうなので、調べるのやめます。他の共演者は、アンソニー・フランシオサ、マレー・ハミルトン、メラニー・グリフィス、ポール・コスロら。内容はほとんどおぼえていなくて、最後、若い女性と一緒に部屋かどこかで水攻めにあうことぐらいです。

「狼たちの午後」(Dog Day Afternoon, 1975)は面白くて、この年の自分の1位にしています。監督はシドニー・ルメット、主演はアル・パチーノ。パチーノがジョン・カザールと一緒に銀行強盗に入ったら、あっという間に警察やFBIに包囲されちゃって、銀行員を人質に立てこもらざるを得なくなるお話。メディアが中継に来て、群衆たちが犯人らを応援するっていうのは、スピルバーグの「続・激突カージャック」もそうだったけど、なんか愉快な感じがします。脚本フランク・ピアソン、撮影ビクター・J・ケンパー。この年にもう一度見たきりで、面白かったという記憶しかないので、ポーリン・ケイルの "5001 Nights at the Movies" を頼りにすると、まず、ニューヨークを舞台にした映画の傑作とほめています。パチーノが銀行強盗をしたのはホモの恋人のクリス・サランドンを性転換させるための資金が欲しかったからで、ケイル女史は、サランドンの演技を、これまでで最良のホモ演技の一つだと評価しています。私は、まだ、このホモに関するエピソードがピンとこなかった。今見たら少しは理解できるようになっていて、さらに面白く見ることができるかもしれない。ピアソンがアカデミー脚本賞を獲得、アル・パチーノが主演男優賞、サランドンが助演男優賞、ルメットが監督賞にノミネート。他に作品賞と編集賞にもノミネート。この年の作品賞は「カッコーの巣の上で」でした。

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2009年9月 5日 (土)

1976年9月に見た映画 (概観)

第1週

  • 9月9日(木) 続・動く標的 (渋谷文化) 3点
  • 9月9日(木) 狼たちの午後 (渋谷文化) 5点

第2週

  • 9月13日(月) 夏の嵐 (月曜ロードショー) 4点

第3週

  • 9月20日(月) 野いちご (池袋文芸坐) 4点
  • 9月20日(月) マッシュ (テアトル新宿) 4点
  • 9月20日(月) チャイナタウン (テアトル新宿) 4点
  • 9月20日(月) 殺人者 (TVK) 3点

第4週

  • 9月27日(月) 暗くなるまでこの恋を (月曜ロードショー) 4点
  • 10月1日(金) やぶにらみの暴君 (アテネフランセ近くの美術学校) 3点
  • 10月1日(金) ガス燈 (東京12) 4点
  • 10月2日(土) ぐうたらバンザイ (池袋文芸座) 5点
  • 10月2日(土) オー!ラッキーマン (池袋文芸坐) 4点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2009年9月 4日 (金)

1976年8月に見た映画(その5)

9月3日(金) 脱出 (新宿ローヤル) 4点
9月5日(日) けんかえれじい (早稲田松竹) 5点
9月5日(日) 刺青一代 (早稲田松竹) 3点

「新宿ローヤル」は、すでに閉館になっているようなんだけど、新宿紀伊国屋のそばにあるアクション映画一本立ての映画館で、個性的な映画館というより、いつでもそこに行けば何かしらアクション映画をやっているという普通な感じで、今から考えると、それがとても貴重だったんだなあって思えます。「脱出」は、ジョン・ブアマン監督の1972年のワーナー映画で、ジョン・ボイド、バート・レイノルズ、ネッド・ビーティ、ロニー・コックスの四人がカヌーで川下りを楽しむ途中で事件に巻き込まれるお話。単純な話なのでストレートに楽しめると予想していたら、思ったより重苦しい感だったし、後味があまり良くなかった。なにしろ唯一おぼえているのは、中年の太っちょ、ネッド・ビーティが地元住民にカマをほられてしまうシーンぐらいだから。劇中では知能の遅れた少年が演奏する「デュエリング・バンジョー」がアメリカで大ヒットしました。実際に演奏しているのはエリック・ワイズバーグとスティーブ・マンデルです。原作・脚本はジェームズ・ディッキー、撮影ビルモス・ジグモンド。

鈴木清順は、この翌年、10年ぶりの監督作「悲愁物語」が公開され、我が映研も宣伝に駆り出されましたが、私は特に好きなわけでもなかったので、さめていました。でも、「けんかえれじい」は面白かった。昭和初期の硬派中学生のけんかに明け暮れる青春を描いた1966年の日活映画。主演は高橋英樹で、あこがれのマドンナのピアノを自分のあそこで弾くシーンが記憶に残っています。「脱出」もこの映画も、そんなことしか記憶に残っていない自分が情けない。でも、さぞ気持ち良かったに違いない。マドンナは誰だったか調べたら、大橋巨泉と40年間も連れ添っている浅野順子じゃありませんか。先輩役の川津祐介も良かったです。この人とてもハードボイルドな感じがするので、この頃テレビで民謡番組の司会をしているのに違和感がありました。でも、私生活では、絵を描いたり、詩集や童話を出したりしているので、きっと温和な方なんでしょう。原作鈴木隆、脚色新藤兼人、撮影萩原憲治、音楽山本直純、美術木村威夫。

ヤクザ映画というと東映ですが、日活でもヤクザ映画を作っていて、たぶん高橋英樹が一番よく主演していたんじゃないかと思います。鈴木清順の「刺青一代」が公開された1965年に高橋が出演した作品は、「拳銃野郎」「男の紋章・喧嘩街道」「涙をありがとう」「渡世一代」「流転の掟」「秩父水滸伝・必殺剣」「男の紋章・俺は斬る」「殴り込み関東政」にも出ていて、今やバラエティで馬鹿笑いしているやさしそうなおじさんも、当時は映画スターでした。相手役の和泉雅子は、冒険家として北極に行ったり、山に登ったりして、今やたくましい体のおばさんになってしまいましたが、まだ20歳にもなっていなかったこの頃は、「男の紋章」シリーズで高橋とも共演していますが、山内賢との青春コンビが有名で、「二人の銀座」というヒット曲もありました。そういえば、山内賢も、たまにテレビの旅番組で見かけますが、人当たりの良いおじさんになっています。「刺青一代」も面白かった記憶があります。なんか河原で高橋と和泉が話しているシーンがぼんやり浮かんできます。ふすまを開けると、またふすまがあり、それを開けるとまたふすまがあり、その間照明の色が次々変わるというのは、この映画でしたっけ?有名なシーンのようですが、自然なのが好きな私は、こういうのどうもダメだなあ。

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2009年8月25日 (火)

1976年8月に見た映画 (その4)

8月?日(?) 追想 (札幌) 4点
8月?日(?) カッコーの巣の上で (札幌) 5点

大学の仲間3人で2週間ほどキャンプ中心の北海道旅行に行ってきました。その途中、単独行動で映画を見に行ったのです。キネ旬の巻末に全国の主な映画館の上映予定が書いてあったので、たぶん先に調べていたのでしょう。劇場名まではおぼえていません。映画館を見つけるのは得意なので、見つけるのに苦労したという記憶はありません。

「追想」はロベール・アンリコ監督の第二次大戦を背景にした映画。外科医フィリップ・ノワレが妻ロミー・シュナイダーと娘を南フランスの村にある自分の城に疎開させるが、妻は辱かしめを受けたあと火炎放射器で殺され、娘も惨殺される。城を訪れたフィリップ・ノワレがそれを知り、妻と娘との楽しかった生活を回想しながら、ドイツ兵を一人ずつ殺していくというお話。音楽はアンリコ作品でおなじみのフランスワ・ド・ルーベで、この映画と同じ1975年に亡くなったので、実質上最後の作品のようです。撮影はおなじみのジャン・ボフティではなく、エチエンヌ・ベッケル(ジャック・ベッケルの息子で、ジャン・ベッケルの弟)。脚本はアンリコ、パスカル・ジャルダン、クロード・ベイヨ。1975年に設立されたセザール賞の第一回大会で、作品賞、最優秀男優賞、音楽賞を獲得。ロミー・シュナイダーも主演女優賞を獲得していますが、この作品ではなく、"L'important c'est d'aimer" の演技で受賞。

「カッコーの巣の上で」(One Flew Over the Cuckoo's Nest, 1975) は、なんと、現在IMDbのユーザー投票で、「スターウォーズ」「カサブランカ」「七人の侍」などを抑えて、9位に入っているじゃないですが。アカデミー賞の作品部門、主演男女優部門、監督部門、脚色部門でオスカーを獲得しました。撮影のハスケル・ウェクスラーや音楽のジャック・ニッチェはノミネートのみ。主演女優賞を獲得したルイーズ・フレッチャーが話題を呼びました。たぶん、これまであまり知られていなかったからで、IMDbのフィルモグラフィーを見ても、1960年ごろテレビ出演が多いぐらいのものです。その後、子供を二人産んで、子育てに忙しかったようです。精神病院の厳格な看護婦長で、入院患者のジャック・ニコルソンらを抑圧する体制側の象徴として描かれていました。ニコルソンは、刑を逃れるために精神異常を装って入院するのだけど、無気力な患者たちに人間性を取り戻させようとして病院の反発を買い、最後廃人にさせられてしまうというような話だったと思います。80年代以降はよく知りませんが、この頃のニコルソンは体制に歯向う人物が得意で、「暴力脱獄」のポール・ニューマンのように直接的に肉体で歯向かうのではなく、もっと屈折していて、体制に抑圧されるのを知りつつも、何かをせずにはいられなくて、陰でアッカンベーをしている感じでした。私の頭にあるのは「ファイブ・イージー・ピーセズ」や「さらば冬のカモメ」なんですけど。とくに後者は大好きな映画です。「カッコーの巣の上で」はケン・キージーのベストセラー小説が原作、インディアンの大男ウィル・サンプソンも印象的でした。キネ旬でも1位かと思いきや、1976年の1位は「タクシードライバー」で、「カッコーの巣の上で」は2位でした。ちなみにトリュフォーの「思春期」と「アデルの恋の物語」が3位と7位に入っていて、ほかには「バリー・リンドン」「狼たちの午後」「ナッシュビル」「大統領の陰謀」などが入っています。8位に大島渚の「愛のコリーダ」が入っているけど、フランス人がプロデューサーだから、フランス映画なのか。おっと、「カッコーの巣の上で」の監督を書くのを忘れていました。チェコスロバキア出身のミロシュ・フォアマンです。

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2009年8月19日 (水)

1976年8月に見た映画 (その3)

8月18日(水) 全艦発進せよ (NTV) 4点

日本テレビで見ていますが、水曜ロードショーかどうかわかりません。タイトルを見てもピンとこないし、点数以外は何も記録していません。でも、4点だから面白かったのでしょう。主演はジェフ・チャンドラーのような気がするのですが、キネマ旬報の俳優事典で調べたら、やっぱりそうでした。なんとなくそうなんじゃないかなあと思い出す私の記憶力はすごい。1956年とあるからIMDbでチャンドラーのフィルモグラフィーを調べてみたら、1956年に3本出演しているのだけど、"Away All Boats" というタイトルがそうらしい。監督がジョセフ・ペブニー Joseph Pevney とあるので、今度は監督事典をひっぱり出してきて調べてみたら、たしかに「全艦発進せよ」という映画を監督していました。ユニバーサル製作配給で、共演はジョージ・ネイダー、レックス・バーカー、リチャード・ブーンら。gooによれば、真珠湾攻撃から沖縄戦まで何年かにわたった話で、当初未経験者だった船員たちがチャンドラー船長のもとで立派な兵士になっていく話らしい。やっぱりこの時期には戦争映画を放映しなきゃいけないようで、この前もクリント・イーストウッドの「硫黄島からの手紙」をやっていて、いい映画でした。私としては、戦争うんぬんより、30数年前によく見ていたマカロニウエスタンに主演していた人が、こんな映画を作る監督になったことが感慨深い。

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2009年8月 8日 (土)

1976年8月に見た映画 (その2)

ロジェ・バディム監督、バルドー主演の「素直な悪女」の安い日本盤DVDを購入したら、ワイドスクリーンがスタンダードサイズになっていてガッカリ。

8月7日(土) 夜の大捜査線 (NHK総合) 4点

有能な黒人刑事が田舎町で差別を受けながら事件を解決するという物語。1972年に日曜洋画劇場ですでに見ていました。そのとき、淀川さんが「シドニー・ポワチエよりロッド・スタイガーのほうが一つ年上なんですよ!」って目を丸くして解説していたのをおぼえています。今回は夜10時ごろの放映で、字幕スーパー、ノーカットだったと思います。

ポワチエのおかげで正義に目覚める田舎町のぐうたらな警官スタイガーがいい味を出していて、生真面目なポワチエをさしおいて、アカデミー主演男優賞を獲得しました。ほかにアカデミー賞を獲得したのは編集のハル・アシュビー(のちに監督になって「さらば冬のカモメ」(大好き!)、「チャンス」、ローリングストーンズのコンサート映画などを作ります)、作品賞(プロデューサーのウォルター・ミリッシュが獲得)、ベストサウンド、脚色のスターリング・シリファント(原作者はジョン・ボール)。監督のノーマン・ジェイソンもノミネートされましたが、「卒業」のマイク・ニコルズが受賞しました。「俺たちに明日はない」のアーサー・ペンもノミネートのみでした。1967年っていうのは、いわゆるアメリカンニューシネマの元年だったんですね。ちなみに、主演男優賞にノミネートされていたのは「俺たちに明日はない」のウォーレン・ビーティ、「招かれざる客」のスペンサー・トレイシー、「暴力脱獄」のポール・ニューマン、「卒業」のダスティン・ホフマン。「夜の大捜査線」と「招かれざる客」(作品賞ノミネート)という二本の優秀作品に出ているポワチエがノミネートされなかったのは、優秀で真面目な黒人青年というステレオタイプ化された役柄だったからかもしれません。

ほかの出演者は、ウォーレン・オーツ、リー・グラント、マット・クラーク、スコット・ウィルソンら。音楽はくインシー・ジョーンズで、主題歌をレイ・チャールズが歌っています。撮影はハスケル・ウェクスラー(「バージニア・ウルフなんかこわくない」と「ウディ・ガスリーわが心のふるさと」(1976、ハル・アシュビー監督)でアカデミー撮影賞獲得)。

バラカンさんが大好きな映画で、映画にあやかって自分の本の題名を「ミュージック捜査線」にしたし、自分のラジオ番組にも「ミュージック捜査線」という名前を付けました。このローカルFM番組のおかげで、私はバラカンさんのラジオ番組のヘビーリスナーに加えさせていただきましたが、なにしろグループサウンズとモンキーズ出身リスナーなもので、バラカンさんについていくのがしんどくなって、ここ数年間ご無沙汰しております。(「ミュージック捜査線」については、こちらでどうぞ。)

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2009年8月 6日 (木)

1976年8月に見た映画 (その1)

8月05日(木) 或る夜の出来事 (NHK教育) 4点
8月06日(金) 舞踏会の手帖 (NHK教育) 4点

広島に帰省していた時に見た映画。NHK教育で毎日名画が放映されていたようです。平日だから、たぶん夜でしょう。

「或る夜の出来事」(It Happened One Night, 1934)は、スクリューボールコメディにとってエポックメーキング的な作品です(スクリューボールコメディに関しては6年前にこちらに書いています)。監督フランク・キャプラ、脚本ロバート・ラスキン、主演クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール。アカデミー作品賞を獲得したほかに、この四人が各々の賞を獲得しました。コロンビア製作配給。

「舞踏会の手帖」(Un carnet de bal, 1937)は、ジュリアン・デュビビエ監督のフランス映画で、若くして未亡人になったマリー・ベルが舞踏会にデビューした時のダンス相手を記録した手帖を見つけ、各々を訪ねる旅に出るお話。こういうオムニバスっぽい作品って、デュビビエけっこう作っている気がします。「リディアと四人の恋人」、「運命の饗宴」、「フランス式十戒」とか。脚本はアンリ・ジャンソンら数名。音楽モーリス・ジョベール。共演フランソワーズ・ロゼー、ルイ・ジューベ、フェルナンデル、レイミュ、シルビーら。

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2009年8月 1日 (土)

1976年8月に見た映画 (概観)

7月はけっこう書き込みましたが、8月は仕事が忙しそうなので、あまり書き込めそうにありません。幸いなことに、33年前の今月は、さほど映画を見ていません。田舎に帰っていたこともあるし、下旬には男三人で北海道旅行に行きました。札幌では単独行動で映画を見に行きました。映画館の名前は記録していません。9月に見た映画が入っているのは、月曜日が8月だったら次の日曜日まで8月に含めるというようにしているからです。

  • 8月05日(木) ある夜の出来事 (NHK教育) 4点
  • 8月06日(金) 舞踏会の手帖 (NHK教育) 4点
  • 8月07日(土) 夜の大捜査線 (NHK総合) 4点
  • 8月18日(水) 全艦発進せよ (NTV) 4点
  • 8月?日(?) 追想 (札幌) 4点
  • 8月?日(?) カッコーの巣の上で (札幌) 5点
  • 9月03日(金) 脱出 (新宿ローヤル) 4点
  • 9月05日(日) けんかえれじい (早稲田松竹) 5点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2009年7月25日 (土)

1976年7月第3週に見た映画 (その2)

7月23日(金) わが緑の大地 (池袋文芸坐) 4点
7月25日(日) バーバレラ (テレビ) 3点

「わが緑の大地」は、ポール・ニューマン監督主演の1970年のドラマ。原題は "Sometimes a Great Notion"で、「時には偉大な考え」という仮題を雑誌スクリーンで見たおぼえがあります。でも、のちに原題が "Never Give an Inch" に変わったようです。たしか別の人が監督をしていたんだけど、なにかの都合で、ポール・ニューマン自身が監督するようになったということも読んだおぼえがあります。IMDb によれば、もとの監督はリチャード・A・コーラで、交代の理由は書いていません。このとき、すでに1968年の「レーチェル・レーチェル」でポール・ニューマンは監督としての評価を得ていました。オレゴンの森林地帯で伐採業を営む一家のお話。組合員たちがストライキをしている最中、自分たちの仕事を頑固に続ける一家がまわりと対立する。原作は、のちに「カッコーの巣の上で」を書くケン・ケーシー。音楽ヘンリー・マンシーニ、撮影リチャード・ムーア。ヘンリー・フォンダ、リー・レミック、マイケル・サラザン、リチャード・ジャッケル共演。リチャード・ジャッケルはこの映画でアカデミー助演男優部門にノミネートされました。彼が湖で材木にはさまれて身動きがとれず、ニューマンが助けようとしてもどうにもならず、どんどん水位が上がっていって、ゆっくり溺死していくという場面が非常に印象に残っています。というより、その場面しかおぼえていません。

「バーバレラ」(1968)は、すでに水曜ロードショーで見たことがあったと思ったのですが、あれは同じロジェ・バディム監督、ジェーン・フォンダ主演の「獲物の分け前」(1966)だったのかもしれない。この頃、二人は結婚していました。あまり興味ないからパス。

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2009年7月21日 (火)

1976年7月第3週に見た映画 (その1)

7月19日(月) 孤独な関係 (TVK) 3点
7月21日(水) 赤い鳥逃げた? (新宿座) 4点

「孤独な関係」は、マーク・ロブソン監督、ポール・ニューマン主演の1960年の二十世紀フォックス配給映画。出世街道を歩む青年が本当の人生を知るというお話。有力者の娘ジョアン・ウッドワードと結婚するが、まともな女性アイナ・バリンと出会い、真実の愛にも目覚める。だからか、ウッドワードよりもアイナ・バリンのほうをよくおぼえています。ただ、バリンは私のタイプじゃないし、この頃の私は大人の恋愛が苦手だった(今もだけど)。双葉さんの採点では白星3個(60点相当)。ニューマンはウッドワードと1958年に結婚していますが、いったい何本共演しているんだろう。この前に「長く暑い夜」と "Rally 'Round the Flag, Boys!" があって、このあとには「パリの旅愁」「パリが恋するとき」「レーサー」があります。ほかにもあるのかな。「レーチェル・レーチェル」といったニューマン監督、ウッドワード主演の作品も何本かあるようだけど。「孤独の関係」の原作はジョン・オハラ、脚色アーネスト・リーマン、音楽エルマー・バーンスタイン、撮影レオ・トバー。カラー、ワイド、2時間20分の作品を、白黒テレビで、左右がちょん切られ、時間も1時間ほど切られ、映りの悪いテレビ神奈川で見たんだから、正統を求める人たちからは非難されそうだけど、そういう代物を見たという私の経験は事実。しかし、作品自体に興味がないので、本当の「孤独な関係」を見たかどうかを掘り下げる気は全然なし。

「赤い鳥逃げた?」は1973年の東宝映画で、藤田敏八監督、原田芳雄、大門正明、桃井かおり主演。脚本はジェームズ三木だったのか。原田と大門のコンビは「傷だらけの天使」のショーケンと水谷豊に似ていたけれど、大門正明は水谷豊ほど魅力的じゃなかった。「傷だらけの天使」は1974年10月から翌年3月までの放映だったので、それよりも前の作品。桃井かおりはどんなんだったか思い出せない。安田南が主題歌を歌っていました。私がこの映画を見た1976年ごろ、彼女はFM東京の深夜に片岡義男と「きまぐれ飛行船」という番組をやっていました。中森明菜にも同名の曲があるようだけど、別の曲らしい。このあたりは YouTube で聴いてください。長谷川和彦が助監督だったようだけど、「青春の殺人者」と「太陽を盗んだ男」で華々しく監督業に乗り出した彼のその後の作品を調べたら、なんと監督作はこの二本しかないんですね。

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2009年7月17日 (金)

1976年7月第2週に見た映画 (その3)

7月16日(金) 関東破門状 (東京12) 3点
7月16日(金) 続・猿の惑星 (フジ) 4点

「関東破門状」は、小沢茂弘監督、鶴田浩二、藤純子主演の1965年の作品と記録しています。関東シリーズは渡哲也主演の日活映画が3本あるようですが(「関東流れ者」「関東幹部会」「関東破門状」)、これらは1971年の作品で、その数年前に東映でも関東シリーズ5本あって、すべて小沢茂弘監督、鶴田浩二主演です(「関東流れ者」「関東やくざ者」「関東破門状」「関東果し状」「関東やくざ嵐」)。「関東流れ者」と「関東破門状」という題名の作品が両者ともにあります。小沢茂弘という監督をキネ旬の日本映画監督全集で調べたら、1954年から、この全集が出た1976年まで、東映で年5,6本ペース、120本以上も作っています。その後もテレビドラマで活躍したんじゃないかとウィキペディアを調べたら、「小沢天皇」と陰口をたたかれるぐらい傲慢な態度だったらしく、東映の社長となった岡田茂に嫌われて、1976年以降は映画のみならずテレビドラマも作らせてもらえなくなったらしい。鶴田浩二は、この1965年、13本映画に出ています。列挙してみると、「顔役」(石井輝男)、「日本侠客伝・浪花篇」(マキノ雅弘)、「いれずみ判官」(沢島忠)、「関東流れ者」(小沢茂弘)、「暗黒街仁義」(渡辺祐介)、「関東やくざ者」(小沢茂弘)、「日本侠客伝・関東篇」(マキノ雅弘)、「次郎長三国志・甲州路殴り込み」(マキノ雅弘)、「明治侠客伝・三代目襲名」(加藤泰)、「任侠男一匹」(マキノ雅弘)、「関東破門状」(小沢茂弘)、「無頼漢仁義」(渡辺祐介)、「関東果し状」小沢茂弘)。ふぅー。鶴田浩二の主演作品じゃなくて、健さん主演作品への客演も何本かあるようです。カラー、ワイド作品を白黒テレビ、画面の両脇カットで見ているし、その後昭和館でやくざ映画を何本も見ているので、どんな作品だったかさっぱり。加藤泰の「明治侠客伝・三代目襲名」ぐらい有名なら、ともかく。

1970年の二作目で、一作目に出ていたチャールトン・ヘストンも出ていたような気がしますが、主演はジェームズ・フランシスカス。前作に続いてキム・ハンターが猿役で出ていますが、一作目で猿のコーネリアスだったロディ・マクドウォールは一作目のフィルムが使われている箇所に出ているだけで、特に二作目のための撮影には参加していないみたい。別の人がコーネリアスを演じています。でも、翌年の三作目になると、マクドウォールがコーネリアス役に復帰して、キム・ハンター演じるジラとともに現代のアメリカにやってきます。その後何本作られたか興味ないです。「続・猿の惑星」の原題は "Beneath the Planet of the Apes" で、監督テッド・ポスト、音楽レナード・ローゼンマン、撮影ミルトン・クラスナー。二十世紀フォックス製作配給。

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2009年7月16日 (木)

1976年7月第2週に見た映画 (その2)

7月15日(木) テアトル新宿
 アマルコルド 5点
 ハリーとトント 4点

キネ旬ベストワンの二本立て。フェリーニの「アマルコルド」は1974年の1位で、その年の2位と3位はベルイマンの「叫びとささやき」とトリュフォーの「アメリカの夜」。「アマルコルド」は1年前の1975年7月に名画座ミラノで見ていて、これが二度目。「アマルコルド」も「叫びとささやき」も「アメリカの夜」も当時は夢中で見ていましたが、今考えると、60年代には実験的だった彼らも、この頃にはずいぶん口当たりが良くなったものだなあと思う。家でDVDを繰り返し見ることができる時代になると、むしろ、難解なものに挑戦してみたくなる。まだ見てないんだけど、この前アラン・レネの「昨年マリエンバードで」が届いたし、もうすぐ「ミュリエル」が届く予定で、今はこういうのをじっくり見たい気分。だから、たぶん今「アマルコルド」をみても、さほど面白がらないかもしれない。もちろん、これは今の気分だから、5年後、10年後には「アマルコルド」が見たい気分になっているかも。

「ハリーとトント」は1975年の1位。2位が「愛の嵐」で、3位がスコセッシの「アリスの恋」。少し前に「アリスの恋」について書いたときに、これ以降のスコセッシの活躍を考えると「アリスの恋」のほうが3位なのが不思議みたいなことを書いた気がします。「ハリーとトント」はポール・マザースキー監督で、このあとも「グリニッチビレッジの青春」とか「結婚しない女」とか話題作があったけど、その後はどうなんでしょうか。「ハリーとトント」は、たしか家で邪険にされている老人が犬を連れて家出する話だったと思うのですが、もしそうなら、日本人にもわかりやすいテーマだったのだと思う。アート・カーニーがアカデミー主演男優賞を獲得。

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2009年7月15日 (水)

1976年7月第2週に見た映画 (その1)

7月14日(水) シマロン・キッド (フジ) 3点

水曜日にフジテレビって、どの時間帯で放映したんでしょうね。オーディ・マーフィ主演の西部劇。IMDb で彼のフィルモグラフィーを調べたら、ありました。"The Cimarron Kid"。1952年の作品です。シマロン・キッドという実在した無法者がいたようです。監督はバッド・ベティカーだったのか。でも、バッド・ベティカーって監督、この頃は知らなかったはずです。ユニバーサル製作配給。アンソニー・マンの映画に「シマロン」っていうのがあるけど、シマロンって有名な地名なんだろうか。オクラホマ州にシマロン郡というのがあって、石油か何かでブームになった場所じゃないかと思うのですが。アンソニー・マンの1960年の「シマロン」は、1931年の「シマロン」の再映画化で、もともと原作が有名ならしいので、こういったことからシマロンはけっこう有名なのかもしれない。IMDb によれば、来年「シマロン」という映画が製作されるそうだけど、監督とか主演とかといったことは、まったく書かれていない。

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2009年7月12日 (日)

1976年7月第1週に見た映画 (その2)

7月11日(日) 宇宙水爆戦 (テレビ) 2点

日曜日の昼下がりにでも見たのでしょうか。ジェフ・モロー主演のアメリカ映画としか記録していません。もちろん、映画自体は何もおぼえていません。Google で検索してみると、まっさきにウィキペディアが出てきました。"This Island Earth" という原題の1955年のアメリカ映画で、監督はジョセフ・ニューマン。日本でも1955年に劇場公開されたようです。異様な昆虫人が出てくるらしいんだけど、全然思いだせない。IMDbによればユニバーサル製作配給。テクニカラーだけど、当時持っていたテレビは白黒。

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2009年7月10日 (金)

1976年7月第1週に見た映画 (その1)

7月09日(金) 昭和館地下
 新幹線大爆破 4点
 動脈列島 2点

やくざ映画三本立ての昭和館には、この2年後からよく通うようになったのですが、この頃は新宿の裏通りにあるこの映画館を探し出すのがやっとだったはずで、今から考えると、本当に昭和館地下だったのかなあ、と思います。というのも、たぶん昭和館地下はアダルト映画専門だったからです。だから、もしかしたら地下のほうじゃない昭和館で、記録ミスなのかもしれません。

「新幹線大爆破」は、佐藤純彌監督、高倉健主演の1975年の東映映画です。60年代に人気を誇った任侠映画が下火になり、菅原文太を中心とする実録路線になじめない健さんが新しい自分を模索し始めたころの作品です。なにしろ、この前には「ゴルゴ13」やハリウッド映画「ザ・ヤクザ」に出ているし、このあとは「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」「野性の証明」に出るのだから。でも、どれも話題作ばかりだから、やっぱり健さんはすごい。「新幹線大爆破」はキネマ旬報の批評家選出ベストテンでは7位、読者選出では1位でした。スピードが80キロ以下になったら爆発するように仕掛けた犯人側に健さん、山本圭ら、国鉄の運転指令長が宇津井健、運転士が千葉真一。

「動脈列島」は、増村保造監督、田宮二郎主演の1975年の東宝映画で、これも新幹線を題材にしています。田宮二郎も60年代に人気だったし、このコンビには「黒の試走車(テストカー)」という黒シリーズのきっかけとなった人気作があります。黒シリーズには宇津井健が主演したものもあるし、増村以外の監督によるものもあるけど、シリーズ最後の作品も増村監督、田宮主演の「黒の超特急」(1964)で、新幹線公団の汚職を追及する話でした。健さんは現在まで人気を持続させているけど、田宮は1978年暮れに散弾銃で自殺してしまいました。「白い巨塔」の再テレビドラマ化が人気だった数年前、田宮主演の1978年のテレビドラマ「白い巨塔」が再放送されていましたが、品の良い唐沢君と比べ物にならないぐらいギラギラ度がすごかった。でも、その上昇志向が実生活上でも仇になったわけだ。「動脈列島」では捜査側の主人公を演じており、新幹線公害を理由に運行を妨害しようとする医師の近藤正臣と対決するらしい。らしい、というのは、ほとんどおぼえていないからで、唯一トンネルの出口の映像が頭に残っているのだけど、gooであらすじを読むと、やっぱり終りのほうでトンネルが関係するらしい。清水一行原作。

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2009年7月 6日 (月)

1976年7月に見た映画(概観)

第4週がないのは、映画研究部の合宿に行ったり、田舎に帰ったりしていたから。

第1週

  • 7月09日(金) 新幹線大爆破 (昭和館地下) 4点
  • 7月09日(金) 動脈列島 (昭和館地下) 2点
  • 7月11日(日) 宇宙水爆戦 (テレビ) 2点

第2週

  • 7月14日(水) シマロンキッド (フジ) 3点
  • 7月15日(木) アマルコルド (テアトル新宿) 5点
  • 7月15日(木) ハリーとトント (テアトル新宿) 4点
  • 7月16日(金) 関東破門状 (東京12) 3点
  • 7月16日(金) 続猿の惑星 (フジ) 4点

第3週

  • 7月19日(月) 孤独な関係 (TVK) 3点
  • 7月21日(水) 赤い鳥逃げた (新宿座) 4点
  • 7月23日(金) わが緑の大地 (池袋文芸坐) 4点
  • 7月25日(日) バーバレラ (テレビ) 3点

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2009年7月 5日 (日)

1976年6月に見た映画 (その4)

7月?     おしゃれ泥棒 (大学の上映会) 4点
7月04日(日) 愛と死と (日曜洋画劇場) 4点

毎週映画を見ているときは、「月曜日が6月の終わりであれば、その週の途中で7月になったとしても、その週見た映画は6月に含める」というような原則を適用するのに違和感を覚えなかったけれど、この頃のように月に数本しか見なくて、月単位でまとめている場合、なんか変な感じ。しかし、この1、2年後には、毎週どんどん映画を見始めることになるので、この原則は守っていくことにします。

「おしゃれ泥棒」は、私が中学の頃リバイバル上映され、1971年の7月にディズニーのコメディ「ボートニック」との二本立てを見て、とても楽しい思い出になっています。少し前に「ボートニック」のDVDを買って見たら、作品自体も主演のステファニー・パワーズもこの程度のものだったのかとガッカリ。あの頃は映画に夢中になり始めた頃だから、何を見ても面白かったらしい。「おしゃれ泥棒」も、わりと最近テレビで見た記憶があるのだけど、もう終わってしまったNHK教育の日曜夜10時からの世界名作劇場とかというので見たんだったけかなあ。そのときも、さほど面白さを感じませんでした。60年代半ばのウィリアム・ワイラー監督、オードリー・ヘップバーン、ピーター・オトゥール主演の泥棒コメディなんだけど、当時小学生だった私は、両親に連れられて天満屋デパートに行ったとき、つばのない白い帽子をかぶったヘップバーンのポスターがいっぱい飾られていたのを記憶しています。たぶん、化粧品会社とタイアップしていて、1階の化粧品コーナーに飾られていたんじゃないかと推測します。

「愛と死と」はクロード・ルルーシュの1969年の作品。意外と点数が良いのは、この頃ルルーシュがわりと好きだったから。「男と女」「パリのめぐり逢い」「白い恋人たち」と、流行監督として調子よく活動していたわけですが、私はこれらよりも、70年代の「恋人たちのメロディー」、「冒険また冒険」、「男と女の詩」、「続・男と女」(ジュヌビエーブ・ビジョルドが出てた)が好きです。小品を才気煥発に軽々と作ってしまうのが良かったのですが、「マイラブ」とか「愛と哀しみのボレロ」で大作志向になってしまってから興味を無くしてしまいました。「愛と死と」はギロチン反対を訴えた映画だそうですが、キネ旬の世界の映画作家シリーズ11「トリュフォ/ルルーシュ」であらすじを読むと、主人公は売春婦を三人殺しているようで、これで反対を訴えられるのかと心配してしまう。ギロチンといえば、むしろドロンとギャバンの「暗黒街の二人」のほうが印象に残っています。で、フランスでギロチンがいつなくなったかと調べてみたら、1981年に死刑制度がなくなるとともにギロチンもなくなったそうです。でも、たぶん、「愛と死と」は、そんな社会的メッセージとは関係なく、面白く作られていたのだと思います。

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2009年6月27日 (土)

1976年6月に見た映画(その3)

6月26日(土) 池袋文芸坐
 大列車強盗 4点
 夕陽に立つ保安官 4点
 夕陽のギャングたち (寝た)
 続・夕陽のガンマン 4点

西部劇四本立てのオールナイト。バート・ケネディ作品が二本に、セルジオ・レオーネ作品が二本。「大列車強盗」(1973, The Train Robbers) は、ジョン・ウェイン主演で、アン・マーグレット、ロッド・テイラー、ベン・ジョンソン共演。「夕陽に立つ保安官」(1969, Support Your Local Sheriff!)は、ジェームズ・ガーナー主演で、決闘の途中でタンマをするようなズッコケ西部劇。ジャック・イーラムやブルース・ダーンが出てました。ブルース・ダーンってどうしているんだろうと調べたら、まだ70そこそこで、バリバリ活躍していじゃないですか。なんで私は彼に好感を持っているのかとフィルモグラフィーを調べてみたら、ヒッチコックの遺作「ファミリープロット」でバーバラ・ハリスとのコンビが面白かったんだな、きっと。ゆったりしたレオーネ作品を後半に見るのはきつかった。「夕陽のギャングたち」(1971)は、「ショボン、ショボン」と聞こえるモリコーネのテーマ曲と(「ショボン、ショボン」じゃなくて「ション、ション」で、ダイナマイトの導火線の燃える音を表現しているらしい)、ダイナマイトを持っているジェームズ・コバーンぐらいしか記憶にないので、あらためて見てみたい。ロッド・スタイガーとコバーンの主演。「続・夕陽のガンマン」は、すでに日曜洋画劇場で見たことがあります。これは、シネシャモで仮想上映しているので、暇があれば読んでください

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2009年6月23日 (火)

1976年6月に見た映画 (その2)

6月21日(月) テアトル新宿
 アメリカの夜 5点
 アリスの恋 4点

「アメリカの夜」は、映画の撮影現場を舞台に人生模様を描いた作品で、トリュフォー自身が監督役で出演したり、ジャン・ピエール・レオがアントワーヌ・ドワネルとさほど変わらない役柄で出演したりしています。1975年に東京に出てきて、これで見るのが4回目で、この頃は大好きな作品だったのですが、あまりに流暢過ぎて、今は、トリュフォー作品の中では、あまり私の興味をひかない作品になっています。数年前にオマケがいっぱい入った日本版DVDが出て、それをテレビで見ると、テレビの画面にマッチしすぎて、軽い作品に見えました(ピエール・ウィリアム・グレンの即興撮影のせいもあるけれど、各挿話が軽すぎるような。それが魅力かもしれませんが)。

「アリスの恋」は、マーティン・スコセッシ監督、エレン・バースティン主演。スコセッシとしては「タクシードライバー」の前の作品。1975年のキネ旬では、ポール・マザースキーの「ハリーとトント」が1位で、こっちが3位でしたが、その後の両監督の活躍の差から振り返ると、嘘みたい。翌年のキネ旬では、スコセッシの「タクシー・ドライバー」が1位になりました。日本公開されたのは、この1976年の9月で、私が名画座で見たのは1977年3月になってからでした。ただ、昔も今も、私はあまりスコセッシに興味がないのです。

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2009年6月13日 (土)

1976年6月に見た映画 (その1)

6月12日(土) 池袋文芸坐
 ルシアンの青春 4点
 ビバ!マリア 4点
 ミュリエル (半分寝た)
 薔薇のスタビスキー (半分寝た)

ルイ・マル2本とアラン・レネ2本のオールナイト。オールナイトって10時ごろから始まって、朝6時ごろに終わるんですよね。オールナイトって、出かけるときは挑戦前のワクワク感があって、帰るときは達成感と朝のすがすがしさがありました。今回の場合は、達成感といっても、レネの2本は半分寝てたんですけど。「ミュリエル」以外はすでに見たことがあります。「ミュリエル」はこの時の印象はないんだけど、80年代に入ってレンタルビデオを借りてみたら、ストーリーはさっぱりわからなかったけど、カラーとか構図とか、映像がすごく良くって、それだけで十分楽しめる作品でした。「二十四時間の情事」「去年マリエンバードで」の次に作られた1963年の三作目で、長篇としては初めてのカラー作品でした。撮影はサッシャ・ビエルニーという人で、前二作も彼が担当したらしい。日本では1970年代になってから劇場公開されました。

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2009年5月30日 (土)

1976年6月に見た映画(概観)

6月12日(土) 池袋文芸坐オールナイト

  • ルシアンの青春 4点
  • ビバ!マリア 4点
  • ミュリエル (半分寝た)
  • 薔薇のスタビスキー (半分寝た)

6月21日(月) テアトル新宿

  • アメリカの夜 5点
  • アリスの恋 4点

6月26日(土) 池袋文芸坐オールナイト 

  • 大列車強盗 4点
  • 夕陽に立つ保安官 4点
  • 夕陽のギャングたち (寝た)
  • 続・夕陽のガンマン 4点

7月?      おしゃれ泥棒 (学校の上映会) 4点
7月04日(日) 愛と死と (日曜洋画劇場) 4点

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2009年5月28日 (木)

1976年5月に見た映画 (その5)

一週間のご無沙汰です。仕事の忙しさの程度はさほどでもなかったのですが、最近疲れやすくて、仕事が終わると何もする気がしない。

5月?日(?) (新宿西口パレス)
チャップリンのサーカス 5点
ザッツ・エンターテインメント

いつ見たのか記録してません。「ザッツ・エンターテインメント」はMGMミュージカルの名場面集だから、あえて点数は付けなかったのだと思います。終始楽しいから5点あげてもよかったのだけど。80年代にレーザーディスクで「ざっツ・エンターテインメント」を購入して、よく見てました。エスター・ウィリアムズの華麗かつ悪趣味な水中ショーなんて、オリジナルよりも、こっちの名場面集の方が楽しめるんじゃないかと思うぐらい。オリジナルを見たことはないけど。

このときまでチャップリンが面白く感じたことがなくて、「サーカス」で初めて面白いと思いました。「ビバ!チャップリン」というリバイバルシリーズの第何弾か知らないけれど、この時までに見た「モダンタイムズ」「街の灯」「独裁者」などは、おセンチだったり、メッセージ性が強かったりで、キートンほど素直に楽しめませんでした。正直、「サーカス」ってどんな映画だったか記憶にないのですが、たぶん、よりドタバタ度が強かったか、恋愛の描き方がセンチじゃなくてシニックだったんじゃないかと思います。「サーカス」は1928年の作品で、次が1932年の「街の灯」。IMDb でフィルモグラフィーを調べたら、1920年代は、年一本ペースで長篇を作っていたキートンやロイドと違って、思ったほど作品を発表していないのですね。「サーカス」のほかには、「キッド」(1921)、「ゴルフ狂時代」(1921、30分ほど)、「給料日」(1922、短篇)、「偽牧師」(1923)、「黄金狂時代」(1925)と、監督のみの「巴里の女性」(1923)ぐらいかな。それまでに大金持ちになっていたのでしょう。

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2009年5月21日 (木)

1976年5月に見た映画 (その4)

5月?日(?) アデルの恋の物語 (ニュー東宝シネマ1) 4点

銀座の北の方に二つ並んだ映画館のうちの一つで、「シネマ1」と記録していたので、正式名称は「銀座シネマ1」だと思っていたのですが、どうも「ニュー東宝シネマ1」というのがちゃんとした名前のようです。だから、隣の映画館は「ニュー東宝シネマ2」。そっちの方には入った記憶がないのだけど、東宝映画の封切り館だったのかもしれません。で、この界隈は数寄屋橋と言うのですね。大学の映画研究部の映画鑑賞会として見に行ったもので、10名ほどが行ったのかなあ。当時風疹が流行っていて、映画を観終わったあと、先輩の女性が熱っぽくて、どうも風疹じゃないのかということで、先に帰ったのを憶えています。残りのメンバーは、卒業した先輩のお父さんが銀座でやっていた、カツオのたたきがうまい店に行きました。「アデルの恋の物語」(1975)は、「アメリカの夜」に次ぐトリュフォーの長編14作目。今は好きな映画なんですが、最初見た時はあまり面白くなかった。アデルがしつこすぎるし、相手の男性が、そんなにしつこく追い求める価値がある男かと思ってしまったので。イザベル・アジャーニも私の好みじゃなくて、「恋のエチュード」のミュリエルのほうがいいなあ。撮影はネストール・アルメンドロス、音楽は1940年に亡くなったモーリス・ジョベールが作曲したものを使用。

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2009年5月17日 (日)

1976年5月に見た映画 (その3)

5月17日(月) ボルサリーノ (池袋文芸坐)3点
5月17日(月) ラスクムーン 4点

ベルモンド主演の二本立て。どちらもすでに見たことのある映画。「ボルサリーノ」(1970)は、アラン・ドロンとの共演で、ドロンがプロデュースしているから、ベルモンドに花を持たせている感じ。クロード・ボーリンの音楽が有名で、テレビでもよく耳にします。1930年代のマルセイユでチンピラ二人が成り上がっていくお話。「ラスクムーン」(1972)は、同じベルモンド主演の「勝負(かた)をつけろ」(1961)の再映画化。前回の監督はジャック・べっけるの息子ジャン・ベッケルで、今回の監督は原作者でもあるジョゼ・ジョバンニ。これも男の友情が描かれており、相棒は、いかつい顔のミシェル・コンスタンタン。熟女クラウディア・カルディナーレが色を添えています。フランソワ・ド・ルーベの音楽が懐かしい感じで、とても良い。

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2009年5月 9日 (土)

1976年5月に見た映画 (その2)

5月8日(土) 池袋文芸坐オールナイト

セブンチャンス 4点 
海底王キートン 4点 
ローマで起こった奇妙な出来事 4点
ナック 4点
三銃士 3点

キートン作品2本とリチャード・レスター作品3本。オールナイトで5本見ることができるなんて、さすが19歳。とはいえ、「三銃士」ではウツラウツラしていたらしく、あまり記憶に残っていません。ビートルズの「ハードデイズナイト」と「ヘルプ」もそうだけど、レスター作品にはスラップスティック調なところがあるから、この5本立てが成り立っているのでしょう。しかも、「ローマで起こった奇妙な出来事」にはキートンがゲスト出演しているから、スムーズにレスター作品に移行する。と言いたいところですが、スタンリー・クレイマーの「おかしなおかしなおかしな世界」同様、キートンは少し出てくるだけ。これが遺作になりました。「ローマで起こった奇妙な出来事」の原題は "A Funny Thing Happened on the Way to the Forum" で、1966年の英米合作映画。古代ローマを舞台にした、けったいなミュージカルコメディ。ゼロ・モステル、フィル・シルバーズ、マイケル・クロフォード主演で、プロデューサーはメルビン・フランク、撮影はニコラス・ローグ。レスターとしては、「ハードデイズナイト」「ナック」「ヘルプ」の次の作品で、この作品のあとが「僕の戦争」と、けっこう60年代は好調。レスターはまだ生きているらしいけど、ポール・マッカートニーのコンサートのドキュメンタリー「ゲットバック」(1991)以来、監督してないんですね。80年代にスーパーマンの2と3を作っているから、お金をもうけて悠々自適な生活をしているのかね。

たぶんジョン・レノン出演で有名な「僕の戦争」(1967)もマイケル・クロフォード主演で、「ナック」(1965)でも主演。オリバー・リードと共演したマイケル・ウィナー監督の「ジョーカー野郎」(The Jokers, 1966)という面白い泥棒コメディにも主演していて、私にとっては60年代の顔なんですが、70年代に入って全然見かけなくなったのでどうしたんだろうと思っていたら、その後、舞台の「オペラ座の怪人」に主演して話題になりました。で、「ナック」にはリタ・トゥシンハムという、目が顔の中心に寄りすぎてさえいなければ、きっと可愛いに違いないという女優さんも出ていて、彼女も私にとっての60年代の顔。「蜜の味」や「ドルトル・ジバコ」にも出てました。もてない男クロフォードと変な女の子トゥシンハムが結ばれるまでを描いた変なコメディで、たぶんゴダールの影響で描き方がわりと自由だった思うのですが、カンヌ映画祭でグランプリを獲得するほどのものでしょうか。

キートン作品と「三銃士」は今回割愛。

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2009年5月 6日 (水)

1976年5月に見た映画 (その1)

5月3日(月) 底抜けニューヨークの休日 (東京12) 2点 
5月3日(月) イヴの総て (TVK) 4点

「底抜けニューヨークの休日」は、ジェリー・ルイスとディーン・マーティンのコンビによる1954年のコメディで、原題は "Live It UP"。パラマウント製作配給で、監督ノーマン・タウログ、共演ジャネット・リー。原作はベン・ヘクトの戯曲らしい。カラーだけど、当時持っていたのはポータブルの白黒テレビ。

「イヴの総て」(All About Eve, 1950)は、女優志願の従順そうなアン・バクスターが舞台女優ベティ・デイビスに取り入って、スターの座を奪ってしまうお話。アカデミー作品賞、助演男優賞(ジョージ・サンダーズ)、監督賞(ジョセフ・L・マンキーウィッツ)、脚色賞(マンキーウィッツ)、衣装デザイン賞(エディス・ヘッドら)を獲得。アン・バクスターとベティ・デイビスは主演女優賞にノミネートされたものの "Born Yesterday" のジュディ・ホリデイに奪われてしまいました。セレステ・ホルムとセルマ・リッターも好演しており、両者とも助演女優賞にノミネートされましたが、獲得したのは「ハーヴェイ」のジョセフィン・ハルでした。ニ十世紀フォックス製作配給。プロデューサーはダリル・ザナック、音楽アルフレッド・ニューマン、撮影ミルトン・クラスナー。白黒。IMDbのユーザー投票では、現在、三万人ほどが投票して、8.4点で、トップ250の74位。

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2009年5月 5日 (火)

1976年5月に見た映画 (概観)

5月03日(月) 底抜けニューヨークの休日 (東京12) 2点
5月03日(月) イブの総て (TVK) 4点
5月08日(土) セブンチャンス (池袋文芸坐) 4点
5月08日(土) 海底王キートン 4点
5月08日(土) ローマで起こった奇妙な出来事 4点
5月08日(土) ナック 4点
5月08日(土) 三銃士 3点
5月17日(月) ボルサリーノ (池袋文芸坐) 3点
5月17日(月) ラスクムーン 4点
5月?日(?) アデルの恋の物語 (銀座シネマ1) 4点
5月?日(?) チャプリンのサーカス (新宿西口パレス) 5点
5月?日(?) ザッツ・エンターテインメント ?

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2009年5月 4日 (月)

1976年4月に見た映画 (その4)

5月02日(日) 小さな恋のメロディ (日曜洋画劇場) 4点

"Melody" という原題の1971年のイギリス映画。日本でも同じ年に公開されて、大人気となりました。マーク・レスターとトレイシー・ハイドはもちろん、不良少年っぽいジャック・ワイルドも人気がありました。何年前だったか、「あの人は今」といった感じのテレビ番組に出てて、レスターは整骨医、ハイドはフランスの農場のきれいな奥さんになっていました。ジャック・ワイルドは2006年に51歳で亡くなりました。IMDbによれば、撮影時17歳だったのに、11歳の役を演じたとか。小柄だからですが、同じくIMDbによれば、1.73メートルということです。そんなに高くはないと思うのだけど。レスターとワイルドは、アカデミー作品賞を受賞した「オリバー!」(1968)で、すでに有名になっていました。ビージーズの曲がたくさん使われていて、特に「メロディ・フェア」が主題歌として有名ですが、もともとは1969年の「オデッサ」というアルバムに収められていた曲。CSNYの「ティーチ・ユア・チルドレン」も使われていました。アラン・パーカー脚本、ワリス・フセイン監督。金持ちの少年レスターと貧しい少女ハイドが結婚したいと言い出し、大人たちが猛反発するのですが、不良少年ワイルドの手助けもあって、二人が駆け落ちするといったような話だったと思います。

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2009年4月30日 (木)

1976年4月に見た映画 (その3)

4月30日(金) オリエント急行殺人事件 (新宿西口パレス) 3点

オールスターキャストの大作って苦手で、退屈せずに見ることはできるけど、特に好きになることもない。「オリエント急行殺人事件」(Murder on the Orient Express)は、1934年のアガサ・クリスティのミステリー小説を1974年に映画化したもの。60年代にマーガレット・ラザフォード主演で何本かミス・マープルものが映画化されたのだけど、クリスティは気に入らなかったので、その後、自作の映画化には難色を示していました。何とか説得して、「オリエント急行殺人事件」の映画化にこぎつけたわけですが、クリスティは今回の映画化は気に入ったようです。ポワロのひげ以外は。これが好評だったので、1978年には「ナイル殺人事件」が作られました。ポワロ役は、アルバート・フィニーからピーター・ユスティノフに代わりました。クリスティは1976年に亡くなったので、その後の柳の下のどじょうを狙った作品群については知らずに済みました。私の記憶では、アルバート・フィニーのポワロは作り物めいていて、あまり好きになれませんでした。アルバート・フィニーという人は演劇人だと思うんだけど、各作品において役を作りすぎるのか、なんか映画における彼は顔もキャラクターもなんかいまいち印象に残りません。どんな役をやっても、ドロンはドロンで、ベルモンドはベルモンドでといった、そんな人たちのほうが好きです。アルバート・フィニーはアカデミー主演男優賞にノミネートされましたが、賞は獲得できませんでした。ほかにノミネートされたのは、イングリッド・バーグマン(助演女優賞)、脚色賞、撮影賞(ジェフリー・アンスワース)、音楽賞、衣装デザインで、バーグマンが助演女優賞を獲得しました。監督はシドニー・ルメット、ほかの出演者はローレン・バコール、マーティン・バルサム、ジャクリーヌ・ビセット、ジャン・ピエール・カッセル、ショーン・コネリー、ジョン・ギルグッド、ウェンディ・ヒラー、アンソニー・パーキンズ、バネッサ・レッドグレーブ、レイチェル・ロバーツ、リチャード・ウィドマーク、マイケル・ヨーク、コリン・ブレークリー。家でのんびりDVDを見たら面白いかなとか、原作を読んでみたいなとか思いますが、それは余裕があったらの話です。

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2009年4月21日 (火)

1976年4月に見た映画 (その2)

4月?     雨月物語 (新宿座) 4点
4月?     山椒太夫 (新宿座) 4点

何日に見たのか記録していません。新宿座は、歌舞伎町の地球会館の地下にあり、当時は古い邦画を上映していましたが、80年代に入って、歌舞伎町松竹という松竹の封切館になり、現在は新宿ジョイシネマになっているらしい。この日は溝口健二の名作二本を見ていて、どちらも田中絹代が哀れです。今でこそ大好きな「山椒大夫」も「雨月物語」も、この頃は、よくできた映画だ、ぐらいにしか思っていなかったはず。母親やその他の家族への愛情なんて、けっ、ってぐらいにしか思っていなかった若者だったから。二作ともアメリカのクライテリオンからDVDが発売されていて、特に「雨月物語」の二枚組は素晴らしいです。

4月?     ヤング・フランケンシュタイン (テアトル新宿) 5点
4月?        フロント・ページ (テアトル新宿) 3点

これも何日に見たのか記録していません。アメリカのコメディ二本立て。「ヤング・フランケンシュタイン」は当時話題だったメル・ブルックス監督によるフランケンシュタインのパロディ。脚本はブルックスと主演のジーン・ワイルダー。白黒の撮影はジェラルド・ハーシュフェルド、音楽ジョン・モリス。出演は、ジーン・ワイルダーのほかに、ピーター・ボイル、マーティ・フェルドマン、クロリス・リーチマン、テリー・ガー、マデリーン・カーン、ジーン・ハックマン。なんか、マデリーン・カーンが怪演していたような気がします。

「フロント・ページ」は、ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーの戯曲が原作で、主演のジャック・レモンとウォルター・マッソーが少々老いた感じで元気が感じられないから、同じ原作の「犯罪都市」や「ヒズ・ガール・フライデー」と比べたら、ぐっと落ちる気がします。監督ビリー・ワイルダー。

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2009年4月 8日 (水)

1976年4月に見た映画 (その1)

4月7日(水) 人形の家 (新宿ロマン) 3点
4月7日(水) 愛の讃歌 (新宿ロマン) 4点

「人形の家」はイプセンの有名な戯曲をジョセフ・ロージーが映画化。主人公のノラをジェーン・フォンダが演じており、エドワード・フォックス、トレバー・ハワード、デビッド・ワーナー、デルフィーヌ・セイリグが共演。脚色デビッド・マーサー、音楽ミシェル・ルグラン、撮影ジェリー・フィッシャー。1973年のイギリス映画。

「愛の讃歌」はエディット・ピアフの半生を描いた1974年のフランス映画。監督はギイ・カザリルで、若き日のピアフを演じるのはブリジット・アリエル。最近でもピアフの映画があるようで、そっちは晩年まで描いているかどうか知りませんが、これは世に出るまでを描いていて、当時わりと評判が良かったように記憶しているし、採点からすると私も面白く見ることができたようです。

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2009年3月29日 (日)

1976年4月に見た映画 (概観)

4月は大学に入学し、映画研究部に入りました。映画作りが中心だったし、お酒を飲む機会が多かったので、1年の時はあまり映画を見ていません。

4月07日(水) 人形の家 (新宿ロマン) 3点
4月07日(水) 愛の賛歌 (新宿ロマン) 4点
4月?         雨月物語 (新宿座) 4点
4月?         山椒太夫 (新宿座) 4点
4月?         ヤングフランケンシュタイン (テアトル新宿) 5点
4月?            フロントページ (テアトル新宿) 3点
4月30日(金) オリエント急行殺人事件 (新宿西口パレス) 3点
5月02日(日) 小さな恋のメロディ (日曜洋画劇場) 4点

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2009年3月28日 (土)

1976年3月第4週に見た映画

3月27日(土) 恐竜100万年 (?) 3点

土曜日にテレビで見たのだろうけど、昼間見たのか、土曜映画劇場で見たのか。夜は弱いから、深夜ってことはないと思うけど。ドン・チャフィ監督、ラクウェル・ウェルチ主演って記録しています。もちろん、まったくおぼえていないのですが、意外や、双葉さんは白星3つ黒星2つと高得点。なかなか堂々たる仕上がりのようで、特撮もちゃんとしているし、原始人の会話も字幕なしでわかるらしい。"One Million Yers B.C." という原題の1966年のイギリス映画。

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2009年3月21日 (土)

1976年3月第3週に見た映画 (その2)

3月20日(土) 危険な曲り角 (?) 2点

土曜の昼下がりのテレビ番組か。無名時代のジャン・ポール・ベルモンドとアラン・ドロンが出ていた作品と記憶していたのですが、あれは「黙って抱いて」で、こっちは無名時代のベルモンドのみの出演作でした。1958年の作品だから、「二重の鍵」の前年で、「勝手にしやがれ」の前々年です。ベルモンドは「勝手にしやがれ」で鮮烈にデビューという印象があるのだけど、「二重の鍵」のほうが先なんですね。話がそれるけど、IMDb によれば、「勝手にしやがれ」のフランス公開が1960年3月16日で、日本公開が同じ年の3月26日になっていて、ビックリ。植草甚一さんの「映画だけしか頭になかった」に収められているエッセイ「ゴダールの即興演出-「勝手にしやがれ」」に書いてあったことを思い出したんだけど、まだ「勝手にしやがれ」がいろんな賞をとる前に秦早穂子さんがパリで買い付けたのでした。で、「危険な曲り角」(Les Tricheurs)は、マルセル・カルネ監督、ジャック・シェリエ、パスカル・プチ主演で、プロデューサーはロベール・ドルフマン、撮影クロード・ルノワール。サン・ジェルマン・デプレにたむろする若者の風俗を描いた作品らしい。

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2009年3月19日 (木)

1976年3月第3週に見た映画 (その1)

3月?     バニシングin 60" (新宿西口パレス) 3点
3月?        タワーリング・インフェルノ (新宿西口パレス) 5点

何日に見たのかわかりません。「バニシング in 60"」は前の週の土曜日にも見ていて、3点だから、特にこれを再見したかったわけでもなかったので、「タワーリング・インフェルノ」が見たかったのでしょう。この頃、ポール・ニューマンのファンだったから、彼を期待したけど、ビル設計者の彼よりも消防士のスティーブ・マックイーンのほうが活躍してました。もたもた人物模様を描かくことなく早めに火事になるのが良かったですが、正直、今は全然興味ないです。1974年の二十世紀フォックス映画。監督ジョン・ギラーミン、プロデューサーとアクションシーンの監督はアーウィン・アレン(「原子力潜水艦シービュー号」や「タイムトンネル」を作った人。「ポセイドン・アドベンチャー」も彼がプロデュース)、音楽ジョン・ウィリアムズ。有名な共演者多数。

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2009年3月14日 (土)

1976年3月第2週に見た映画 (その3)

3月13日(土) バニシング in 60" (渋谷全線座) 3点
3月13日(土) 明日に向かって撃て (渋谷全線座) 5点

「バニシング in 60"」(1974)は、自動車泥棒が警察に追われるカーチェイスもので、意外な拾い物と評判でした。原題は "Gone in 60 Seconds" ですが、邦題はなんと読むのでしょう。HBハリッキーという人が製作・脚本・監督・主演しているようです。2000年にニコラス・ケイジとアンジェリーナ・ジョリーで「60セカンズ」として再映画化されているようです。

「明日に向かって撃て」を見るのは四回目でした。最初見た時は、色がさえないなあとか、あまりハラハラドキドキしないなあと思っていたのですが、しゃれっ気のあるコメディとして見始めてから、面白く見ることができるようになりました。高校時代に尾道太陽館と福山グリーン劇場で見ているのですが、どちらとも「バニシング・ポイント」が併映で、カーチェイスものに縁があるらしい。そういえば、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドも泥棒だし、車じゃなくて馬で逃げる。

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2009年3月11日 (水)

1976年3月第2週に見た映画 (その2)

3月10日(水) 暗殺・サンディエゴの熱い日 (?) 4点
3月10日(水) サンダウナーズ (?) 4点

両方ともテレビで見たようです。前者はテレビムービーで、原題は "Pursuit" (1972)。allcinema によると、「毒ガスによる大統領暗殺を企む政治家と国務省捜査官の戦いを描いたポリティカル・フィクションの佳作」。マイケル・クライトン初監督。劇場用映画の初監督は「ウエストワールド」で、その次がジュヌビエーブ・ビジョルド主演の「コーマ」。クライトンは作家として有名だけど、原作は彼じゃなくてジョン・ラング。ところが、よく調べてみたら、ジョン・ラングとはクライトンの別名らしい。音楽ジェリー・ゴールドスミス。主演ベン・ギャザラ、E.G.マーシャル。

「サンダウナーズ」は、フレッド・ジンネマン監督、ロバート・ミッチャム、デボラ・カー主演の1960年のワーナー映画。"Sundowner" は「放浪者」という意味。ポーリン・ケイルは、 "5001 Nights at the Movies" で次のようなことを書いています。たぶんオーストラリアを舞台にした映画なんか誰も見に行かないだろうからという理由で、公開当時は評判にならなかったが、評価に値する。いくつかのの挿話から成る大作で、強く感情に訴える性質を持っている。オーストラリアのただっぴろい空間についての叙事詩で、ロバート・ミッチャムはひとところにいることができない男、デボラ・カーは息子を育てながら彼についていく妻。夢のような競争馬に関するシークエンスと、羊の毛を刈るコンテストのシークエンスが素晴らしい。話の展開はゆっくりだが、登場人物は、他のジンネマン作品よりも元気があり、常軌を逸している。デボラ・カーは、上品ぶっても気どってもいなくて、たぶん彼女としては最高の演技だろう。原作ジョン・クリアリー、脚色イソベル・レナート、撮影ジャック・ヒルドヤード(「旅情」「戦場にかける橋」)、音楽ディミトリ・ティオムキン。カラー。133ぷんだから、テレビだと30分ほどカットされていたはず。

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2009年3月 9日 (月)

1976年3月第2週に見た映画 (その1)

3月8日(月) リオの男 (?) 5点

1973年5月、1974年1月に続いて、3度目。記録していないけど、TBSの月曜ロードショーなのかな?前日のドロンに続いてベルモンドの作品をテレビで見ることのできる時代でした。今は、10年ほど前に米アマゾンで購入した米版VHSを持っています。秘宝の盗難騒ぎに巻き込まれたフランソワーズ・ドルレアックが誘拐され、恋人のベルモンドがパリからリオデジャネイロ、ブラジリア、ジャングルへと走って、走って、走って、追いかける。他愛ないお話だと思っていたら、ド・ブロカ、ジャン・ポール・ラプノー、ダニエル・ブーランジェらの脚本はアカデミー脚本賞にノミネートされていました。作品自体もニューヨーク映画批評家賞で外国映画賞を獲得。少しでも退屈させてはならじとするハリウッド製コメディと比べると、少々間の抜けたところがあるかもしれませんが、私はフランスコメディのノンビリした感じが好き。音楽ジョルジュ・ドルリュー(60年代のド・ブロカ作品をずっと担当していた)、撮影エドモンド・セシャン(「沈黙の世界」「赤い風船」「頭上の脅威」「ニューヨーク大混線」「ラ・ブーム」)。

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2009年3月 8日 (日)

1976年3月第1週に見た映画 (その2)

3月7日(日) 悪魔のようなあなた (?) 4点

1973年2月18日に日曜洋画劇場で見たときのことを、ここで2007年5月11日に書いているので、それを転載します。このときも日曜洋画劇場だったのだろうか?下に書いてないので付け加えれば、原作はルイ・C・トーマ。

goo であらすじを読んでみると、記憶喪失になったドロンが、妻らしき女性センタ・バーガーに連れられて邸宅に戻るのだけど、そこで殺人事件に巻き込まれるという話らしい。90年代に入ってテレビでもう一度見ていて、センタ・バーガーの召使の中年男性が彼女の下着を縫製しているという変な設定のみが印象に残っています。

1930年代に「地の果てを行く」、「我等の仲間」、「望郷」、「舞踏会の手帖」、「旅路の果て」など名作を連発したジュリアン・デュヴィヴィエの遺作。この頃と比べると印象が薄いかもしれませんが、戦後も、フェルナンデル演じるドン・カミロ神父のコメディ、「埋もれた青春」や「わが青春のマリアンヌ」などの青春もの、「殺意の瞬間」などのスリラーを手堅く作る職人肌の娯楽監督として活躍しました。トリュフォーは、ジャン・ギャバン主演の「殺意の瞬間」でジェラール・ブランを発見して、実質的なデビュー作「あこがれ」で起用したのでした。デュヴィヴィエもトリュフォーを気に入っていたらしく、トリュフォーの伝記を読むと、批評家時代のトリュフォーと共同で映画を作る話をしていたようだし、「大人は判ってくれない」の次にジャン=ピエール・レオが主演したデュヴィヴィエ監督の「並木道」は、双葉さんの「ぼくの採点表」によれば、レオが一人で屋根裏部屋に住みながらいろんな仕事をするという話で、トリュフォーのアントワーヌ・ドワネル・シリーズの一作目「大人は判ってくれない」と二作目「二十歳の恋」を橋渡しするような作品じゃないですか。

撮影はアンリ・ドカ、音楽はフランソワ・ド・ルーベで、これはドロンの前作「サムライ」と同じ。アンリ・ドカは、「太陽がいっぱい」以降、かなりドロン作品を撮っています。ド・ルーベは、「冒険者たち」、「サムライ」、「悪魔のようなあなた」、「さらば友よ」、「ジェフ」と、60年代後期に集中してドロン作品の音楽を書いています。ドロンは「冒険者たち」の主題曲「愛しのレティシア」を歌っているぐらいだから、この頃ド・ルーベを気に入っていたのでしょう(この頃のドロンがどれぐらいスタッフの起用に口出しできたか知りませんが)。

センタ・バーガーは色っぽいドイツの女優さんでした。60年代はグラマー女優として各国の映画に出演していて、それらは70年代前半にテレビでよく放映されていたので、なじみのある女優さんです。特にどの映画が印象的ということもないのですが、イタリアのズッコケコメディ「ナポリと女と泥棒たち」はもう一度見たい。

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2009年3月 4日 (水)

1976年3月第1週に見た映画 (その1)

3月04日(木) 刑事マディガン・マンハッタン事件 (?) 3点

昼の映画劇場にせよ、夜の映画劇場にせよ、東京12チャンネルで見たはず。ドン・シーゲルがリチャード・ウィドマーク主演で1968年に公開した「刑事マディガン」は、イーストウッド主演の「マンハッタン無宿」や「ダーティハリー」の先駆的作品でしたが、これは1972年から翌年にかけて放映されたテレビシリーズで、同じくウィドマーク主演。IMDb によれば、その6本の原題は "The Manhattan Beat" (1972年9月20日放映)、"The Midtown Beat"(1972年10月4日)、"The London Beat" (1972年11月8日)、"The Lisbon Beat" (1973年1月3日)、"The Naples Beat" (1973年1月31日)、"The Park Avenue Beat" (1973年2月28日)だから、この日見たのは最初のものでしょう。監督アレックス・マーチ、共演ロニー・コックス、マレー・ハミルトン、トニー・ロー・ビアンコ。

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2009年3月 1日 (日)

1976年3月に見た映画 (概観)

これまで現在と33年前は曜日が一致していたのに、1976年はうるう年だったので、3月から1日ずれてしまいます。残念。

第1週

  • 3月04日(木) 刑事マディガン・マンハッタン事件 (?) 3点
  • 3月07日(日) 悪魔のようなあなた (?) 4点

第2週

  • 3月08日(月) リオの男 (?) 5点
  • 3月10日(水) 暗殺・サンディエゴの熱い日 (?) 4点
  • 3月10日(水) サンダウナーズ (?) 4点
  • 3月13日(土) バニシングin 60' (渋谷全線座) 3点
  • 3月13日(土) 明日に向かって撃て (渋谷全線座) 5点

第3週

  • 3月?     バニシングin 60' (新宿西口パレス) 3点
  • 3月?        タワーリング・インフェルノ (新宿西口パレス) 5点
  • 3月20日(土) 危険な曲がり角 (?) 2点

第4週

  • 3月27日(土) 恐竜100万年 (?) 3点

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2009年2月28日 (土)

1976年2月第4週に見た映画 (その3)

2月28日(土) 恐怖に襲われた街 (池袋文芸坐) 4点
2月28日(土) フレンチコネクション (高田馬場パール座) 4点
2月28日(土) フレンチコネクション2 (高田馬場パール座) 5点

アンリ・ベルヌイユ監督、ジャン・ポール・ベルモンド主演のコンビによる1971年の「華麗なる大泥棒」が面白かったので、これも期待したのですが、期待していたほどは面白くなかった気がします。でも、4点だから、そこそこ面白かったのでしょう。「ダーティハリー」や「フレンチコネクション」のおかげで、ベルモンドもドロンも刑事をやるようになりましたが、私としては犯罪者役のほうが共感できるんですけど。ベルヌイユとベルモンドのコンビ作は何本あるかというと、Ginette Vincendeau の "Stars and Stardom in French Cinema" によると、「フランス女性と恋愛」(1960)、「冬の猿」(1962)、「太陽の下の10万ドル」(1964)、「ダンケルク」(1964)、「華麗なる大泥棒」(1971)、「恐怖に襲われた街」(1975)、「追悼のメロディー」(1976)、"Les Morfalous" (1984) と、8本ありました。それで気づいたのですが、もしかしたら期待はずれだったのは「追悼のメロディー」だったような気がしてきました。音楽エンニオ・モリコーネ、撮影ジャン・パンゼ(「火遊び」"Le Farceur" "L'amant de cinq jours" (私が見たくてしょうがないジャン・ピエール・カッセル主演のド・ブロカ監督初期作品3本)、「老人と子供」(クロード・ベリ)、「君に愛の月影を」(ド・ブロカ)、「刑事キャレラ 10+1の追撃」(フィリップ・ラブロ)、「相続人」(フィリップ・ラブロ)、「怪盗二十面相」(ド・ブロカ))。

「恐怖に襲われた街」の併映が何だった知りませんが、文芸坐では一本だけ見て、「フレンチコネクション」二本立てに駆けつけたようです。アカデミー作品賞、主演男優賞(ジーン・ハックマン)、監督賞(ウィリアム・フリードキン)の一作目は何度も見ているのでさておいて、この日の目玉はジョン・フランケンハイマー監督の二作目。原題も "French Connection II" (1975)。二作目というとガタ落ちする傾向がありますが、さすがフランケンハイマー、かなり面白くて、私は満点を付けています(一作目の点数が低いのは何度も見ているからでしょう)。一作目のシャープさはないですが、一作目よりも話がわかりやすくて、伝統的なアクション映画の面白さがあったような気がします(もっとも、ドイル刑事が悪者に捕らえられて、薬漬けにされる場面をぼんやり憶えている程度ですが)。音楽ドン・エリス、撮影クロード・ルノワール、共演フェルナンド・レイ、ベルナール・フレッソン、フィリップ・レオタール、エド・ローター(まだ活躍中で、うれしい)。

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2009年2月26日 (木)

1976年2月第4週に見た映画 (その2)

あややの「チョコレート魂」のDVDはガッカリでした。別バージョンは正式バージョンとあまり変わらないし、メイキングもなんか機嫌悪そうで、全体的におざなりな感じ。元気がないと、厚めの化粧と派手な衣装が安っぽく見えてしまう。もう、この手の曲は歌いたくないのか。ハロプロを卒業することだし、大人のポップス歌手として成長していってほしい。心配なのは、あまりに売れないと、今後、彼女の作品が出なくなるんじゃないかということ。アルバム「ダブルレインボウ」と「想いあふれて」は大好きなので、皆さんにお勧めしたいのはやまやまですが、3千円は高い。彼女のアルバムがそれだけの金額に見合わないという意味じゃなくて、日本のCD全体が3千円なのが気に食わない。アルバムは2千円、シングルは5百円が私には手頃な価格なんだけど。

2月26日(木) 砂のミラージュ (新宿ロマン) 3点
2月26日(木) ガルシアの首 (新宿ロマン) 4点

「砂のミラージュ」は、1972年のペルー映画で、アルマンド・ロブレス・ゴドイ監督。大阪万博で「みどりの壁」が注目を集めたそうです。この「みどりの壁」は山田宏一さんの1971年の1位で、「砂のミラージュ」も山田さんがほめていたから見たような気がします。が、私にはあまり面白くなかった。この年の4月に出た山田さんの「映画この心のときめき」(白川書院)によれば、彼の1975年の外国映画ベストテンは「処女の生血」「ロンゲスト・ヤード」「ザ・ファミリー」「ドラブル」「コンラック先生」「コンドル」「暗黒街の顔役」「ヤング・フランケンシュタイン」「マンディンゴ」「砂のミラージュ」でした。彼のベストテンから一般的なベストテンが想像できないので、これといった決定的な作品のない一年だったような気がします。実際、キネ旬の1975年のベストテンは、「ハリーとトント」「愛の嵐」「アリスの恋」「レニー・ブルース」「デルス・ウザーラ」「ザッツ・エンターテインメント」「ルシアンの青春」「ゴッドファーザーパート2」「フロント・ページ」「ジョーズ」でした。私の1975年は、東京に出てきてトリュフォー作品がいっぱい見れて、うれしい一年でしたが。

「ガルシアの首」(1974, Bring Me the Head of Alfredo Garcia)は、「ワイルドバンチ」、「ゲッタウェイ」、「わらの犬」などで派手な暴力描写の監督というイメージが定着したサム・ペキンパーとしては、渋い作品だった気がします。主演がウォーレン・オーツだったからか。白いスーツを着た彼が、疲れた様子で、メキシコの田舎の道端に座っているという映像のみが強く記憶に残っています。しかし、ウィキペディアによると、やはり暴力描写はふんだんにあるようです。

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2009年2月25日 (水)

1976年2月第4週に見た映画 (その1)

2月25日(水) あの手この手 (?) 3点

この頃よくダニー・ケイ主演のコメディをテレビで見たような気がします。子供好きで、ユニセフ大使で、親日家だったから、この頃人気があったのかもしれません。1913年生まれで、1987年に74歳で死去。1940年に結婚した奥さんとは死ぬまで連れ添っていたらしい。その奥さんはシルビア・ファインといって、ダニー・ケイ主演のミュージカルコメディで歌われる曲の作詞をずっと手がけていたらしい。「あの手この手」では作曲もしています。音楽監督はビクター・ヤングで、振付はマイケル・キッド。"Knock on Wood" という原題の1954年の作品で、ダニー・ケイがパラマウント移籍後初の主演作。それまではサミュエル・ゴールドウィンのもとで作品を作っており、「虹を摑む男」など彼の名作はゴールドウィン時代に作られたようです。「あの手この手」は、メルビン・フランクとノーマン・パナマのコンビが製作・監督・脚本を担当しています。共演はマイ・セッタリングで、芸人がスパイ騒動に巻き込まれるお話。テクニカラーで撮影はダニエル・ファップ(「ウエストサイド物語」「大脱走」「電撃フリント/GO!GO作戦」)。

ポーリン・ケイルは "5001 Nights at the Movies" で次のように書いています。「このダニー・ケイのコメディは、笑いを誘うものと一般に認められているが、相当数の人はうめき声をあげるだろう。ケイに才能があるのは明らかだが、彼の才能は「家族向け娯楽」という泥の中に埋もれてしまっている。彼は、自分の人形を制御できない腹話術師を演じており(マイケル・レッドグレイブが腹話術師を演じた "Dead of Night" にプロットが似ているのは、あながち偶然とも言い切れない)、マイ・セッタリングが精神分析医を演じている。いらいらさせる無邪気な若者は、ときおり突発的に猛烈な風刺に走るが、たいていは不細工なお決まりの演技を見せるだけである(もし彼がもう一度アイルランド人のものまねをすれば、幼児でさえ一服しに外へ出たくなるだろう)。」

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2009年2月19日 (木)

1976年2月第3週に見た映画 (その2)

2月19日(木) 激闘 (?) 3点

記録によると、ジョン・クロムウェル監督、タイロン・パワー、ロディ・マクドウォール、ジョージ・サンダーズ出演、撮影アーサー・ミラー、音楽アルフレッド・ニューマン。撮影と音楽もちゃんと記録していました。IMDb で調べると、原題は "Son of Fury: The Story of Benjamin Blake" で、1942年の20世紀フォックス製作配給作品。その他の出演者はジーン・ティアニー、フランシス・ファーマー、エルザ・ランチェスター、ジョン・キャラダインら。プロデューサーはダリル・ザナック。エジソン・マーシャルの原作をフィリップ・ダンが脚色。goo のあらすじによれば、冒険もので、1800年ごろのインド、イギリス、南海の島が舞台らしい。

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2009年2月18日 (水)

1976年2月第3週に見た映画 (その1)

2月18日(水) レモンのゆううつ (?) 3点

たぶん、東京12チャンネルの昼下がりの映画劇場で見たのでしょう。バート・バカラック夫人とディック・バン・ダイク主演と記録しているだけです。キネ旬の俳優事典でアンジー・ディッキンソンとバン・ダイクを調べても、こういう邦題の映画はないので、日本では劇場未公開でしょう。監督・脚本ガーソン・ケニン、音楽ジョニー・マンデル、撮影バーネット・ガフィらによるコメディ。原題は "Some Kind of a Nut"。IMDb では、47人が投票して4.4点だから、あまり面白くなさそう。

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2009年2月14日 (土)

1976年2月第2週に見た映画

2月14日(土) 嘆きのテレーズ (?) 4点

東京12チャンネルで夜10時か11時ごろから見たような気がします。エミール・ゾラの「テレーズ・ラカン」をマルセル・カルネとシャルル・スパークが脚色し、カルネが監督。主演はシモーヌ・シニョレとラフ・バローネ。マザコンの夫とその母親とともに息苦しい生活を送っていたテレーズはトラック運転手と不倫する。夫はトラック運転手に列車から突き落とされて死亡する。警察が事故死としたためにテレーズと不倫相手は幸せをつかめると思ったが...というようなお話。息子の死を聞いて半身不随になり口がきけなくなった母親がテレーズを凝視する顔が恐ろしかった。シルビーという女優さんが演じています。1954年のキネ旬外国語映画ベストテンでは、「恐怖の報酬」「波止場」「ローマの休日」などを抑えて第1位。プロデューサーは、「獣人」「肉体の冠」「二重の鍵」「太陽がいっぱい」「太陽はひとりぼっち」「昼顔」「裸足のイサドラ」などのアキム兄弟、音楽は「天井桟敷の人々」や「花咲ける騎士道」のモーリス・ティリエ、撮影は「ナポレオン」「悲恋」「天井桟敷の人々」などのロジェ・ユベール。白黒。

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2009年2月 8日 (日)

1976年2月第1週に見た映画 (その4)

2月8日(日) ポケット一杯の幸福 (?) 4点 

日曜だから、日曜洋画劇場で見たのか、NHKが昼間放映していたのか。アメリカで1961年クリスマス公開の心温まるコメディで、フランク・キャプラの最後の作品。といっても、彼が亡くなったから最後の作品になったわけではなく、引退したから最後の作品になったわけで、実際に亡くなるのは、この30年後で、94歳の長寿でした。ということは、引退したときは、まだ64歳だったわけだ。しかし、この頃の64歳は今の74歳ぐらいの感じなんだろうか。原題は "Pocketful of Miracles" で、キャプラは1933年にも同じ原作で "Lady for a Day" という映画を作っています。こちらの邦題は「一日だけの淑女」。そのときはデイモン・ラニアンの原作をキャプラ作品でおなじみのロバート・リスキンが脚色したのですが、今回さらに別の人が脚色しているようです。リンゴ売りのばあさんベティ・デイビスは娘をスペインの尼僧学校に預けているが、その娘が伯爵の息子と結婚することになり、伯爵たちと一緒にニューヨークにやってくる。ベティは、自分が貴婦人であると娘に偽っていたので、困ってしまう。その様子を見たヤクザの親分グレン・フォードは、自分がここまでのしあがってこれたのは彼女からリンゴを買っていたおかげだと思っていたので、彼女を貴婦人に仕立て、子分や踊子たちを紳士淑女に扮装させてパーティーを開く。ユナイテッドアーティスツ配給作品で、プロデューサーはキャプラやグレン・フォードら、音楽ウォルター・シャーフ、撮影ロバート・ブロナー。ほかの出演者は、ホープ・ラング、アーサー・オコネル、ピーター・フォーク、トーマス・ミッチェル、エドワード・エベレット・ホートン、アン・マーグレット、ジャック・イーラムら。白黒の記憶があるのだけど、私のテレビが白黒だったからで、本当はカラーらしい。しかもワイドスクリーンで136分あるから、DVDでちゃんと見てみたい。

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2009年2月 7日 (土)

1976年2月第1週に見た映画 (その3)

2月6日(金) 勇者のみ (?) 3点

金曜だからフジテレビのゴールデン洋画劇場だったか、それとも東京12チャンネルの昼間の映画劇場だったか。同じ邦題で、フランク・シナトラ監督主演の1965年の日米合作映画があるようです。原題は "None But the Brave"。第二次大戦中に無人島で米軍と日本軍がフットボールの試合をやるらしい。こっちのほうが面白そう。しかし、この日見たのは、ゴードン・ダグラス監督、グレゴリー・ペック主演の西部劇で、原題は "Only the Valiant"。どんな映画がさっぱり忘れているし、今も興味なし。どうもグレゴリー・ペックって好きになれない。

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2009年2月 5日 (木)

1976年2月第1週に見た映画 (その2)

2月5日(木) 二重スパイ国際謀略作戦 (?) 4点

放映されたのは、東京12チャンネルで昼2時から毎日放送されていた映画劇場か、同じチャンネルの木曜洋画劇場か。あまり有名な作品ではなさそうなので、昼下がりの映画劇場が似合いそう。デビッド・マッカラムとスーザン・ストラスバーグ主演と記録しています。イリヤ・クリヤキンと「ピクニック」の可愛い文学少女の共演です。といっても、1955年の「ピクニック」のときに17歳だったストラスバーグも、この1970年の作品では30代半ばになっていたはず。この映画の彼女がどんなだったか記憶がないし、そもそも映画の記憶がない。IMDb によれば、"Hauser's Memory" という原題で、もともとテレビ用の映画だけど、日本では劇場公開されたらしい。監督ボリス・セイガル。

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2009年2月 4日 (水)

1976年2月第1週に見た映画 (その1)

2月4日(水) 見知らぬ乗客 (?) 4点

すでに1972年のお盆の深夜に見たことのあるヒッチコックの "Strangers on a Train" (1951)。IMDbのユーザー投票トップ250で108位なのか。主人公のファーリー・グレンジャーが単なる二枚目にしか見えないので共感しにくいんだけど、その分、精神異常者のロバート・ウォーカーに興味が集中します。原作はパトリシア・ハイスミスで、脚本にレイモンド・チャンドラーが参加。撮影ロバート・バークス、音楽ディミトリ・ティオムキン。ワーナー製作配給。"Film Noir: An Encyclopedic Reference to the American Style" に解説が載っているので、近いうちに訳してみようと思います。ヒッチコックは語られすぎで食傷気味だったので、このところあまり見たいとは思わなかったのですが、あらためて見てみたい気がしないわけでもない。

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2009年1月29日 (木)

1976年2月に見た映画(概観)

(?)としてある映画は、テレビで見たものですが、どの局で見たか記録してないのです。2月の終わりごろには、もう大学入学が決まっていたのか、けっこう見始めていますね。

第1週

  • 2月04日(水) 見知らぬ乗客 (?) 4点
  • 2月05日(木) 二重スパイ国際謀略作戦 (?) 4点
  • 2月06日(金) 勇者のみ (?) 3点
  • 2月08日(日) ポケット一杯の幸福 (?) 4点

第2週

  • 2月14日(土) 嘆きのテレーズ (?) 4点

第3週

  • 2月18日(水) レモンのゆううつ (?) 3点
  • 2月19日(木) 激闘 (?) 3点

第4週

  • 2月25日(水) あの手この手 (?) 3点
  • 2月26日(木) 砂のミラージュ (新宿ロマン) 3点
  • 2月26日(木) ガルシアの首 (新宿ロマン) 4点
  • 2月28日(土) 恐怖に襲われた街 (池袋文芸坐) 4点
  • 2月28日(土) フレンチコネクション (高田馬場パール座) 4点
  • 2月28日(土) フレンチコネクション2 (高田馬場パール座) 5点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2009年1月28日 (水)

1975年1月に見た映画(その4)

1月28日(水) 暗闇でドッキリ (?) 4点

どこのテレビ局で放映されたのかは記録していません。中学3年だった1971年7月にも見ていて、その時はとても面白かったのだけど、今回もそんなに点は悪くない。ジェリー・ルイス、ルイ・ド・フュネスとともに、ピーター・セラーズも中学生の私には面白かったけど、この浪人時代もまだ面白がっていたようです。でも、この頃から「ピンクパンサー2」や「ピンクパンサー3」が公開されるのだけど、まったく興味がわきませんでした。1963年の最初の「ピンクパンサー」では、セラーズ演じるクルーゾー警部はオールスターキャストの一人だったのですが、たぶんこの映画での迷演が評判を呼んで、彼を主役にした「暗闇でドッキリ」(1964、A Shot in the Dark)が作られたのでしょう。ビートルズがアメリカで爆発したこの1964年には、同じ英国製のピーターズも他に「博士の異常な愛情」と「マリアンの友人」に出ていて、爆発しているようです。プロデュース、監督、脚本はブレーク・エドワーズ、音楽ヘンリー・マンシーニ、撮影クリストファー・チャリス、共演エルケ・ゾマー、ジョージ・サンダーズ、ハーバート・ロム(おなじみの上司)。

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2009年1月16日 (金)

1976年1月に見た映画(その3)

1月16日(金) ブルックリン横町 (東京12昼) 4点

エリア・カザンの長篇デビュー作(1945, "A Tree Grows in Brooklyn")。1900年ごろのブルックリンに住む貧しい一家の喜びや悲しみを描くドラマ。アル中の夫を演じたジェームズ・ダンがアカデミー助演男優賞を獲得。一家を支える母親はドロシー・マクガイア。ベギー・アン・ガーナーが子役特別賞を獲得。音楽アルフレッド・ニューマン、撮影レオン・シャムロイ。白黒。20世紀フォックス製作配給。

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2009年1月10日 (土)

1976年1月に見た映画(その2)

1月10日(土) コント55号・世紀の大弱点 (フジ) 2点

コント55号の映画って何本あるのだろう?

東宝

  • コント55号・世紀の大弱点
    1968、監督和田嘉訓、共演真理アンヌ、内田裕也、森光子
  • コント55号・人類の大弱点
    1969、福田純、岡田可愛、宮地晴子
  • コント55号・俺は忍者の孫の孫
    1969、福田純、柏木由紀子、高橋紀子、伴淳三郎、由利徹、柳家金語楼
  • コント55号・宇宙大冒険
    1969、福田純、高橋紀子、カルセール麻紀、杉本エマ、應蘭芳

松竹

  • コント55号と水前寺清子の神様の恋人
    1968、野村芳太郎、悠木千帆、藤岡弘、野末陳平、生田悦子、ナンセンストリオ
  • コント55号と水前寺清子のワン・ツー・パンチ 三百六十五歩のマーチ
    1969、野村芳太郎、西村晃、藤岡弘、谷幹一、宮地晴子、財津一郎
  • チンチン55号ぶっ飛ばせ!出発進行
    1969、野村芳太郎、今陽子、奈美悦子、尾崎奈々、小川ローザ、皆川おさむ
  • こちら55号応答せよ!危機百発
    1970、野村芳太郎、倍賞美津子、石立鉄男、皆川おさむ、ピーター、加藤剛
  • コント55号と水前寺清子の大勝負
    1970、野村芳太郎、長山藍子、有島一郎、ケーシー高峰、左卜全、アントニオ猪木
  • コント55号とミーコの絶体絶命
    1971、野村芳太郎、由美かおる、大地喜和子、小松政夫、なかにし礼、倍賞美津子、三原葉子、和田アキ子

チャップリンを尊敬する欽ちゃんは、中篇「手」(1969)と長篇「俺は眠たかった!!」(1970)を自作自演しています。

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2009年1月 5日 (月)

1976年1月に見た映画(その1)

1月5日(月) 冒険者たち (月曜ロードショー) 5点

私が映画に夢中になったのは中学2年の終わりごろ、1971年2月にドロン主演の「生きる歓び」を見てからで、それ以来ドロンの映画に夢中になったし、その頃ドロンが大人気だったから、1年間のうちに彼の旧作をテレビでほとんど見ることができました。その中でも、中学3年だった1971年10月にフジテレビ系のゴールデン洋画劇場で見た「冒険者たち」はピカイチでした。その後、高校2年だった1974年1月にもゴールデン洋画劇場で再放送され、そのときはオープンリールのテープに全部録音しました(家庭用ビデオなんて想像だにできなかった時代です)。フランソワ・ド・ルーベの音楽が本当に素晴らしかった。ドロンの声優は野沢那智でも堀勝之祐でもなく坂口芳貞でした。リノ・バンチュラは加藤武だったのか。ここのブログが詳しいです。このTBSで放映されたときは、小さいポータブルの白黒テレビで見たためか、あまり記憶にないです。そのブログによれば、声優が野沢那智(野沢直子の叔父さん)で、リノ・バンチュラは森山周一郎に変わったようです。私は、やっぱり、最初に見たときの声優の方がよく憶えている。この頃、「ぴあ」でリバイバル上映してほしい映画という年間投票があって、「冒険者たち」が1位でした。で、1977年にリバイバル上映され、映画館でも見ることができました。最初にテレビで見た時は、ラストが沈んだピアノの音楽だったのですが、リバイバル上映された版は最後がドロンの「愛しのレティシア」という歌でガッカリでした。その後、1990年代にNHK教育で放映されたのは沈んだピアノの音楽だったので、うれしかった。このときVHSに録画したのは、DVD-Rに焼いて、持っています。VHS、レーザーディスク、DVDとメディアが変わっても、常に発売され続けています。同じくフランソワ・ド・ルーベ音楽の「サムライ」と一緒に収録された仏盤サントラCDがあります。

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2009年1月 2日 (金)

1976年1月に見た映画(概観)

さすがに浪人生の私としては受験に精を出さなくてはならなかったらしく、ほとんど映画を見ていません。劇場に足を運んだのは元旦だけだったようです。

1月05日(月) 冒険者たち (月曜ロードショー) 5点
1月10日(土) コント55号・世紀の大弱点 (フジ) 2点
1月16日(金) ブルックリン横丁 (東京12昼) 4点
1月28日(水) 暗闇でドッキリ (?) 4点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

またまた、あややについて。私は2001年5月に出た2枚目「トロピカール恋してーる」をラジオで耳にして、「いいポップスナンバーなだあ」とか「歌がうまいなあ」とか思って誰が歌っているのか探していたのですが、1週間ぐらいして、めざましテレビで新曲をファンの前で披露するイベントが紹介されたり、ミュージックステーションに出演したりして、「へえー、こんなに若くて可愛い子が歌ってたのか」とビックリ。それ以降、三人祭り、「LOVE涙色」「桃色片想い」などで、あれよあれよという間にトップアイドルになってしまいました。その頃はあややのファンですと公言するのは恥ずかしかったし(そもそも公言する場がなかった)、バラカンさんの番組のハードリスナーだったしで(リチャード・トンプソンやサンディ・デニーの大ファンと認識されていた)、テレビで録画して楽しむだけの隠れファンでした。その後、人気が落ちるに比例して、さらに歌がうまくなり、切なさも増してきて、今なら堂々とあややファンですと言ってもいいんじゃないかと思うのです(実生活で宣言するのはやっぱり恥ずかしいし、そんなことを話せる人は誰もいない)。昨年の夏にファンイベントが行われて、ファン限定にDVDが配布されたらしく、その映像がYouTubeに流れています。お気に入りは、「ダブルレインボー」に収められていた、さわやかな「風に任せて」と、以前にも絶品の歌唱があった「ハピネス」。YouTubeから削除されないことを祈る。(しっとりと歌うあややだけじゃなくて、こういうあややがいるのもすごい。)

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2009年1月 1日 (木)

1975年1月第5週に見た映画(その2)

1月1日(木) 明日に向かって撃て (渋谷文化) 5点
1月1日(木) スティング 5点

1月?日(?) 脱走大作戦 (?) 4点

どれもすでに見た映画ばかりです。昨年亡くなったポール・ニューマンの作品が三本並びました。この頃はニューマンも50ぐらいで、ひえー、「スティング」は今の私よりも若かったんだ。もうすぐ私は52歳になるのだけど、トリュフォーはこんなに若くして亡くなったのか。渋谷文化は道玄坂にありました(今でもあるの?)。受験を控えた浪人生だったので、田舎に帰らずに東京にいて、元日ぐらいはと、必ず楽しめる映画を見に行ったのでした。両方ともすでに何度か見ているので、今回はパス。「脱走大作戦」はテレビで放映されたのを見たはずで(劇場で見たことがないから)、1973年7月にもTBSの月曜ロードショーで見ています。その時のことは次のように書いています。「この頃、ポール・ニューマンが好きだったので、わりと高得点あげてますが、コメディはあまり似合わないな。いや、「明日に向かって撃て」や「スティング」のおとぼけ演技は良かった。1968年の「脱走大作戦」の原題は "The Secret War of Harry Frigg" で、監督は「動く標的」のジャック・スマイト、脚本は「シャレード」のピーター・ストーン。」

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2008年12月30日 (火)

1975年12月第5週に見た映画(その1)

12月30日(火) コニャックの男 (自由が丘推理劇場) 4点

併映もあったのでしょうが、これ一本のためにわざわざ自由が丘まで行った珍しい上映作品。ベルモンド主演の痛快アクションコメディと言いたいとこだけど、そんなに痛快ではなかったような。「リオの男」のような現代劇ではなく、時代劇なのが私には苦手。フランス革命を舞台にしているようです。でも、点数は良い。goo によれば、1971年のフランス映画で、監督はジャン・ポール・ラプノー(1966年にカトリーヌ・ドヌーブが主演した「城の生活」というのが有名らしいが、たぶん見てないと思う)。IMDb によれば、共演マルレーヌ・ジョベール、ラウラ・アントネッリ、ミシェル・オークレール、シャルル・デネ、ポール・クローシェ、ピエール・ブラッスール、サミ・フレイ、脚本ラプノー、クロード・ソーテ、ダニエル・ブーランジェら、音楽ミシェル・ルグラン、撮影クロード・ルノワール。けっこう豪華な作品だったんだなあ、と今にして思う。プロデューサーは誰かというと、アラン・ポワレという人で、60年代にルイ・ド・フュネスの一連のコメディでガッポリもうけたようです。「大頭脳」「ラムの大通り」「狼どもの報酬」などもプロデューズしているし、後年には「ラ・ブーム」や「プロヴァンス物語」も作っています。

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2008年12月27日 (土)

1975年12月第4週に見た映画

12月27日(土) 虹を掴む男 (TBS) 4点

この頃、土曜日にTBSでよく映画を見ているのですが、この映画劇場が、昼間だったのか、深夜だったのか、記憶にない。でも、「虹を掴む男」は昼間見た気がする。ダニー・ケイって品行方正そうであまり好きになれないけど、4点つけているので、けっこう面白かったんでしょう。"The Secret Life of Walter Mitty" という1947年のコメディ。ジェームズ・サーバーの短篇小説が原作で、気の弱い男が白日夢の中でいろんなヒーローになるお話。バージニア・メイヨ、ボリス・カーロフ共演。プロデューサーはサミュエル・ゴールドウィンで、配給はRKO。音楽デビッド・ラスキン、撮影リー・ガームズ(テクニカラー)。監督のノーマン・Z・マクロードは、コメディ専門で、マルクス兄弟、WCフィールズ、ボブ・ホープの作品も手がける。キネ旬の監督事典には「1920年、マック・セネット、ハル・ローチにつぐ喜劇映画のプロデューサーとして名をはせていたアル・クリスティのクリスティ・フィルム・カンパニーに入り」って書いてあるのだけど、このアル・クリスティって初めて聞いた名前です。ノーマン・Z・マクロードともども調べてみる価値がありそう。

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2008年12月17日 (水)

1975年12月第3週に見た映画(その2)

12月17日(水) おかしなおかしな大追跡 (大塚名画座) 4点
12月17日(水) シネブラボー! 3点

ドタバタ喜劇二本立て。批評家出身のピーター・ボグダノビッチは、「ラストショー」(1971)や「ペーパームーン」(1973)で、飛ぶ鳥を落とす勢いの新進監督だったのですが、"At Long Last Love" (1975) あたりで失速したのか、その後あまりパッとしませんよね。「おかしなおかしな大追跡」は、"What's Up, Doc?" という原題の1972年の作品。たしか、ハワード・ホークスの「赤ちゃん教育」に基づいているはずです。バーブラ・ストライサンドとライアン・オニール主演、マデリーン・カーン共演。マデリーン・カーンは当時「ヤング・フランケンシュタイン」などのメル・ブルックス作品で目立っていたコメディ女優さんでした。1999年に亡くなっているのですね。ご冥福をお祈りいたします。脚本は、バック・ヘンリー(「卒業」「それいけスマート」「キャッチ22」)とデビッド・ニューマン&ロバート・ベントン(「俺たちに明日はない」)のコンビ。撮影はラズロ・コバックス(「イージーライダー」)。

「シネブラボー!」は二部に分かれていて、第一部は映画初期の映像を編集したもの、第二部はドタバタ喜劇や連続活劇を編集したもの。goo によれば、ナレーターは小沢昭一、構成は山田宏一、デザインは和田誠。今は、初期の映像やドタバタ喜劇が "The Movies Begin" や "Slapstick Encyclopedia" といったDVDボックスセットでたっぷり楽しめるので、この映画の印象が薄くなっています。

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2008年12月15日 (月)

1975年12月第3週に見た映画(その1)

12月15日(月) ラムの大通り (早稲田松竹) 5点

この前の週の水曜日に見て、感動したので、また見に行きました。見に行こうかどうしようか迷ったのですが、結局、上映最終日に見に行った記憶があります(上映プログラムが毎週火曜日に替わる名画座が多かった気がします)。早稲田松竹は二本立てのはずなのに、この日も水曜も「ラムの大通り」しか見てないってことは、よほどもう一本がつまらなさそうだったのでしょうね。

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2008年12月10日 (水)

1975年12月第2週に見た映画

12月10日(水) ラムの大通り (早稲田松竹) 5点

この年の私の年間トップテンの3位。大好きになったので、翌週の月曜日にも見に行っています。ロベール・アンリコ監督の1971年のフランス映画。アンリコといえば、もちろんドロン、バンチュラ、シムカスの「冒険者たち」が有名で、この頃までに見た映画の中で一番好きな作品だったのですが、この「ラムの大通り」も同じぐらい好きになりました。「冒険者たち」が多くの人たちに愛されていることからすると、むしろ「ラムの大通り」のほうを愛したくなる。

ブリジット・バルドー演じるサイレント映画のスターを、ふと立ち寄った映画館で見た荒くれ船長リノ・バンチュラが恋しちゃって、彼女と結婚するまでに至るが、最後にバルドーは映画界に連れ戻されるというコメディ・アドベンチャー。トリュフォーの「私のように美しい娘」にも出いていたギイ・マルシャンのキザぶりがここでも楽しいし、「ヘルハウス」のクライブ・レベルが海賊の大将を怪演。フランソワ・ド・ルーベの音楽が相変わらず良い。撮影はアンリコ作品でおなじみのジャン・ボフティ。数年前に日本盤DVDが出たし、サントラCDもフランスから出ています。

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2008年12月 6日 (土)

1975年12月第1週に見た映画

12月1日(月) アートビレッジ
 コニーアイランド 3点
 即席百人芸 4点
 化物屋敷 4点
 漂流 4点
 キートンの大学生 4点

キートンの短篇4本と長篇1本。「コニーアイランド」(1917)は、伊集院光のようなロスコー・アーバックル主演の短篇。コニーアイランドの遊園地を舞台に、アーバックルがキートンとアル・セント・ジョンと三人でドタバタを繰り広げます。笑うキートンを見ることができます。キネ旬の世界の映画作家26「バスター・キートンと喜劇の黄金時代」によれば、このトリオの短篇は、1917年に7本、1918年に5本、1919年に4本。Kino から "Arbuckle & Keaton" という短篇集DVDが二本出ています。

「即席百人芸」は「キートンの一人百役」という邦題もある1921年の短篇で、原題は "The Play House"。多重撮影を利用して、黒人楽団のメンバーも観客もみんなキートンが演じています。ただ、その分、ダイナミックな動きがなくなって、期待していたほど面白くなかった記憶があります。

「化物屋敷」は1921年の短篇で、幽霊が出る屋敷でドタバタを繰り広げるという、よくあるパターン。「探偵学入門」との併映ですでに見ていますし、1979年に「荒武者キートン」がリバイバル上映されたときも併映されていました。

「漂流」は「キートンの船出」のことらしい。これも「探偵学入門」との併映で見ています。「探偵学入門」は40数分しかないから、短篇が二本付いていたのです。奥さんと坊やとボート遊びに出かけて散々な目にあう「船出」は傑作です。

長篇「キートンの大学生」は、この年の5月と7月にもアートビレッジで見ています。5月に見たときのことを振り返ってシネシャモ日記に書いたことを転記します。

アートビレッジは新宿歌舞伎町界隈のビルの中にありました。5つぐらいの椅子が5列ぐらい並んだ小さな劇場で、アングラ演劇が主だったのかもしれません。下の階でジャズバンドが生演奏をしていて、サイレント映画だと、ドラムの音がよく聞こえました。おかげで、サイレント映画の沈黙の苦痛を感じずに済みました。キートンは、「ハロー!キートン」というリバイバルシリーズが一般公開されていて、それにはクロード・ボランなどの音楽が付いていましたが、ここで上映されていたのは古い16ミリフィルムで、たぶん音楽が付いていなかったような気がします。長篇「キートンの大学生」(1927, College)は、途中で打ち切られた「ハロー!キートン」シリーズでは結局上映されたなった作品です。あこがれの大学に入学した田舎者キートンがいろんなスポーツクラブに入部するごとにドジなことをしますが、最後はボートレースで大奮闘。キートンが力をこめてヤリを投げると、ヤリが目の前にストンと刺さるギャグが視覚的に面白かったです。

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2008年11月30日 (日)

1975年12月に見た映画(概観)

第1週

  • 12月01日(月) コニーアイランド (アートビレッジ) 3点
  • 12月01日(月) 即席百人芸 4点
  • 12月01日(月) 化け物屋敷 4点
  • 12月01日(月) 漂流 4点
  • 12月01日(月) キートンの大学生 4点

第2週

  • 12月10日(水) ラムの大通り (早稲田松竹) 5点

第3週

  • 12月15日(月) ラムの大通り (早稲田松竹) 5点
  • 12月17日(水) おかしなおかしな大追跡 (大塚名画座) 4点
  • 12月17日(水) シネブラボー 3点

第4週

  • 12月27日(土) 虹を掴む男 (TBS) 4点

第5週

  • 12月30日(火) コニャックの男 (自由が丘推理劇場) 4点
  • 01月01日(木) 明日に向かって撃て (渋谷文化) 5点
  • 01月01日(木) スティング 5点
  • 01月?日(?) 脱走大作戦 (?) 4点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2008年11月29日 (土)

1975年11月第4週に見た映画(その2)

11月29日(土) 皆殺しのバラード (TBS土) 3点

ジャン・ギャバンとジョージ・ラフトというフランスとアメリカを代表するギャングの親分が対決。ゲルト・フレーベ、ナージャ・テイラー、ミレーユ・ダルク、マルセル・ボズフィ(「Z」「フレンチコネクション」)、クロード・ブラッスール共演。アンドレ・ブルトン原作。ドニス・ド・ラ・パトリエール監督。原題は "Du rififi à Paname"。「男の争い」の現代にも含まれている 「リフィフィ rififi」 という言葉は「けんか」とか「大乱闘」という意味なんですね。

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2008年11月26日 (水)

1975年11月第4週に見た映画(その1)

11月25日(火) ロンゲストヤード (テアトル新宿) 4点
11月25日(火) スティング (テアトル新宿) 5点

過去に見たことのある作品で、体制側や大物をやっつける快感を味わうために再見したのでしょう。「スティング」は、最近亡くなったポール・ニューマンが印象的でしたが、レッドフォードよりはるかに出番が少なかったような気がします。「ロンゲストヤード」は、この一ヵ月前に見たばかりなので、1ヵ月前にここで書いたことを転記します。

ロバート・アルドリッチ監督の1974年の作品。一本立ての上映で、面白かったので、二回続けてみました。体制側をギャフンと言わせる痛快な映画でした。刑務所送りとなったアメリカンフットボールの元スター選手バート・レイノルズが囚人チームを率いて看守チームと戦うお話。エディ・アルバートの刑務所長よりも残忍な看守長エド・ローターが強く印象に残っています。脚本は、俳優キーナン・ウィンの息子、トレイシー・キーナン・ウィン。音楽フランク・デュボール、撮影ジョセフ・バイロック。アルドリッチのフィルモグラフィーを眺めると、1954年の「アパッチ」あたりから、遺作となった1981年の「カリフォルニア・ドールズ」まで、暴力的なアクション映画やグロテスクなドラマなど、安定した面白さの映画を作り続けたんだなあと思う。この前が、リー・マービンのホーボーとアーネスト・ボーグナインの貨物列車の車掌が戦う「北国の帝王」だったし、次の「ハッスル」は見たことないけど、「合衆国最後の日」もけっこう面白かった気がするし、とにかく「カリフォルニア・ドールズ」が抜群に面白かった。と思っていたら、IMDb のユーザー採点では現在5.9点。けっこう評価が低いのね。

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2008年11月22日 (土)

1975年11月第3週に見た映画

12月1日納期の忙しい仕事が入ったので、「「映画だけしか頭になかった」を楽しむ:「輪舞」「快楽」」の続きは遅れるかもしれません。本日は33年前の浪人時代にテレビで見た映画です。この頃、TBSの土曜によく見ているようだけど、昼間なのか深夜なのか記憶にないです。

11月22日(土) 大統領のガードマン (TBS土) 3点

ジェームズ・コバーン主演、ラロ・シフリン音楽とだけ記録しています。インターネットで調べたら、1967年の "The President's Analyst" という日本劇場未公開作品でした。監督・脚本はセオドア・J・フリッカーという人。さっぱり記憶にないのですが、コメディっぽいアクション映画らしい。

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2008年11月15日 (土)

1975年11月に見た映画(その3)

11月15日(土) 獣人 (TVK) 3点

TVKはテレビ神奈川というUHF局で、私がアパートを借りていた調布の仙川というところでは、画面が荒くなるものの、かろうじて鑑賞に堪えうるという映り具合でした。ヌーベルバーグを好きになると、ルノワールは神様みたいなものだから、もっと点数が良くてもいいんだけど、トリュフォーやゴダールを好きになっても、まだ彼らが影響を受けた監督にまで興味が広がっていなかった。この頃は「大いなる幻影」しか見ていなかったはずで、ルノワールを好きになるのは3年後に「ピクニック」を見てから。バザンがルノワールについて書いたものをトリュフォーが編集した「ジャン・ルノワール」がフィルムアート社から出ていたけど、残念ながら現在は絶版のようです。それによれば、「獣人」は1938年の作品で、製作ロベール・アキム、原作エミール・ゾラ、脚色ルノワール、撮影キュルト・トラン、音楽ジョゼフ・コスマ、出演ジャン・ギャバン、シモーヌ・シモン。

故ポーリン・ケイル女史は "5001 Nights at the Movies" で次のように書いています。「ゾラの小説を第二帝政時代(1852-1870)から1930年代に移し替えている。ジャン・ギャバンがルアーブルからパリまで急行列車を走らせる開巻が印象的。列車が出てくる場面は、リアリスティックだが詩的で、本当に素晴らしい。そうした場面は野外撮影され、1938年のパリのサン・ラザール駅の様子がわかる。映画の雰囲気は驚嘆すべきもので、俳優たちも良い(シモーヌ・シモン、カレット、フェルナン・ルドゥー、ブランシェット・ブリュノワ、ルノワール自身)。だが、社会的枠組内での野蛮で抑制できない情熱といった素材が重苦しいものとなっており、ときどきギャバンが間抜けに見える。(1954年にハリウッドで再映画化された。フリッツ・ラング監督、グレン・フォード、グロリア・グレアム主演の "Human Desire" (「仕組まれた罠」「人間の欲望」))

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2008年11月11日 (火)

1975年11月第2週に見た映画(その2)

最近、歯医者さんに通いだして、今日も行きます。歯医者さんには40年近く行ったことがなくて、その間虫歯があっても我慢していて、その跡が恥ずかしくて行きにくかったのですが、思い切って行ってみました。その結果、歯槽膿漏がかなり悪いことがわかりました。医者が治療するのかと思っていたら、ほとんど若い女性が治療してくれます。たぶん歯科衛生士という職種の人で、彼女がレントゲンを撮ったり、歯の磨き方を丁寧に説明してくれたり、歯槽膿漏のチェックをしたり、歯石を取ってくれたりします。歯槽膿漏のチェックは、針で歯茎を何十か所も刺して血の出具合を調べるというもので、この結果がかなり悪かったのです。歯石は機械で取るらしいのですが、目を閉じているので、どんなことをしているのかよくわかりません。口の中が血だらけになります。治療台が数台並んでいて、医者の先生はアチコチ回って、歯を削ったり抜いたりしているようです。発汗恐怖症というのに長年悩まされていて、汗が止まらなくなってパニックになるんじゃないかとおそれているのですが、インターネットで調べてみたら、不安や痛みで汗をかく人がけっこういるのがわかって少し安心したし、治療が始まればそちらに意識が集中するので、不安が吹っ飛んでしまいます。

11月11日(火) ローズマリーの赤ちゃん (大塚名画座) 4点
11月11日(火) エクソシスト (大塚名画座) 4点

「エクソシスト」は1年前の11月17日に尾道太陽館で見ています。そのときのことを今年3月14日にここに書いたのを転記します。

「エクソシスト」(1973)は、ウィリアム・フリードキンが「フレンチ・コネクション」の次に作った映画。ウィリアム・ピーター・ブラッティの原作を尾道の貸本屋で借りて読んだことを思い出しました。映画を見る前だったか後だったか忘れましたが。脚本もブラッティ。マイク・オールドフィールドのテーマ曲「チューブラー・べルズ」も話題になりました。悪魔に取りつかれた少女がリンダ・ブレア、その母親がエレン・バーンステイン、少女を救おうとする神父がジェイソン・ミラーとマックス・フォン・シドー。マックス・フォン・シドーが悪魔払いの専門家なんだけど、こういう専門家が途中から登場するという展開はワクワクします。「ドラキュラ」でピーター・カッシング演じるバン・ヘルシング教授が登場したり、「ポルターガイスト」で小柄な中年女性の超能力者が登場したりするのが。しかし、マックス・フォン・シドーは、ピーター・カッシングほどカッコ良く事件を解決してくれはしなかったような気がします。

ポランスキーの「ローズマリーの赤ちゃん」は、記録では、これ一度きりしか見ていません。意外。期待していたほど面白くなかったのは、先に大まかなストーリーを知っていたからかもしれません。怖さとかスリルとか、あまり感じなかったような気がします。でも、最近ポランスキーに対する興味が増したので、今見たら感心するかもしれません。1968年のアメリカ映画で、製作はウィリアム・キャッスル・プロ、配給はパラマウント。アイラ・レビン(「死の接吻」「ステップフォードの妻たち」「ブラジルから来た少年」)の原作をポランスキーが脚色。音楽はポランスキー作品でおなじみのクシシュトフ・コメダ。撮影はウィリアム・フレイカー(「ブリット」)。

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2008年11月10日 (月)

1975年11月第2週に見た映画(その1)

11月10日(月) 陽のあたる場所 (月曜ロードショー) 4点

植草甚一氏の「映画だけしか頭になかった」に「陽のあたる場所」のエッセイが収録されているので、それを読みます。初出は「映画の友」1952年10月号。

まず、ジョージ・スティーブンズの演出が「細部にわたって非常に凝ったもの」だとほめています。

「陽のあたる場所」は1951年9月初旬にアメリカで封切られて、そのときタイム誌がアカデミー作品賞に選ばれるだろうと書いていたのですが、結局、10月初旬に封切られた「巴里のアメリカ人」が作品賞を獲得します。9月下旬には「欲望という名の電車」、10月にはヒューストンの「勇者の赤いバッチ」とワイラーの「探偵物語」が封切られ、二か月の間に五本の一流作品が公開されたのでした。

JJ氏は、タイム誌の批評を紹介しながら、それに対する自らの意見を述べています。

「ジョージ・スティヴンスが製作、監督した故シオドア・ドライサー原作「アメリカの悲劇」の現代版は、第一に原作に忠実な映画化であり、第二に映画製作における芸術性を発揮した傑作であり、第三に大衆娯楽としても非常に見応えのある作品になっている」という部分に対して、JJ氏は、マイケル・ウィルソンとハリー・ブラウンの脚色が忠実かどうかは異論が出ているけれど、ジョージ・スティーブンズは細かい苦心によってドライサーの精神をよく出していると述べています。

モンゴメリー・クリフトは自然な演技で、エリザベス・テイラーは女らしさと気性の激しさを演じ、シェリー・ウィンターズは、おとなしいかと思うと短気を起こす今まで演じたことのない役柄をよく演じているとタイム誌が主演の三人をほめているのに対して、JJ氏は、具体的な例をあげています。

続いてタイム誌はスティーブンズの演出をほめます。これに対して、JJ氏は自分の印象に残ったシーンの演出を細かく説明しています。これを読むと、ボートのシーンをうっすら覚えているぐらいの私としては再見したくなってきます。500円のDVDが日本で発売されています。

タイム誌が音やカメラをほめているのに対して、JJ氏は音について少し説明したあと、フランツ・ワックスマンの音楽についての説明を加え、さらにオーバーラップの多用について解説します。「いままでオーヴァラップは場面と場面とのあいだに時間が経過したことを示す映画的処理として活用されてきましたが、ここではそれを超越して遥かに自由になり、作品のペースに関係あるところの技巧として使われていることに注意が向かいます。」

ここまでが映画の半分で、後半部分は、タイム誌を参考せずにJJ氏が解説しています。やっぱり映画を見ないと、JJ氏のこのエッセイは楽しめないな。近いうちに500円のDVDを買って、あらためて読んでみます。

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2008年11月 7日 (金)

1975年11月第1週に見た映画

11月07日(金) 美人泥棒 (東京12) 3点
11月07日(金) 危険がいっぱい (ゴールデン洋画劇場) 4点

「美人泥棒」は、アーサー・ヒラー監督、ナタリー・ウッド、ピーター・フォーク主演の泥棒コメディ。「刑事コロンボ」のピーター・フォークが好きだったので、期待していたのですが、さほど面白くなかった気がします。双葉さんは、白星3つ黒星3つで、かなりほめています。1966年のMGM映画で、原題は "Penelope"。音楽ジョン・ウィリアムズ、撮影ハリー・ストラドリング。ほかの出演者は、イアン・バネン、ディック・ショーン、ジョナサン・ウィンターズ、リラ・ケドロバ。

「危険がいっぱい」は、ルネ・クレマン監督、アラン・ドロン、ジェーン・フォンダ主演の犯罪ドラマ。1972年に福山グリーン劇場で一度見ているし、現在DVDを持っています。ブラックジョークみたいな話。親分の女と寝たためにギャングに追われているドロンが豪邸に逃げ込む。そこの女主人は、警察に追われている男を秘密の部屋で飼っている。最後、女主人とその男は死んで、女主人の姪のジェーン・フォンダがドロンを飼うことになる。ジェーン・フォンダが下着姿で悩殺しようとする場面があるのですが、どうも父親ヘンリー・フォンダの顔がちらついて、興奮しない。"Les Felins" という原題の1964年のフランス映画で、原作デイ・キーン、脚本パスカル・ジャルダン、チャールズ・ウィリアムズ、音楽ラロ・シフリン、撮影アンリ・ドカ。

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2008年10月30日 (木)

1975年11月に見た映画(概観)

第1週

  • 11月07日(金) 美人泥棒 (東京12) 3点
  • 11月07日(金) 危険がいっぱい (ゴールデン洋画劇場) 4点

第2週

  • 11月10日(月) 陽のあたる場所 (月曜ロードショー) 4点
  • 11月11日(火) ローズマリーの赤ちゃん (大塚名画座) 4点
  • 11月11日(火) エクソシスト (大塚名画座) 4点
  • 11月15日(土) 獣人 (TVK) 3点

第3週

  • 11月22日(土) 大統領のガードマン (TBS土) 3点

第4週

  • 11月25日(火) ロンゲストヤード (テアトル新宿) 4点
  • 11月25日(火) スティング (テアトル新宿) 5点
  • 11月29日(土) 皆殺しのバラード (TBS土) 3点

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2008年10月27日 (月)

1975年10月に見た映画(その5)

10月27日(月) ウィークエンド・ラブ (高田馬場パール座) 4点
10月27日(月) 日曜日は別れの時 (高田馬場パール座) 3点

グレンダ・ジャクソンの二本立て。

「ウィークエンド・ラブ」は、グレンダ・ジャクソンとジョージ・シーガル主演の大人の恋愛コメディ。当時、評判が高かったです。"A Touch of Class" という原題の1973年のイギリス映画。グレンダ・ジャクソンがアカデミー主演女優賞を獲得しました。監督メルビン・フランク。

「日曜日は別れの時」は、"Sunday Bloody Sunday" という原題の1971年のイギリス映画。グレンダ・ジャクソン、ピーター・フィンチ、マレー・ヘッド、ペギー・アシュクロフトなどが出演しています。監督ジョン・シュレシンジャー、脚本ペネロープ・ギリアット。ホモの中年医師と経営コンサルタントの中年女性が芸術家の若い青年を愛するという三角関係の話。話が渋すぎたのか、難解だったのか、暗いという印象以外、記憶にありません。

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2008年10月26日 (日)

1975年10月に見た映画(その4)

10月26日(日) 生きる歓び (TBS深夜) 4点

もしかしたら日曜の深夜ではなく、土曜の深夜に見て、日付が変わったので日曜と記録しているのかもしれません。1971年2月、中学2年の終わりごろ、NHKで見て完全にノックアウトされ、それ以来、映画に夢中になった作品です。私にとっては初恋のようなもので、相手が人間じゃなくて映画だったことが不幸の始まりなのか、それとも映画と出会ったことで今まで生きてこれたのか。このとき、4年半ぶりに初恋の相手と再会したわけですが、点数からすると、けっこう面白いコメディじゃないかと客観的に見たんじゃないかと思います。今でも1971年のことを思い出すと胸がキュンとなりますが、実際にDVDなどで再見すると客観的に見てしまいます。第35回シネシャモ上映作品

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2008年10月23日 (木)

1975年10月に見た映画(その3)

10月23日(木) 月の出の脱走 (NET朝) 3点

タイトルを見て、ジョン・フォードの作品だということはわかるけど、内容はさっぱり。原題は "The Rising of the Moon" で、アイルランドを舞台にした三話から成るオムニバス映画(1957)。タイロン・パワーが各々の話を解説するらしい。

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2008年10月21日 (火)

1975年10月に見た映画(その2)

10月21日(火) ロンゲスト・ヤード (池袋日勝地下) 4点

ロバート・アルドリッチ監督の1974年の作品。一本立ての上映で、面白かったので、二回続けてみました。体制側をギャフンと言わせる痛快な映画でした。刑務所送りとなったアメリカンフットボールの元スター選手バート・レイノルズが囚人チームを率いて看守チームと戦うお話。エディ・アルバートの刑務所長よりも残忍な看守長エド・ローターが強く印象に残っています。脚本は、俳優キーナン・ウィンの息子、トレイシー・キーナン・ウィン。音楽フランク・デュボール、撮影ジョセフ・バイロック。アルドリッチのフィルモグラフィーを眺めると、1954年の「アパッチ」あたりから、遺作となった1981年の「カリフォルニア・ドールズ」まで、暴力的なアクション映画やグロテスクなドラマなど、安定した面白さの映画を作り続けたんだなあと思う。この前が、リー・マービンのホーボーとアーネスト・ボーグナインの貨物列車の車掌が戦う「北国の帝王」だったし、次の「ハッスル」は見たことないけど、「合衆国最後の日」もけっこう面白かった気がするし、とにかく「カリフォルニア・ドールズ」が抜群に面白かった。と思っていたら、IMDb のユーザー採点では現在5.9点。けっこう評価が低いのね。

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2008年10月20日 (月)

1975年10月に見た映画(その1)

10月20日(月) ハーマンズ・ハーミッツのレッツ・ゴー (NET朝) 3点

NET(今のテレビ朝日)は、平日の毎朝10時半から12時まで映画を放映していたような気がします。のちに日本映画ばかりやっていたような気もするけど、もしかしたら邦画と洋画が混在していたのかな。

昔は人気が出れば主演映画をつくっていて、イギリスではクリフ・リチャード、ビートルズ、デイブ・クラーク・ファイブなどが主演しているし、日本でもタイガース、スパーダース、ジャガーズ、テンプターズなどの主演作があります。ハーマンズ・ハーミッツの人気リードボーカル、ピーター・ヌーンは、もともと子役をやっていたらしいので、彼らに主演作があるのは当然で、1966年の "Hold On!" に次ぐ2作目です(ゲスト出演みたいな形では、コニー・フランシス主演の「青空のデイト」(When the Boys Meets the Girls, 1965)などもあるようです)。正式な邦題は「レッツ・ゴー!ハーマンズ・ハーミッツ」で、私の記録間違いだと思います。原題は、彼らの1965年にイギリスでもアメリカでも大ヒットした「ミセス・ブラウンのお嬢さん」(Mrs. Brown You've Got a Lovely Daughter) と同じで、不思議なことにその3年後の映画化です。監督はソール・スウィマーという人。ハーマン君ことピーター・ヌーンとミセス・ブラウンのお嬢さんの他愛もない恋愛話だと思っていたら、goo のあらすじによれば、最終的にハーマン君が選ぶのは隣家のお転婆娘だそうで、実はそばに主人公を思う女性がいたという設定は好き。シェイラ・ホワイト演じるチューリップという女性が優しそうかどうかとか、好ましい顔をしているかどうかによりけりですが。

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2008年10月 8日 (水)

1975年10月に見た映画(概観)

私が映画を見始めて、こんなに映画を見ていない月があったのか。さすが浪人生、勉強しないとまずいと思ったらしい。ジェームズ・キャグニー主演作は、「J・キャグニー」としか記録していないので、結局どの映画かわからず。たぶんワーナーのギャング映画だと思うのだけど。

  • 10月20日(月) ハーマンズ・ハーミッツのレッツ・ゴー (NET朝) 3点
  • 10月21日(火) ロンゲスト・ヤード (日勝地下) 4点(2回見る)
  • 10月23日(木) 月の出の脱走 (NET朝) 3点
  • 10月26日(日) 生きる歓び (TBS深夜) 4点
  • 10月27日(月) ウィークエンドラブ (高田馬場パール座) 4点
  • 10月27日(月) 日曜は別れの時 (高田馬場パール座) 3点
  • 11月01日(土)(ジェームズ・キャグニー主演作) (TBS昼)

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2008年10月 6日 (月)

1975年9月第5週に見た映画(その2)

10月5日(日) 赤い砂漠 (TBS) 3点

昼下がりに放映したような気がするのですが、アントニオーニの作品を民放で日曜の昼下がりに放映するかな?夜中だったのかなあ。アントニオーニの初カラー作品で、1982年にフィルムセンターで見た時はカラーがとてもきれいだった印象があるのですが、このときは白黒のポータブルテレビで見たはずだから、さほど面白く感じなかったかもしれない。1964年のイタリア映画で、脚本はアントニオーニとトニーノ・グエッラ、音楽ジョバンニ・フスコ、撮影カルロ・ディ・パルマ。例によってモニカ・ビッティが虚しさを抱えた女性を演じています。共演リチャード・ハリス。日本盤DVDが今年2月に出たようです。こっちも話はよくわからないけど、見ているだけで心地よいアラン・レネの長篇初カラー作品「ミュリエル」も家で一人でじっくり見てみたい。米盤DVDが買いやすそう。

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2008年9月30日 (火)

1975年9月第5週に見た映画(その1)

9月30日(火) ダニエル (岩波ホール) 2点
9月30日(火) 冬の光 (岩波ホール) 4点

「魔術師」「夜の儀式」に次ぐ「シーズン・オブ・ベルイマン」シリーズ第三弾で、これが最後。1975年9月13日から10月9日まで岩波ホールで上映され、翌年4月10日から30日まで再上映されたようです。「冬の光」は、1978年12月に池袋文芸坐で、もう一度見ています。

「ダニエル」は短篇です。スウェーデンのオムニバス映画「刺激」(1967)の一部だそうで、たしかダニエルっていうのはベルイマンの息子だったと思います。調べたら、彼も監督をやっているようです。ホームムービーのような感じだったと思うのですが、まったく記憶にないので、どうだか。

「冬の光」は、今度の三本の中で一番好きだし、1960年代初めに作られた「鏡の中にある如く」と「沈黙」を含む「神の三部作」の中でも一番好きです。一番わかりやすいというか、一番絶望感のない作品だと思うのですが、なぜこれがずっと日本未公開だったのだろう。単に題名から受けた印象なのかもしれないけど、ひんやりとした透明感のある作品で、田舎の教会で、岡山の最上稲荷のゆずせんべいみたいな小さい丸い物を牧師が信者の口に入れる儀式だけがなぜか記憶に残っています。goo のあらすじによれば、牧師グンナール・ビョルンストランドと信者イングリッド・チューリンの愛人関係が中心にあって、中国が原子爆弾を持ったというニュースでうつ状態になった漁師マックス・フォン・シドーがからむようです。脚本ベルイマン、撮影スベン・ニクビスト、音楽バッハ。

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2008年9月27日 (土)

1975年第4週に見た映画(その2)

9月27日(土) 真昼の暴動 (土曜映画劇場) 3点

点数が低いのは重過ぎたからかな?暴力的で、ザラザラした画調のイメージがあるのだけど、それ以外は記憶にないので、フィルムノワールの本を頼りにしよう。解説はよくわからないところがあるので、読みにくいかもしれませんが、大体こんなことを言いたいのだろうと察しながら読んでください。

37. Brute Force (1947) 真昼の暴動

監督ジュールズ・ダッシン。出演バート・ランカスター、ヒューム・クローニン、チャールズ・ビックフォード、イボンヌ・デカーロ、アン・ブライス。マーク・へリンジャー・プロダクション製作、ユニバーサル・インターナショナル配給。95分。

脚本リチャード・ブルックス、撮影ウィリアム・ダニエルズ、音楽ミクロ・ローザ。

あらすじ

人里離れた刑務所の中で、サディスティックなマンジー看守長によって囚人たちは人間性を失っている。仲間が看守長に拷問され搾取されても、何もできずに傍観するしかないので、R17号室のジョー・コリンズ(バート・ランカスター)と仲間は脱獄を計画する。脱獄計画にはリーダー的存在ギャラガー(チャールズ・ビックフォード)の助けが必要だ。ギャラガーの囚人たちに対する影響力が計画の成功には不可欠だからだ。マンジーは、密告者が巨大なパンチプレスに突き落とされたあと、脱獄計画の情報を得るために残虐行為を繰り返すようになる。脱獄決行時、ギャラガーは、コリンズらの脱獄から注意をそらすために庭で抗議を行う。脱獄は、信じがたいほどの破壊的な暴力を引き起こし、脱獄囚とマンジーは死ぬ。

解説

ジュールズ・ダッシンの「真昼の暴動」の本質は暴力だ。実存主義的な世界の見方の露骨な寓話として機能している(サルトルの「出口なし」は「真昼の暴動」の演劇版と見ることができる)。刑務所は脱出不可能な生き地獄だ。全編を通しての暴力行為は、囚人たちにとっては解放的な力として働くが、サディスティックでナチのようなマンジーが採用した生き方をも示している。ダッシンが作り出したのは世界の縮図であり、そこでは、ひねくれた秩序感覚がマンジーと看守たちを取り巻いている。彼らの囚人の扱いは高潔とは言い難いし、マンジーの極悪ぶりはバカバカしさまで達している。しかし、触媒として働いているのはマンジーの凶暴な態度だ。マンジーの態度が、完全に消極的な囚人から激しやすい囚人までさまざまなR17号室の収容者を、地獄の悪夢から仲間たちを解放する者に変える。「十字砲火」「キー・ラーゴ」「暴力教室」などのリチャード・ブルックスが脚本を書いた「真昼の暴動」は、暴力行為によってのみ超越される無意味さに関する映画である。というのも、「外部の」生活は刑務所内では無価値になるからだ。ロマンチックすぎるフラッシュバックは、囚人たちが刑務所送りになったさまざまな理由を詳しく描いているが、彼らの以前の生活を魅力的にするために必要なバイタリティが欠けている。唯一の重要な目標は、マンジーの破滅である。この目標のみを心に抱く囚人たちは、奇妙な儀式化された存在を最後まで演じる。ダッシンの演出は、張りつめた切迫感で肉づけされており、マンジーが思いつく様式的な拷問を、失敗に終わる暴動の驚くべき獣性と見事に対比させている。「真昼の暴動」のあらゆる要素の中核には、絶望、不正、追放(displacement?)といった面がある。これらの面は、フィルムノワールの性格を持つ映画にとって欠くことのできないもので、「真昼の暴動」を、残酷で、鈍感で、偏狭な制御不能の世界を許す現代社会の告発に変えている。

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2008年9月23日 (火)

1975年第4週に見た映画(その1)

9月22日(月)  (池袋文芸坐)
 私のように美しい娘 4点
 暗くなるまでこの恋を 4点

本当は昨日書かなければならなかったのに、うっかりしていました。9月11日にも「野性の少年」と「二十歳の恋」を見ているので、どうも池袋文芸坐ではトリュフォー特集をやってたんじゃないかと思います。両作品ともすでに見たことがあって、「私のように美しい娘」は5月27日に文芸坐で、「暗くなるまでこの恋を」は5月6日に「自由が丘推理劇場」で見ています。

「暗くなるまでこの恋を」(1969) は、ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)の「暗闇へのワルツ」が原作。レ・ユニオン島でタバコ会社を経営するジャン・ポール・ベルモンドがカトリーヌ・ドヌーブによる結婚詐欺にあい、彼女をフランスまで追いかけるが、やっぱり彼女が好きなので、自分が雇った私立探偵を殺して、彼女と一緒に逃避行する。「私のように美しい娘」は第28回シネシャモ上映会をご覧あれ。

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2008年9月18日 (木)

1975年9月第3週に見た映画(その3)

9月18日(木)(新宿座)
 斬る  4点
 上意討ち 4点

岡本喜八監督の1968年の時代劇と1967年の小林正樹監督の時代劇。どちらも東宝映画。後者は1967年のキネ旬ベストワンで、こっち目当てに見に行ったはずだけど、前者も面白かった気がします。もしかしたら前者のほうが面白かったのかも。仲代達矢、高橋悦史、中村敦夫、岸田森と配役も面白そう。山本周五郎の「砦山の17日」が原作だそうです。撮影西垣六郎、音楽佐藤勝。

「上意討ち-拝領妻始末」は、三船プロと東宝の共同制作。原作滝口康彦、脚色橋本忍、撮影山田一夫、音楽武満徹。出演三船敏郎、仲代達矢、加藤剛、司葉子ら。松平藩に忠実に仕える藩士(三船敏郎)が、上からの命令によって息子(加藤剛)の嫁に主君の側室(司葉子)をもらう。なかなかできた嫁なので喜んでいると、正室の子供が死んで司の産んだ子が後継ぎになったので、司を返せと命じられる。という理不尽な話で、三船や加藤は藩に対し反旗をひるがえす。最後、三船が藩側の仲代と対決するらしい。

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2008年9月17日 (水)

1975年9月第3週に見た映画(その2)

9月17日(水) 渋谷全線座
 ジャガーノート 4点
 サブウェイパニック 5点

スリルたっぷりのアクション映画二本立て。素晴らしい。全線座は渋谷のにぎやかな界隈とは山手線を隔てた反対側にありました。いつ閉館したのでしょうか。

「ジャガーノート」は1974年のイギリス映画で、リチャード・レスター監督。豪華客船に爆弾が仕掛けられる話で、出演は、爆弾処理班のリチャード・ハリスとデビッド・ヘミングス、船長のオマー・シャリフのほかに、アンソニー・ホプキンス、シャーリー・ナイトら。オールスターキャストかと思ったら、けっこう渋い配役でした。音楽は「ヘルプ」のケン・ソーン、撮影はジョセフ・ロージーの「召使」「秘密の儀式」「恋」のジェリー・フィッシャー。赤い線か青い線のどちらかを切ることで時限爆弾が爆発するか停止するという最後の場面で、電話の向こうの犯人の言うことを信じるかどうかという趣向は、その後テレビドラマなどでよく真似されているようです。もしかしたら、「ジャガーノート」以前にも同じようなのがあったりして。

「サブウェイパニック」の原題は "The Taking of Pelham One Two Three" で、1974年のアメリカ映画。監督はジョセフ・サージェントで、60年代にラッシーやナポレオンソロといったテレビシリーズで演出していた人。ジョン・ゴディの原作を「シャレード」「スイート・チャリティ」などのピーター・ストーンが脚色。音楽デビッド・シャイア、撮影オーウェン・ロイズマン。地下鉄をハイジャックされる話で、ロバート・ショウやマーティン・バルサムらの犯人と地下鉄公安局警部補ウォルター・マッソーとの対決。ウォルター・マッソーがいい味を出していて、ラストのオチも良かった。意外な人物が活躍する話が好きで、この映画でも、ハイジャックされた電車に刑事がいて、いったい誰だ?というエピソードがあるのだけど、これはさほど発展しなくて少々ガッカリした記憶があります。

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2008年9月15日 (月)

1975年9月第3週に見た映画(その1)

9月15日(月) 仁義 (月曜ロードショー) 4点

ジャン・ピエール・メルビル監督、アラン・ドロン、ジャン・マリア・ボロンテ、イブ・モンタン、ブールビル、フランソワ・ペリエ主演、アンリ・ドカ撮影、エリック・ド・マルサン音楽。中学2年の終わり近い1971年2月に福山の大黒座で見ました。初めて映画館で見た大人の洋画でした。友人と二人で見に行ったのですが、帰る頃には真っ暗になっていて、そういうのも初めての体験でした。TBSの月曜ロードショーはメルビルが好きなようで、「仁義」は1973年7月に次いで二度目の放映だし、「サムライ」と「影の軍隊」を見たのも月曜ロードショーが最初でした。たぶん、この時はポータブルの白黒テレビで見たはずだし、時間も正味100分足らずでしょう。もともと日本公開されたのは120分ぐらいのはずですが、数年前に購入した日本盤DVDは140分です。警察に追われているジャン・マリア・ボロンテが白いブリーフ姿で小川を渡るシーンや、ブールビルが自宅で猫に餌をやるシーンなどは最初に日本公開されたものにはなかったような気がします。

マルセイユ近くの刑務所から仮出所したドロンが、連行中に逃走したボロンテと出会うまでがけっこう長い。1時間ぐらいある。その後、アル中だがライフルの名手モンタンが登場し、実際に宝石強盗が実行されるのは1時間半過ぎてから。みんな、黒いスーツをピシっときめて、トレンチコートを着て、帽子をかぶっている姿は、今見ると異様ですが、昔はそんなことはわからない。よく登場する高級クラブも変。そんなに大きくなさそうなのに、10数名のジャズバンドがいて、あれじゃ、うるさくてしょうがないだろうに。しかも、8名ほどのダンサーが真ん中の大きなステージでいつも踊っている。オルガン中心のジャズトリオがいる「サムライ」の高級クラブのほうがよっぽど居心地よさそう。それに、この男、男、男たちは、女っ気もなく、何が楽しみで強盗を働くのだろう。4点は、ポータブルの白黒テレビで見た正味100分足らずの版に対しての評価で、たとえ大人になって奇異に感じるにしても、私にとっては永遠の5点満点作品。

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2008年9月11日 (木)

1975年9月第2週に見た映画(その2)

9月11日(木) (池袋文芸坐) 
 野性の少年 4点
 二十歳の恋 3点

「野性の少年」は、この年の6月16日にアテネフランセで見ています。そのときを振り返って今年6月16日に書いたことを転記します。

「野性の少年」(1970)は「暗くなるまでこの恋を」と「家庭」の間に位置するトリュフォーの長篇9作目。イタール医師の報告書に基づく。1800年頃、森で育った少年が発見され、イタール医師が引きとり、言葉を教えようとする。ハリウッド風に感動的に描かれているわけでない。医師がわざと不当に少年に罰を与え、少年がどう反応するかを調べるあたり、複雑な気持ちになってしまう。なぜそんなことまで教えなきゃらないのかと考えてしまうし、あきらかに少年の能力がそこまで到達していないから無理な実験に見え、イタール医師=トリュフォーが独断的に思えてくるのが面白い。脚本はトリュフォーとジャン・グリュオー(「突然炎のごとく」「恋のエチュード」「アデルの恋の物語」「緑色の部屋」)。撮影のネストール・アルメンドロスは、これまでエリック・ロメール作品の撮影を担当していて、これが初めてのトリュフォー作品。白黒。ビバルティの音楽が使用されており、音楽アドバイザーは「夜霧の恋人たち」「暗くなるまでこの恋を」「家庭」のアントワーヌ・デュアメル。少年を演じるのはジャン・ピエール・カルゴル。1970年5月の月刊誌「スクリーン」によれば、大阪万博が開かれていた1970年4月1日から10日まで大阪フェスティバルホールで日本国際映画祭なるものが開催され、「Z]「サテリコン」「私は好奇心の強い女」などとともに上映されています。

「二十歳の恋」なんて、どこから引っ張り出してきたのでしょう。この頃だって、名画座で上映されるなんて、珍しいんじゃないでしょうか。パリ、ローマ、東京、ミュンヘン、ワルシャワを舞台にした五話からなるオムニバス。トリュフォーが監督したフランス篇は、後年、ビデオやDVDで見ることができました。休憩時間中に前のカップルが「「二十歳の恋」って面白いのかな」とかいう会話をしていると、一人で見に来ていた隣の女性が「トリュフォーのフランス編とワイダのポーランド編が面白いですよ」って、カップルに教えてあげていました。そりゃそうだろうけど、カップルがどう反応したかまではおぼえていません。

フランス編は、ジャン・ピエール・レオ演じる「大人は判ってくれない」のアントワーヌ・ドワネルが再び登場。マリー・フランス・ピジェに対する片思いを描きます。ドワネルは彼女の向かいのアパートに引っ越すが、彼女は別のボーイフレンドとデートに出かけ、彼女の両親と夕食を共にするという切ない片思いの物語。植草甚一さんは「大人は判ってくれない」の最後で、海岸でドワネルが観客のほうを向いたまま停止してしまうのを見て、「アントワーヌは自殺をしたんだろう」と書いているけど、こんなに軽々と再登場するなんてねえ。トリュフォーとしては、「大人は判ってくれない」が思っている以上に暗くなったんでバランスを取ろうとしたらしいんだけど。

最後のワルシャワ編は、アンジェイ・ワイダ監督で、「灰とダイヤモンド」のズビグニエフ・チブルスキーと「生きる歓び」のバルバラ・ラス主演。どんな内容だったか全然おぼえていません。イタリア編はロッセリーニの息子レンツォ・ロッセリーニ監督、日本編は石原慎太郎監督、ドイツ編はマックス・オフュルスの息子マルセル・オフュルス監督。日本編が暗かったということ以外、まったくおぼえていません。

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2008年9月 8日 (月)

1975年9月第2週に見た映画(その1)

9月8日(月) 家路 (NET朝) 4点

NETは今のテレビ朝日。1980年代の午前中に毎日60年代の邦画を放映していたような気がするんだけど、この頃は洋画を放映していたのかなあ。それとも特別番組だったのか。きれいなテクニカラーの映画のようですが、この頃はポータブルの白黒テレビしか持っていなかったから、白黒で見たはず。

MGMのファミリードラマ。監督フレッド・M・ウィルコックス、出演ロディ・マクドウォール、ドナルド・クリスプ、エリザベス・テイラー。ロディ・マクドウォールってけっこう好きです。もしかしたら「猿の惑星」のコーネリアスが一番有名かもしれません。1928年生まれで、まだ活躍しているのかと思いきや、1998年に70歳で亡くなっています。寂しい。IMDb のフィルモグラフィでは、10歳ごろから映画に出ていて、テレビ出演を含めて、251本出演しています。1941年の「わが谷は緑なりき」のときに13ぐらいで、1943年の「家路」のときは15ぐらい。エリザベス・テイラーは1932年生まれだから、10歳ぐらい。「家路」の前にチョイ役で一本出ていますが、これが本格的な出演作。

原題は "Lassie Come Home" で、今は「名犬ラッシー/家路」という邦題でDVDが発売されていますが、もともとは単に「家路」という邦題でした。というのも、名犬ラッシーが人気者になったのは1950年代に始まったテレビシリーズのおかげだからで、日本では1957年に始まって10年ほど放映されました。アメリカでは1954年から1974年まで20年間放映されたようです。

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2008年9月 5日 (金)

1975年9月第1週に見た映画(その2)

9月05日(金) 夜の儀式 (岩波ホール) 3点
9月05日(金) サイコ (ゴールデン洋画劇場) 4点

「夜の儀式」は、シーズン・オブ・ベルイマンというシリーズ名でベルイマンの日本未公開作品を3本連続上映したうちの第二弾。第一弾は「魔術師」、第三弾は「冬の光」で、三枚つづりの券を購入して全部見に行きました。「夜の儀式」は、テレビ向けに作られた1969年の作品。脚本もベルイマン、撮影スベン・ニクビスト、音楽レナルト・エングホルム。地味な作品で、18歳の私には少々つらかった記憶があります。goo のあらすじによれば、「儀式」という芝居をしている劇団がワイセツ罪に問われ、予審判事に尋問されるというもの。記憶では、セットがとても簡素で、舞台劇を見ているような感じだった気がします。

ヒッチコックの映画って、私が映画を見始めて以降に公開された「フレンジー」と「ファミリープロット」は好きなんだけど、それ以前の作品は、期待していたほどは面白いと感じたことはないです。「サイコ」も、思ったほどハラハラドキドキしなかったし、最後の説明が蛇足だったような気がします。映画を見る前から情報が入りすぎていたのかな。最近日本盤DVDを購入しました。David Bordwell の "Making Meaning" という本の中で、「サイコ」に関する10本のエッセイを比較している個所があるので、その10本のエッセイを全部集めて、それらエッセイ、映画、エッセイ比較をまとめて楽しもうという企画を立てています。実は、その10本のうち半分ぐらいは "A Hitchcock Reader" という本に収められていて、それが明日あたり届きそうで、それが来れば全部そろうので、詳しいことは近日中に書きます。

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2008年9月 2日 (火)

1975年9月第1週に見た映画(その1)

9月02日(火) 四谷公会堂
 十二人の怒れる男 4点
 市民ケーン 4点

四谷公会堂なら、例によってカトル・ド・シネマというシネクラブの上映会だったと思います。「十二人の怒れる男」は、1974年11月に日テレ系の水曜ロードショーで見ているので、今回は映画史上ナンバーワンの「市民ケーン」目当てだったと思います。名作と呼ばれるものは、チト苦手。

「十二人の怒れる男」は、リメイクなのか、ぜんぜん違う話なのかよくわかりませんが、ロシアで作られたのが最近日本で公開されたようですね。1957年のオリジナルのほうは、IMDb のユーザー投票で8.8点で、現在10位に入っています。1974年11月に見たときを振り返って、今年3月25日にこのブログに書いたことを転記しておきます。

「来年から裁判員制度というのが日本で始まるけど、その際には、アメリカの陪審員制度を描いた「十二人の怒れる男」(1957)を見ることが推奨されるにちがいない。父親殺しの容疑で逮捕された不良少年の事件で、陪審員の一人ヘンリー・フォンダが、被疑者を有罪とする証拠がないとして、他の頑固な陪審員たちを説得し、全員一致で無罪の評決を下すまでの話。監督シドニー・ルメット、原作脚本レジナルド・ローズ、音楽ケニョン・ホプキンズ(「ハスラー」)、撮影ボリス・カウフマン(「操行ゼロ」「アタラント号」「質屋」)。1959年度キネ旬1位。」

映画史上のナンバーワンを決める投票があったりすると、必ず1位になるのがオーソン・ウェルズの「市民ケーン」。IMDb のユーザー投票では8.6点で、28位(ちなみに、1位は「ショーシャンクの空に」)。サイト・アンド・サウンド誌が10年おきに世界の批評家の投票で決めているトップテンではずっと1位。2002年のトップテンは、1位「市民ケーン」、2位「めまい」、3位「ゲームの規則」、4位「ゴッドファーザー」と「ゴッドファーザーパート2」、5位「東京物語」、6位「2001年宇宙の旅」、7位「戦艦ポチョムキン」、同7位「サンライズ」、9位「8 1/2」、同9位「雨に唄えば」。この作品について語るのは気が重いので、またいつの日にか。

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2008年8月30日 (土)

1975年9月に見た映画(概観)

第1週

  • 9月02日(火) 12人の怒れる男 (四谷公会堂) 4点
  • 9月02日(火) 市民ケーン (四谷公会堂) 4点
  • 9月05日(金) 夜の儀式 (岩波ホール) 3点
  • 9月05日(金) サイコ (ゴールデン洋画劇場) 4点

第2週

  • 9月08日(月) 家路 (NET朝) 4点
  • 9月11日(木) 野性の少年 (池袋文芸坐) 4点
  • 9月11日(木) 二十歳の恋 (池袋文芸坐) 3点

第3週

  • 9月15日(月) 仁義 (月曜ロードショー) 4点
  • 9月17日(水) ジャガーノート (渋谷全線座) 4点
  • 9月17日(水) サブウェイパニック (渋谷全線座) 5点
  • 9月18日(木) 斬る (新宿座) 4点
  • 9月18日(木) 上意討ち (新宿座) 4点

第4週

  • 9月22日(月) 私のように美しい娘 (池袋文芸坐) 4点
  • 9月22日(月) 暗くなるまでこの恋を (池袋文芸坐) 4点
  • 9月27日(土) 真昼の暴動 (土曜映画劇場) 3点

第5週

  • 9月30日(火) ダニエル (岩波ホール) 2点
  • 9月30日(火) 冬の光 (岩波ホール) 4点
  • 10月5日(日) 赤い砂漠 (TBS) 3点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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1975年8月に見た映画(その6)

8月30日(土) 高田馬場パール座
・ ベニスに死す 4点

・ アメリカの夜 5点

高田馬場パール座に行ったのは、これが初めてのようです。こじんまりした感じのよい映画館でしたが、1989年に閉館したようです。トリュフォーの「アメリカの夜」は三度目なので、今回は割愛。

「ベニスに死す」は、ルキノ・ビスコンティの1971年のイタリア映画。原作トーマス・マンの短編小説、脚本ビスコンティとニコラ・バダルッコ、撮影パスカリーノ・デ・サンティス。原作の主人公は音楽家マーラーをモデルにした主人公ですが、ビスコンティは主人公を音楽家に変えて、マーラーの音楽を使用しています。主人公が愛する美少年を演じるビョルン・アンドレセンが話題になりました。

ビスコンティは、あまりよくわからなかった「熊座の淡き星影」「異邦人」「ルードウィヒ」「イノセント」を除いて、「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「揺れる大地」「ベリッシマ」「夏の嵐」「白夜」「若者のすべて」「山猫」「地獄に堕ちた勇者ども」「ベニスに死す」「家族の肖像」と、充実した有意義な時間を過ごさせてくれますが、貴族と庶民の違いなのか、特にこれといって好きな作品はありません。強いて挙げれば、「夏の嵐」や「白夜」あたりだろうと思います。「若者のすべて」のドロンは好青年すぎるし、「山猫」のドロンはバート・ランカスターを前にすると影が薄い。

ポーリン・ケイルは、"5001 Nights at the Movies" で、ダーク・ボガード扮する主人公がボートでベニスに向かう開巻を絶賛していますが、話が凝りすぎているのと、活気がなく女々しい主人公じゃなくて、もっと堅苦しくて働きすぎのドイツ人にしたほうが、顔を化粧して愚かな行動をとることの本当の怖さが伝わるんじゃないかと言っています。

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2008年8月24日 (日)

1975年8月に見た映画(その5)

8月24日(日) 悪い奴ほど手が白い (日曜洋画劇場) 4点

イタリアの社会派ミステリー。全然記憶にないんだけど、淀川さんの日曜洋画劇場で、こんなの放映してたんだって感じ。キネ旬のヨーロッパ映画作品全集によれば、1967年の作品で、監督エリオ・ペトリ、主演ジャン・マリア・ボロンテ、共演イレーネ・パパス、ガブリエレ・フェルゼッティ。不倫は死に値する罪悪だとされるシチリアが舞台で、不倫のために二人の男が射殺されるが、疑問を感じた教授が調査していくうちに、町の政治の腐敗があきらかになっていくという話らしい。

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2008年8月23日 (土)

1975年8月に見た映画(その4)

8月23日(土) オルフェ (RCC深夜) 4点

ジャン・コクトーの1950年のフランス映画。白黒。ギリシャ神話に基づいた現代劇。死の世界から奥さんを連れ戻したけど、奥さんの顔を見たら二度と会えなくなるという条件つきで、結局奥さんの顔を見てしまって別れ別れになります。そんな切ない映画だとずっと思ってました。ところが、何年か前に購入したまま眠っていたDVDを今回見てみると、なんと、もうひとひねりあるじゃありませんか。

今回見て一番印象的だったのは、死の王女を演じるマリア・カザレスで、黒い細身のドレスを着て、表情は冷たいけど内面は燃えているというような感じで、とてもかっこよい。彼女のお伴のフランソワ・ペリエも、死んでるくせに人間味があって、好感が持てます。この二人にエドワール・デルミットが加わった三人組のほうがジャン・マレーとマリー・デアの若夫婦よりも印象に残りました。ラストも彼らのほうに焦点が合っていて、マリア・カザレスが自分を犠牲にして愛を貫くのを見ていると、男主人公が自分を犠牲にして仁義を通す暗黒映画を連想したりして、泣かせます。

そんなことを連想したのは、ジャン・ピエール・メルビルがホテルのフロント係としてチョイ役で出ているからだし、撮影監督も「マンハッタンの二人の男」や「いぬ」のニコラ・エイエ(Nicolas Hayer)です。音楽はジョルジュ・オーリック。

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2008年8月20日 (水)

1975年8月に見た映画(その3)

8月20/27日(水) パリは燃えているか (水曜ロードショー) 4点

「パリは燃えているか」は、水野晴郎さんが解説をしていた日本テレビ系の水曜ロードショー(金曜ロードショーになったのは1985年)で20日と27日の二週にわたって放映されました。もともと3時間近い大作のようです。

監督はルネ・クレマン。オールスターキャストで、ABC順に、ベルモンド、シャルル・ボワイエ、レスリー・キャノン、ジャン・ピエール・カッセル、ジョージ・チャキリス、アラン・ドロン、カーク・ダグラス、グレン・フォード、ゲルト・フレーベ、ダニエル・ジェラン、イブ・モンタン、アンソニー・パーキンズ、ミシェル・ピコリ、クロード・リッシュ、シモーヌ・シニョレ、ロバート・スタック、ジャン・ルイ・トランティニアン、ピエール・バネック、オーソン・ウェルズなどが出ています。オールスターキャストって苦手で、誰を中心に見ていいかわからない。ドロンもベルモンドもちょこっちょこっと出てくるだけ。イリナ・デミックが自転車に乗っているのが印象的だったって書こうとしたら、あれは「パリは燃えているか」ではなく、同じオールスターキャストの「史上最大の作戦」でした。

ドイツ軍が1944年8月にパリを撤退するときに、ヒトラーの命令でパリを焼き払おうとするのだけど、それをレジスタンスたちが阻止するというお話。原作はラリー・コリンズとドミニク・ラピエール。脚本はゴア・ヴィダルとフランシス・フォード・コッポラ。フランス語追加台詞をマルセル・ムーシー(トリュフォーの「大人は判ってくれない」と「ピアニストを撃て」で脚本に協力した人)。

音楽モーリス・ジャール、撮影マルセル・グリニョン(「危険な関係」)。プロデューサーのポール・グレーツは「パリは燃えているか」の公開前に心臓発作で亡くなったそうです。ルネ・クレマンの「しのび逢い」、ニコラス・レイの「にがい勝利」、シドニー・ルメットの「橋からの眺め」などでプロデューサーを務めています。

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2008年8月 9日 (土)

1975年8月に見た映画(その2)

8月09日(土) タヒチの男 (RCC深夜) 4点

「タヒチの男」は4回目。71年2月、73年4月、75年5月にもテレビで見ています。その間、次第にベルモンドを好きになっていったので、見るごとに面白くなりました。のんびり楽しめる作品で、今見るとどうかわからないけど。今年5月24日のシネシャモ日記に書いたことを転記します。

ベルモンドが女から女へと渡り歩くテキトーな男を演じる1966年のコメディ。ジャック・ベッケルの息子、ジャン・ベッケルが監督で、「勝負(かた)をつけろ」「黄金の男」とべルモンドの映画ばかり作っていました。原案アルベール・シモナン、脚本ベッケルとシモナン、台詞ミシェル・オーディアール(「地下室のメロディ」「女王陛下のダイナマイト」)。IMDbによれば、ド・ブロカ作品でおなじみのダニエル・ブーランジェも脚本に参加しているらしい。音楽ミシェル・ルグラン、撮影エドモン・セシャン(「赤い風船」「リオの男」「黄金の男」)。女性陣は、ミレーヌ・ドモンジョ、ステファニア・サンドレッリ、ナジャ・テイラー、ジュヌビエーブ・パージュら。

1971年2月と1973年4月にも見ており、1975年8月にも見ることになります。1973年4月に見たときのことを振り返った2007年6月22日のシネシャモ日記には次のように書いています。「べルモンドが女から女に渡り歩き、その間世界の観光地もめぐるという、のんびりしたコメディ。監督は、ジャック・ベッケルの息子のジャン・ベッケルで、べルモンドとのコンビでは「勝負(かた)をつけろ」も「黄金の男」も良かった。ハリウッドのコメディと比べるとペースが遅いかもしれないけど、ハリウッド好きの双葉さんは白星3つ黒2つ(70点)で意外な高得点。ゴダールの「気狂いピエロ」のあとでこんなバカバカしいのに主演して楽しんでいるべルモンドっていいな。これと「黄金の男」は死ぬまでにもう一度見たいけど、DVDが出ないかな。」

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2008年8月 6日 (水)

1975年8月に見た映画(その1)

8月06日(水) アルゴ探検隊の大冒険 (水曜ロードショー) 3点

特撮ものってワクワクするんだけど、話が面白くなかったのか、驚嘆すべき特撮があまりなかったのか、点数はさほどでもないです。骸骨たちとチャンバラするのは憶えています。双葉さんの採点は白星3つに黒星1つで(65点相当)、まあまあ。チャールズ・H・スクニーアというプロデューサーが「シンバッド七回目の航海」に続いて作ったものだそうだけど、そっちはたぶん見ていないと思います。原題は "Jason and the Argonauts" で、ジェイソン(イアソン)がアルゴ船で金の羊毛皮をとりに出かける冒険談。1963年のイギリス映画で、監督ドン・チャフィー、出演は知らない人ばかり、音楽バーナード・ハーマン、撮影ウィルキー・クーパー。レイ・ハリーハウゼンが特撮担当。

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2008年8月 5日 (火)

1975年8月に見た映画(概観)

実に久しぶりの映画鑑賞記録です。この月は少ないので、週ごとに分けません。浪人中の夏休みって、やっぱり勉強してたのかなあ。ずっと帰省中だったのですが、8月の終わりに高田馬場で映画を見ているので、それまでには東京に行ってたのでしょう。

8月06日(水) アルゴ探検隊の大冒険 (水曜ロードショー) 3点
8月09日(土) タヒチの男 (RCC深夜) 4点
8月20/27日(水) パリは燃えているか (水曜ロードショー) 4点
8月23日(土) オルフェ (RCC深夜) 4点
8月24日(日) 悪い奴ほど手が白い (日曜洋画劇場) 4点
8月30日(土) ベニスに死す (高田馬場パール座) 4点
8月30日(土) アメリカの夜 (高田馬場パール座) 5点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2008年7月15日 (火)

1975年7月第2週に見た映画(その2)

7月15日(火) 傷だらけの栄光 (NET?) 4点

この年の3月にも見ており、その時のことを振り返って今年4月にシネシャモ日記に書いたことを転記します。「ロバート・ワイズ監督、ポール・ニューマン主演で、実在のボクサー、ロッキー・グラジアーノの半生を描いたもの。映画記録をつけ始めた1971年以前に一度見たことがあり、これで二度目ですが、二時間近い作品を1時間半枠で見るのだから、見たと言えるかどうか。でも、ポール・ニューマンはボクサー役がぴったりだし、奥さん役のピア・アンジェリもきれいだった(ジェームズ・ディーンの恋人と噂されたこともある女優さんでしたが、1971年に自殺)。アカデミー白黒美術賞と撮影賞(ジョセフ・ルッテンバーグ)を獲得。音楽はブロニスロー・ケイパー。グラジアーノの自伝に基づいて脚本を書いたのはアーネスト・リーマン(「北北西に進路を取れ」「ウエストサイド物語」「バージニア・ウルフなんかこわくない」「ファミリープロット」)。MGM映画。」

で、手堅い職人さんロバート・ワイズの映画を調べたくなったので、IMDb をもとにリストを作りました。点数と投票数は IMDb のユーザーによるもので、今日現在。

Robert Wise (1914-2005)
RKOで「ノートルダムの傴僂男」「市民ケーン」「悪魔の金」「偉大なるアンバーソン家の人々」などの編集を務めたのち、監督に昇格。

  1. Mademoiselle Fifi (1944) 6.3点(117票)
    「フィフィ嬢」(テレビ放映邦題。日本劇場未公開)。シモーヌ・シモン主演のドラマ。RKO。
  2. The Curse of the Cat People (1944) 6.9(1278票)
    「幽霊屋敷の呪い」(テレビ放映邦題。日本劇場未公開)。バル・リュートンのプロデュースによるホラー。RKO。
  3. The Body Snatcher (1945) 7.4点(1830票)
    「死体を売る男」(テレビ放映邦題。日本劇場未公開)。バル・リュートンのプロデュースによるホラー。RKO。
  4. A Game of Death (1945) 6.3点(29票)
    「恐怖の島」(テレビ放映邦題。日本劇場未公開)。冒険もの。RKO。
  5. Criminal Court (1946) 5.8点(70票)
    犯罪もの。RKO。
  6. Born to Kill (1947) 7.4点(802票)
    「執念の男」(テレビ放映邦題。日本劇場未公開)。クレア・トレバー主演の犯罪もの。RKO。
  7. Mystery in Mexico (1948) 6.0点(57票)
    犯罪もの。RKO。
  8. Blood on the Moon (1948) 6.7点(468票)
    「月下の銃声」。ロバート・ミッチャム、バーバラ・ベル・ゲデス主演の西部劇。RKO。
  9. The Set-Up (1949) 7.8点(2119票)
    「罠」。ロバート・ライアン主演のボクサーもの。RKO。
  10. Two Flags West (1950) 6.3点(59票)
    「西部の二国旗」。ジョセフ・コットン、リンダ・ダーネル、ジェフ・チャンドラー、コーネル・ワイルド出演の西部劇。20世紀フォックス。
  11. Three Secrets (1950) 7.4点(99票)
    「三人の秘密」(テレビ放映邦題。日本劇場未公開)。エレノア・パーカー、パトリシア・ニール、ルス・ローマン主演のドラマ。ワーナー。
  12. The House on Telegraph Hill (1951) 7.0点(350票)
    リチャード・ベイスハート、バレンチナ・コルテーゼ主演のミステリー。20世紀フォックス。
  13. The Day the Earth Stood Still (1951) 8.1点(21043票)
    「地球の静止する日」。マイケル・レニー、パトリシア・ニール主演のSF。20世紀フォックス。
  14. The Captive City (1952) 6.8点(72票)
    「捕われの町」(テレビ放映邦題。日本劇場未公開)。ジョン・フォーサイス主演の犯罪もの。ユナイテッドアーティスツ配給。
  15. Something for the Birds (1952) 6.0点(25票)
    ビクター・マチュア、パトリシア・ニール主演のコメディ。20世紀フォックス。
  16. The Desert Rats (1953) 6.7点(805票)
    「砂漠の鼠」。リチャード・バートン主演の戦争アクション。20世紀フォックス。
  17. Destination Gobi (1953) 6.2点(167票)
    リチャード・ウィドマーク主演の戦争もの。20世紀フォックス。
  18. So Big (1953) 7.3点(80票)
    ジェーン・ワイマン、スターリング・ヘイドン主演のロマンス。ワーナー。
  19. Executive Suite (1954) 7.4点(973票)
    「重役室」。ウィリアム・ホールデン、ジューン・アリソン、バーバラ・スタンウィック、フレデリック・マーチ、ウォルター・ピジョン、シェリー・ウィンターズ。MGM。
  20. Helen of Troy (1956) 6.1点(535票)
    「トロイのヘレン」。ロッサナ・ポデスタ主演の史劇。ワーナー。
  21. Tribute to a Bad Man (1956) 6.6点(350票)
    「悪人への貢物」。ジェームズ・キャグニー主演の西部劇。MGM。
  22. Somebody Up There Likes Me (1956) 7.4点(1609票)
    「傷だらけの栄光」。MGM。
  23. This Could Be the Night (1957) 6.6点(177票)
    ジーン・シモンズ、ポール・ダグラス、アンソニー・フランシオサ主演のコメディ。MGM。
  24. Until They Sail (1957) 6.3点(306票)
    ジーン・シモンズ、ジョーン・フォンテーン、ポール・ニューマン、パイパー・ローリー出演のドラマ。MGM。
  25. Run Silent Run Deep (1958) 7.3点(3071票)
    「深く静かに潜航せよ」。 クラーク・ゲイブル、バート・ランカスター主演の戦争アクション。ユナイテッドアーティスツ配給。
  26. I Want to Live! (1958) 7.5点(1533票)
    「私は死にたくない」。スーザン・ヘイワードが死刑囚を演じる実話ドラマ。ユナイテッドアーティスツ配給。
  27. Odds Against Tomorrow (1959) 7.4点(644票)
    「拳銃の報酬」。ハリー・ベラフォンテ、ロバート・ライアン、シェリー・ウィンター主演の犯罪もの。ユナイテッドアーティスツ配給。
  28. West Side Story (1961) 7.7点(22800票)
    「ウエストサイド物語」。ナタリー・ウッド、リチャード・ベイマー、リタ・モレノ、ジョージ・チャキリス。ユナイテッドアーティスツ配給。
  29. Two for the Seesaw (1962) 6.6点(331票)
    ロバート・ミッチャム、シャーリー・マクレーン主演のロマンス。ユナイテッドアーティスツ配給。
  30. The Haunting (1963) 7.8点(8518票)
    「たたり」。ジュリー・ハリス、クレア・ブルーム主演のホラー。MGM。
  31. The Sound of Music (1965) 7.8点(39483票)
    「サウンド・オブ・ミュージック」。ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル。20世紀フォックス。
  32. The Sand Pebbles (1966) 7.7点(3680票)
    「砲艦サンパブロ」。スティーブ・マックイーン主演。20世紀フォックス。
  33. Star! (1968) 6.5点(587票)
    「スター!」。ジュリー・アンドリュース主演の伝記ミュージカル。20世紀フォックス。
  34. The Andromeda Strain (1971) 7.3点(7611票)
    「アンドロメダ...」。アーサー・ヒル、ジェームズ・オルソン主演のSF。ユニバーサル。
  35. Two People (1973) 5.9点(50票)
    「ふたり」。ピーター・フォンダ、リンゼイ・ワグナー主演のロマンス。ユニバーサル。
  36. The Hindenburg (1975) 5.9点(1192票)
    「ヒンデンブルグ」。有名な飛行船の爆発事件を描く。ジョージ・C・スコット、アン・バンクロフト主演。ユニバーサル。
  37. Audrey Rose (1977) 5.7点(1492票)
    「オードリー・ローズ」。マーシャ・メイソン、アンソニー・ホプキンズ主演のホラー。ユナイテッドアーティスツ配給。
  38. Star Trek: The Motion Picture (1979) 6.1点(18385票)
    「スター・トレック」。ウィリアム・シャトナー、レナード・ニモイ主演のSFアドベンチャー。パラマウント。
  39. Rooftops (1989) 4.2点(156票)
    ドラマ
  40. A Storm in Summer (2000) 6.6点(205票)
    ピーター・フォーク、ナスターシャ・キンスキー出演のテレビドラマ。

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2008年7月14日 (月)

1975年7月第2週に見た映画(その1)

7月14日(月) オー! (月曜ロードショー) 4点

「オー!」(1968, Ho!)は1972年秋に同じTBSの月曜ロードショーで見て以来、二度目。たぶんこれ以降見ていないと思います。1972年に見たときのことは、2007年1月にシネシャモ日記で次のように書いています。

「原作ジェゼ・ジョヴァンニ、監督ロベール・アンリコ、音楽フランソワ・ド・ルーベ、撮影ジャン・ボフェティ、共演ジョアンナ・シムカスは「冒険者たち」と同じメンバー。ただ、主演はアラン・ドロンではなくジャン=ポール・ベルモンド。このメンバーだけで5点あげてもいいけど、4点ということは期待したほどではなかったから。あとで読んだハヤカワ・ポケット・ミステリの原作のほうが、一匹狼の悲哀が出てて、良かったような記憶があります。」

この頃、芳賀書店からシネアルバム・シリーズの第30弾として「ジャン=ポール・べルモンド-冒険とロマンに生きる男」という写真集が発売されたのですが、責任編集の梶原和男という人が「ギャングのお抱え運転手から1人前のギャングになった若者フランソワ・モランの青春と破滅を描いた暗黒映画(原作ジョゼ・ジョバンニ)だが、中途半端の描き方で完全なる失敗作。べルモンドもその個性を生かしきれず。異色のギャング映画だが、アンリコも「冒険者たち」の出来とは雲泥の差であった。」と書いています(フランソワ・モランはフランソワ・オランの間違いです)。

私はここまでひどいとは思いませんが、「冒険者たち」と比べたらガッカリでしょう。べルモンドの作品としては、ルイ・マルの「パリの大泥棒」に次ぐ作品で、このあと「大頭脳」(ジェラール・ウーリー)、「暗くなるまでこの恋を」(トリュフォー)、「あの愛をふたたび」(ルルーシュ)、「ボルサリーノ」(ドロンと共演)と続きます。

ロベール・アンリコ作品としては、「冒険者たち」「若草の萌える頃」の次の作品で、「オー!」が興行面でも批評面でもさんざんだったのか、1971年のモーリス・ロネ主演 "Un peu, beaucoup, passionnément..." とバンチュラとバルドーの「ラムの大通り」まで作品がありません。

「オー!」には、ポール・クローシェが重要な役どころで出ていたような気がします。頭の薄い、気の弱そうな中年男性で、「冒険者たち」「若草の萌える頃」「影の軍隊」「リスボン特急」「燃えつきた納屋」などに出ていました。

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2008年7月12日 (土)

1975年7月第1週に見た映画(その5)

7月12日(土) キートンの大学生 (アートビレッジ) 4点
7月12日(土) 文化生活一週間 4点
7月12日(土) デブ公の自動車屋 4点
7月12日(土) キートン将軍 4点
7月12日(土) キートンの警官騒動 4点

キートンの長篇2本と短篇3本。この順番に上映したかどうかは定かではありません。たぶん音がついていなかったと思います。完全に無声で映画を見るのは地獄のようなつらさですが、幸いにも下の階からジャズの生演奏が聞こえてきました。この頃、「ハロー!キートン」シリーズ名で、きれいなプリントでのリバイバル上映が行われていましたが、ここで上映されたのは昔からある画質の良くないレンタル16ミリフィルムだったと思います。

「キートンの大学生」は、「キートンのカレッジライフ」というタイトルでリバイバル上映されるはずだったのですが、「ハロー!キートン」シリーズが途中で終わってしまったので、ここで見れたのが幸いでした。大学生になったキートンが、いろんな陸上種目を試みるがことごとく失敗に終わるというエピソードで細かいギャグを積み重ね、ボートレースでクライマックスを迎えます。キートン作品としては、よくできた標準的な作品だと思います。「荒武者キートン」「探偵学入門」「セブンチャンス」「蒸気船」のクライマックスほどは興奮しませんでしたが。この年の5月にもアートビレッジで見ています。

もう一般の長篇「キートン将軍」(1926)は、「ハロー!キートン」シリーズでは「キートンの大列車追跡」というタイトルで公開されたキートンの最高傑作とされる作品(「キートンの機関車」というタイトルもあるようです)。10年ごとに選出する「サイト・アンド・サウンド」誌の映画史上トップテンでは1972年に8位。監督トップテンでも8位で、チャップリンの10位より上。この頃、キートン人気が高まっていたのでした。ただ、私にはあまり印象のない作品。最後のスペクタクルがないからか、これといったギャグがないからか、この映画のキートンに孤独を感じないからか。

短篇「文化生活一週間 One Week」(1920)は、「ハロー!キートン」シリーズでは「キートンのマイホーム」というタイトルで「キートンの恋愛三代記」とともに上映されました。この年の5月にもアートビレッジで見ているので、その時を振り返って書いたことを転記すると、「シビル・シーリーと結婚したキートンが説明書を見ながら組立式住宅を建てると、へんてこな形になってしまう。そこへ暴風雨がきたり、家を建てる住所が間違っていたりして、もう大変。」

短篇「キートンの警官騒動 Cops」(1922)は、「ハロー!キートン」シリーズ第一弾「セブンチャンス」との併映だったから、私が初めて見たキートン作品でした。1973年10月のことです。たぶんこれが二回目でしょう。「セブンチャンス」は最後に花嫁の大群に追われるのですが、ここでは警官の大群に追われる羽目になります。

キートンは自分のプロダクションで映画を作る前、ロスコー・アーバックルが主演する短編10数本に、アル・セント・ジョンとともに出演しています。1917年から1919年にかけてのことです。「デブ公の自動車屋 The Garage」は、その一番最後の作品。

キートンが20年代に作った傑作群は、Kino から出ているDVD11枚組でまとめて見ることができます。ファンタシウムでは本体価格が1万7千円ぐらい。

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2008年7月11日 (金)

1975年7月第1週に見た映画(その4)

7月11日(金) 魔術師 (岩波ホール) 3点

神田神保町の岩波ホールは、シーズン・オブ・ベルイマンというシリーズ名でベルイマンの日本未公開作品3本を連続しました。「魔術師」は、その第一弾で、7月上旬から8月下旬まで1ヵ月半ほど上映されました。このあと、「夜の儀式」と「冬の光」が上映されます。

岩波ホールで映画を上映しているのはエキプ・ド・シネマで、1974年2月に「大樹のうた」でスタートし、以後「ねむの木の詩」「王家の谷」「少女ムシェット」と上映してきて、シーズン・オブ・ベルイマンに至ります。

「魔術師」は、1977年にシネ・デルニエの上映会で「鏡の中にある如く」との二本立てで(たぶん会場は銀座の交詢社)、1978年に三鷹オスカーで「沈黙」と「ペルソナ」との三本立てでも見ています。街の名画座で、こんな三本立てやってたのかあ。「魔術師」は、岩波ホールで最初見たときは点数が低いですが、見るたびごとに面白くなっていきました。

IMDb によれば、「魔術師」(1958)は、「野いちご」(1957)「女はそれを待っている」(1958)と「処女の泉」(1960)の間に位置しますが、この頃、テレビドラマも何本か演出しているようです。ベルイマンは1918年生まれだから、40歳ぐらいでした。

goo のあらすじには1946年の話だと書いてあるのですが、まさか!時代はもっと古いはず。魔術師一座が、領事、警察署長、医師らによって屈辱的な取り調べを受けるが、最後ギャフンと言わせる話。芸術に無理解なお上への反発が根底にあるのかな?ベルイマンにしては珍しくコミカルなところがあったような気がします。

出演は、マックス・フォン・シドー、イングリッド・チューリン、グンナール・ビョルンストランド、ビビ・アンデルセンといったベルイマン作品でおなじみの面々。脚本はベルイマン自身。撮影はグンナール・フィッシャー。フィッシャーは、「魔術師」のあと1960年の「悪魔の眼」が最後のベルイマン作品になり、スベン・ニクビストにバトンタッチしたようです。

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2008年7月 9日 (水)

1975年7月第1週に見た映画(その3)

7月09日(水) フェリーニのアマルコルド (名画座ミラノ) 5点

60年代に難解な方向に進んでいたヨーロッパの映画作家たちは、70年代になると、わかりやすくて柔らかい映画を作り始めました。60年代に「甘い生活」「8 1/2」「魂のジュリエッタ」「サテリコン」と作り続けてきたフェリーニも、70年代になると「フェリーニの道化師」「フェリーニのローマ」というコミカルな偽ドキュメンタリーを作ったのち、「アマルコルド」(1973)に至ります。私にとってはこれがフェリーニの頂点となる作品で、以後「カサノバ」「オーケストラリハーサル」「女の都」「そして船は行く」「ジンジャーとフレッド」と見てきたけど、なんか物足りない感じでした。「アマルコルド」は、1930年代の海辺の小さな町が舞台で、当時10代だったフェリーニの視点から町のさまざまなエピソードがコミカルに描かれています。脚本を書いたトニーノ・グエッラはすごい人のようで、アントニオーニの「情事」「夜」「太陽はひとりぼっち」「赤い砂漠」「欲望」「砂丘」、フランチェスコ・ロージの「黒い砂漠」「コーザ・ノストラ」「ローマに散る」、ほかに「悪魔のはらわた」「サンロレンツォの夜」「ノスタルジア」「シテール島への船出」「霧の中の風景」などの脚本に参加しています。きれいな色彩の撮影はジョゼッペ・ロトゥンノ、音楽はおなじみニーノ・ロータ。

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2008年7月 8日 (火)

1975年7月第1週に見た映画(その2)

7月08日(火) 戦火のかなた (四谷公会堂) 4点
7月08日(火) 無防備都市 4点

またもやカトル・ド・シネマ主催の上映会。カトル・ド・シネマってどういうシネクラブだったんでしょうねえ。上京当時はすごくお世話になっているけど、その後どうなったのでしょう?インターネットで調べても、私が書いたものがほとんど。「すべて売り物」というポーランド映画を配給したということはわかりましたが。今回はロッセリーニのネオリアリズム作品二本立て。その後何度も見ているので、このときの記憶はありません。ヌーベルバーグのファンだったから、ヌーベルバーグに多大なる影響を与えたロッセリーニの作品をありがたく見たはずです。今ここで軽く書く気にならないから、何年か後に「ロッセリーニの年」を作って、その時じっくり鑑賞することにしようかな。

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2008年7月 7日 (月)

1975年7月第1週に見た映画(その1)

7月07日(月) 新・黄金の七人7x7 (月曜ロードショー) 4点

33年ぶりに気づきました。7月7日だから「新・黄金の七人7x7」を放映したってことを。傑作イタリア泥棒コメディ「黄金の七人」には、あまり面白くない「続・黄金の七人・レインボー作戦」という続編がありますが、あれはフィリップ・ルロワとロッサナ・ポデスタが「黄金の七人」と同じ役柄で出ていた、ちゃんとした続編でした。「新・黄金の七人7x7」(1968)は、前二作でプロデューサーと監督を務めたマルコ・ビカリオがプロデューサーだし、ガストーネ・モスキンが出ているけれど、前二作とは趣向の違う泥棒コメディ。看守たちがサッカーのテレビ中継に夢中になっている間に、囚人たちが刑務所をこっそり抜け出して造幣局で紙幣を印刷し、サッカーの終了までに刑務所に戻ってくるというお話。監督ミケーレ・ルーポ(なぜか双葉さんの本ではマルコ・ビカリオになっている)。イギリス映画でピーター・セラーズ主演の「泥棒株式会社」(1960, Two Way Stretch)というのがあって、これも刑務所に入っている連中が刑務所を抜け出して現金輸送車を襲撃する話のようで、これ見たいなあ。

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1975年7月に見た映画(概観)

7月は、なぜか16日以降映画を見ていません。田舎に帰って、勉強に精を出していたのかもしれません。

第1週

  • 7月07日(月) 新黄金の七人7x7 (月曜ロードショー) 4点
  • 7月08日(火) 戦火のかなた (四谷公会堂) 4点
  • 7月08日(火) 無防備都市 4点
  • 7月09日(水) アマルコルド (名画座ミラノ) 5点
  • 7月11日(金) 魔術師 (岩波ホール) 3点
  • 7月12日(土) キートンの大学生 (アートビレッジ) 4点
  • 7月12日(土) 文化生活一週間 4点
  • 7月12日(土) デブ公の自動車屋 4点
  • 7月12日(土) キートン将軍 4点
  • 7月12日(土) キートンの警官 4点

第2週

  • 7月14日(月) オー! (月曜ロードショー) 4点
  • 7月15日(火) 傷だらけの栄光 (NET?) 4点

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2008年7月 6日 (日)

1975年6月第5週に見た映画(その3)

7月06日(日) アメリカングラフィティ (新宿京王名画座) 5点
7月06日(日) ルシアンの青春 (新宿京王名画座) 4点

「アメリカングラフィティ」(1973, American Graffiti)は、オールディーズをバックに流しながら、若者たちによる一晩の数々の出来事を描いたコメディ。1962年の小さな地方都市が舞台。とても面白くて、リチャード・ドレイファス、キャンディ・クラーク、ロン・ハワード、シンディ・ウィリアムズ、ポール・ル・マット、チャーリー・マーティン・スミス、マッケンジー・フィリップス、ボー・ホプキンズなどよく憶えています。プロデューサーはフランシス・フォード・コップラ、監督ジョージ・ルーカス。

「ルシアンの青春」(1974, Lacombe Lucien)はルイ・マル作品。最初、主人公が山道を自転車で下りてくるようなシーンがあって、ジャンゴ・ラインハルトの音楽が流れるのが良かったです。1944年、連合軍のノルマンディ上陸によってドイツ軍がフランスから撤退しようとする頃、フランス人青年ルシアンはゲシュタポの手先になるが、ユダヤ人女性と知り合い、スペインに逃れることを企てる。脚本パトリック・モディアーノ、撮影トニーノ・デリ・コリ(パゾリーニ作品、レオーネの「続・夕陽のガンマン」「ウエスタン」)。ユダヤ人女性を演じたオロール・クレマンが印象的でした。調べてみたら、これがデビュー作で、その後けっこう活躍されている女優さんみたいですね。

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