ノーマン・マクラレン作品 (21)
Neighbours 1952
約8分、カラー、サウンド、16ミリ
効果音:ノーマン・マクラレン
俳優: Grant Munro, Jean-Paul Ladouceur
前回、 YouTube で見ることができると書きましたが、本家本元のカナダ国立映画制作庁のサイトでも見ることができます。見ればわかるように、平和の象徴である花をめぐっての隣人たちの対立を描くことによって、国家間のばかげた争いを風刺しています。コマ撮りによるスラップスティック的な展開に笑っているうちに、驚くほど残酷な結末を迎えます。特に、両者の妻子があっという間に殴り殺されるのに唖然とします。最後に "Love Your Neighbours" という意味の各国の言葉が次々と出てきますが、日本語では「同胞に親切なれ」となっています。
1953年に、アメリカのアカデミー賞で、短編ドキュメンタリー賞を獲得しています(アニメ部門のほうがお似合いの気がするのですが)。アメリカやヨーロッパでは一般公開される際に、妻子が殴られる場面がカットされたそうです。マクラレンが平和主義者としての立場をとっているのはあきらかだし、この残酷なショットが平和主義のメッセージを伝えるのに非常に効果的だと思うので、これがカットされたのは残念です。マクラレンとしては、まったく公開されないよりは、カット版が公開されたほうが良いと思っていたらしいです。しかも、この場面の残酷性だけでなく、そのほかの場面に妻子が一切出てこないので、全体の統一感のためにもカットは許容できると思ったらしいです。彼はずっとカットされたことを後悔していなかったのですが、ベトナム戦争が始まると、何の罪もないものが犠牲となる場面をカットしたことを後悔し始め、その後、この場面を元に戻します(Terence Dobson, "The Film Work of Norman McLaren" による)。
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