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2009年6月27日 (土)

1976年6月に見た映画(その3)

6月26日(土) 池袋文芸坐
 大列車強盗 4点
 夕陽に立つ保安官 4点
 夕陽のギャングたち (寝た)
 続・夕陽のガンマン 4点

西部劇四本立てのオールナイト。バート・ケネディ作品が二本に、セルジオ・レオーネ作品が二本。「大列車強盗」(1973, The Train Robbers) は、ジョン・ウェイン主演で、アン・マーグレット、ロッド・テイラー、ベン・ジョンソン共演。「夕陽に立つ保安官」(1969, Support Your Local Sheriff!)は、ジェームズ・ガーナー主演で、決闘の途中でタンマをするようなズッコケ西部劇。ジャック・イーラムやブルース・ダーンが出てました。ブルース・ダーンってどうしているんだろうと調べたら、まだ70そこそこで、バリバリ活躍していじゃないですか。なんで私は彼に好感を持っているのかとフィルモグラフィーを調べてみたら、ヒッチコックの遺作「ファミリープロット」でバーバラ・ハリスとのコンビが面白かったんだな、きっと。ゆったりしたレオーネ作品を後半に見るのはきつかった。「夕陽のギャングたち」(1971)は、「ショボン、ショボン」と聞こえるモリコーネのテーマ曲と(「ショボン、ショボン」じゃなくて「ション、ション」で、ダイナマイトの導火線の燃える音を表現しているらしい)、ダイナマイトを持っているジェームズ・コバーンぐらいしか記憶にないので、あらためて見てみたい。ロッド・スタイガーとコバーンの主演。「続・夕陽のガンマン」は、すでに日曜洋画劇場で見たことがあります。これは、シネシャモで仮想上映しているので、暇があれば読んでください

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2009年6月26日 (金)

ノーマン・マクラレン作品 (19)

  • A Phantasy 1948,1953
    約7分、カラー、サウンド、16ミリ
    音楽:モーリス・ブラックバーン
  • Begone Dull Care 1949
    約8分、カラー、サウンド、35ミリ
    音楽:オスカー・ピーターソン

"A Phantasy" は YouTube にアップロードされています。制作年が1948年と1953年になっているのは、1948年に中間部を作ったけれど、何か物足りなくて、最初と最後の部分を1953年に付け加えたのでしょう。中間部は、立体的な球体が6つ、くっついたり離れたりしながら、空を飛ぶというもので、ほとんどコンピューターグラフィックスのように見えます。40年代末期にどうやって作ったのだろう?最初と最後のダリ風な絵を背景にしている部分は、なんか古臭い。サックスによるモーリス・ブラックバーンの音楽は良いけれど、当時最先端だったと思われる電子音はチープに聞こえます。マクラレンは1969年に "Spheres" という作品を作っていて、中間部はまったく同じものが使われていると思うのですが、こっちはグレン・グールドのピアノ演奏によるバッハの音楽が淡々と流れるだけで、こっちのほうがオシャレ。最初と最後の部分も、より抽象的、幾何学的で、20年後に作られただけあって、新しさを感じます。全編がコンピューターグラフィックスって感じですが、やっぱり手作業でコツコツ作ったんだろうなあ。("Spheres" は YouTube にはアップロードされていないみたい。本家のカナダ国立映画制作庁(NFB)はどうなんだろう。暇ができたら、NFBのサイトを探検してみなくては。)

"Begone Dull Care" は、マクラレンの作品の中で一番有名かもしれない。私は80年代の終わりごろバラカンさんのポッパーズMTVで見たことがあります。たぶん、当時、マクラレンの作品集がレーザーディスクで出たんじゃないかと思います。フィルムに直接描いた即興的でカラフルでスピーディーな図柄とオスカー・ピーターソンのピアノを中心としたジャズトリオの演奏が非常にマッチしています。演奏がスローになって、黒い背景に白い光が差すだけの映像になる中間部分は記憶にないので、バラカンさんの番組で放映したのは最初の部分だけだったのかもしれません。最後にまたスピーディーな展開になります。これも YouTube にアップロードされています

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2009年6月23日 (火)

1976年6月に見た映画 (その2)

6月21日(月) テアトル新宿
 アメリカの夜 5点
 アリスの恋 4点

「アメリカの夜」は、映画の撮影現場を舞台に人生模様を描いた作品で、トリュフォー自身が監督役で出演したり、ジャン・ピエール・レオがアントワーヌ・ドワネルとさほど変わらない役柄で出演したりしています。1975年に東京に出てきて、これで見るのが4回目で、この頃は大好きな作品だったのですが、あまりに流暢過ぎて、今は、トリュフォー作品の中では、あまり私の興味をひかない作品になっています。数年前にオマケがいっぱい入った日本版DVDが出て、それをテレビで見ると、テレビの画面にマッチしすぎて、軽い作品に見えました(ピエール・ウィリアム・グレンの即興撮影のせいもあるけれど、各挿話が軽すぎるような。それが魅力かもしれませんが)。

「アリスの恋」は、マーティン・スコセッシ監督、エレン・バースティン主演。スコセッシとしては「タクシードライバー」の前の作品。1975年のキネ旬では、ポール・マザースキーの「ハリーとトント」が1位で、こっちが3位でしたが、その後の両監督の活躍の差から振り返ると、嘘みたい。翌年のキネ旬では、スコセッシの「タクシー・ドライバー」が1位になりました。日本公開されたのは、この1976年の9月で、私が名画座で見たのは1977年3月になってからでした。ただ、昔も今も、私はあまりスコセッシに興味がないのです。

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2009年6月20日 (土)

ノーマン・マクラレン作品 (18)

  • Fiddle-de-dee 1947
    カラー、サウンド、35ミリ
    音楽:フィドルによる民謡
  • La Poulette grise 1947
    カラー、サウンド、16ミリ
    音楽:フランスの子守唄

前者はYouTubeにアップロードされています。後者は本家本元のNFBのサイトで見ることができます。YouTubeにアップロードされているのを紹介するのは少々うしろめたいところがありますが、本家本元なら堂々と紹介できます。

"Fiddle-de-dee" は久しぶりにフィルムに直接描く手法による作品で、以前のものは白く太い線で描かれた図形が変化していくものがほとんどでしたが、これはフィルム全体の模様がスピーディかつユーモラスに変化していきます。フィドルによるダンスチューンも軽快で、全体的にとても愉快。オスカー・ピーターソンのピアノをバックにした2年後の "Begone Dull Care" の先駆的作品。しかし、この作風はマクラレンが独自に考え出したものではなく、DVDの解説では「レン・ライ Len Lye に影響を受けている」とか書いてあったので、YouTubeで探してみたら、ありました。Swinging the Lambeth Walk (1939) は、ジャンゴ・ラインハルト(とステファン・グラッペリ)自身の演奏なのか、ラインハルト風なのかわかりませんが、おしゃれな音楽に合わせて、フィルムに直接描いたカラフルな図柄が次々に変化していって、これも、とても愉快。いいもの見せてもらいました。

二番目のは、ニワトリをモチーフに、ゆっくりと映像が変化していくもので、軽快な作品を見たあとではチトつらい。バックの女性の歌い方が好みじゃないからかもしれません。ケイトとアンナのマクガリグル姉妹が歌っていれば、もっと私の興味を引いたかもしれません(彼女たちが生まれたばかりのころですが)。音楽を担当しているモーリス・ブラックバーン Maurice Blackburn は、このあとも、けっこうマクラレン作品に参加しているようです。

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2009年6月16日 (火)

ノーマン・マクラレン作品 (17)

  • A Little Phantasy on a 19th-Century Painting 1946
    カラー、サウンド、35ミリ
    音楽:Benton Jackson
  • Hoppity Pop 1946
    カラー、サウンド
    音楽:サーカスの蒸気オルガン

前者は3分半ほどの陰気で不吉な白黒作品。アーノルド・ベックリン(1827-1901)というスイスの象徴主義画家の "Isle of the Dead" という絵画に基づいています。巨大な廃墟で雷が鳴ったり、木が生えたり、鳥が出てきて飛んで行ったりします。「禿山の一夜」のアレクサンドル・アレクセイエフに影響を受けているとのこと。前回紹介したマクラレンの二作はカナダ国立映画制作庁(NFB)の Chants populaires シリーズのために作られたものでしたが、アレクセイエフもNFBで仕事をしたことがあり、そのシリーズの最初の作品はアレクセイエフの "En Passant" という作品でした(これはYouTubeにあります)。

"Hoppity Pop"は二分足らずの愉快な作品です。NFB以前のマクラレン作品を洗練させた感じ。蒸気オルガンのユーモラスな音楽をバックに、青と赤と緑の三つの幾何学的な図形が変化します。これはYouTubeにあるのですが、YouTube側が音を消してしまったのか、蒸気オルガンのユーモラスな音楽が聞こえてこないし、私のパソコンでは青の図形が見にくいです。

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2009年6月13日 (土)

1976年6月に見た映画 (その1)

6月12日(土) 池袋文芸坐
 ルシアンの青春 4点
 ビバ!マリア 4点
 ミュリエル (半分寝た)
 薔薇のスタビスキー (半分寝た)

ルイ・マル2本とアラン・レネ2本のオールナイト。オールナイトって10時ごろから始まって、朝6時ごろに終わるんですよね。オールナイトって、出かけるときは挑戦前のワクワク感があって、帰るときは達成感と朝のすがすがしさがありました。今回の場合は、達成感といっても、レネの2本は半分寝てたんですけど。「ミュリエル」以外はすでに見たことがあります。「ミュリエル」はこの時の印象はないんだけど、80年代に入ってレンタルビデオを借りてみたら、ストーリーはさっぱりわからなかったけど、カラーとか構図とか、映像がすごく良くって、それだけで十分楽しめる作品でした。「二十四時間の情事」「去年マリエンバードで」の次に作られた1963年の三作目で、長篇としては初めてのカラー作品でした。撮影はサッシャ・ビエルニーという人で、前二作も彼が担当したらしい。日本では1970年代になってから劇場公開されました。

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2009年6月 9日 (火)

ノーマン・マクラレン作品 (16)

一週間に一度でも書き込めば、まったく更新されないブログよりはましか。

C'est l'aviron (1944)
La-haut sur ces montagnes (1945)

戦争の終わりごろには Chants populaires(大衆の歌)というシリーズのうちの二本を作っています。"C'est l'aviron" (「櫂の力」または「これが櫂だ」)はYouTube にあったので、これを見てもらえば十分。以前のスピーディーなものから比べたら、ゆったりした作風になっているし、技術的なことはよくわからないけど、直接フィルムに書き込むアニメよりも凝ったものになっています。もう一つの "Là-haut sur ces montagnes" (「山の彼方に」)は YouTube にはアップロードされていないようです。山を描いたいくつかの絵が出てきて、各々、光と影の部分が微妙に変化していきます。こっちはあまりカメラが動かない(実際には前者もカメラ自体が動いているわけではないんだろうけど)。前者は男性合唱ですが、これは女性の独唱。たぶん両者とも歌詞と映像が関連していて、歌詞がわかればもっと面白いはず。でも、わからなくても十分楽しめます。

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2009年6月 4日 (木)

ノーマン・マクラレン作品 (15)

第二次大戦中、マクラレンは戦争に関する作品を五本作りました。

V for Victory (1941)
Five for Four (1942)
Hen Hop (1942)
Dollar Dance (1943)
Keep Your Mouth Shut (1944)

"Dollar Dance" はインフレ防止策に関する作品で、"V for Victory" "Five for Four" "Hen Hop" は軍事公債を宣伝する作品です。平和主義者のマクラレンは直接戦争を扱った作品は作りたくなかったらしい。軍事公債も兵器を買うために購入するものだからマクラレンにとっては不本意だろうけど、兵器を購入するのに税金ほどには役立っていなかった、というような弁解をテレンス・ドブソンは "The Film Work of Norman McLaren" の中で書いています。最後の "Keep Your Mouth Shut" は、より直接的に戦争を描いており、他の作品のように直接フィルムに絵を書きこむアニメではなく、実写とアニメを混ぜた白黒作品です。もともと社会参加意識が強いので、戦争が進むにつれ、抽象的な作品ばかり作っていることに疑問を感じ始めたようです。

どの作品も3分あるかないかぐらいです。YouTubeでざっと調べましたが、残念ながら、どれもアップロードされていないようです。DVD7枚組はテーマごとに分類されており、"Hen Hop" を除く四作品は第四巻の "War and Peace" というテーマのもとに収められています。"Hen Hop" は第二巻の "The Art of Motion" と "Surrealism" という二つのテーマの各々に収めまれています(ある作品がいくつものテーマに関連している場合、すべての関連テーマに収録されているので、この7枚組には作品が重複して入っていることが多いようです)。

古いのから見ていくと、"V for Victory" は、勝利公債を買えという宣伝映画のようで、実際には "Buy Victory Bonds" という文字が出てきます。これまでのマクラレン作品と同じパターンで、太い線で大まかに描かれた人間がさまざまな形に変化しつつ横方向に歩いていくというのが前面で、背後は雲が素早く流れていきます。バックが威勢のよいマーチで、なんだか愉快。バックが青、人間が赤、雲が黒。

"Five for Four" は、4ドル払えば数年後には5ドルになるから軍事公債を買い給えという宣伝映画。音楽はブギウギピアノをバックにした何本かの管楽器。映像のバックは、小高い丘、雲、いくつかの田舎の建造物で、いろんな形に変化するドル札が前面で右方向に移動すると(というより、バックが左方向にバックすると)、郵便局があって、そこでお札が公債に変わる。すると、今度は逆方向に動き出し、2年後には利子が何セントになり、3年後には何セントになり、ということが前面に表示される。

"Hen Hop" は、戦争に関するテーマに収められていないように、これだけだと、公債の宣伝には見えない。ただ、一か所 "Save" (貯金しろ)という文字が出てくる。マクラレンおなじみの趣向で、大まかに描かれたニワトリがさまざまな形に変化する。音楽はギコギコ鳴るフィドルを中心にした非常に田舎っぽいカントリー。途中で歌手が少し歌うのだけど、何を歌っているのか私にはわからないのが残念。

"Dollar Dance" は、最初、バックが横方向ではなく、後方に雲が動いていくのが珍しい。でも途中から横方向になります。前面では"$"という文字がさまざまに変化します。男の声の歌とせりふで、インフレを説明しているらしく、結局、公債を買うことで貯金しろと伝えているようです。

以上はどれも似たような趣向で、愉快なものですが、"Keep Your Mouth Shut" は、頭蓋骨がしゃべるという不気味なもの。目の部分にハーゲンクロイツが出てくるので、ナチスを表しているのでしょう。その頭蓋骨が何か不吉な事をしゃべっている合間に、焼けている家や兵士の死体の実写映像が流れます。

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