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2008年10月 7日 (火)

名画座(31):「土曜日正午に襲え」「死刑囚に聞け」

"Film Noir: An Encyclopedic Reference to the American Style" のあらすじと解説の訳は、こちらです。
 「土曜日正午に襲え
 「死刑囚に聞け

Crime Wave (1954) 土曜日正午に襲え

これ良かったです。ジャン・ピエール・メルビルの暗黒映画に近い気がしました。メルビルがこの種の映画を作り始めたのは1956年の「賭博師ボブ」だから、ほとんど直結しているって言ってもいい感じ。野外撮影や警察の無線システムが現代的な感じを出しているし、正義感やモラルのなさそうなスターリング・ヘイドンの刑事も今風だし、主人公を演じるジーン・ネルソンも現代風なイケメンです。刑事ヘイドンが禁煙していて爪楊枝をクチャクチャさせているのだけど、たしか「シシリアン」のリノ・バンチュラ刑事も禁煙してましたよね。その原型がこれなのか、それとも、これ以前にも同じ設定の作品があったのか。主人公に対して非情だったヘイドンが、最後、主人公に温情を示す唐突さはヌーベルバーグ的だし、オチのつけ方がメルビル風だ。一件落着したヘイドンはタバコを一服して、すぐに捨てるのだけど、都会の風景の中を立ち去っていくと想像していたのに、顔をアップで撮影した画面から消えるだけだったので、少々期待外れでした。4点。

Decoy (1946) 死刑囚に聞け

それに比べると、これは古臭かった。sergeant と書いてあったので巡査部長と訳したけれど、私服刑事でした。この刑事がハードボイルドのパロディみたいで、スーツや帽子をピシっと決めて、動きやセリフもキザったらしいんだけど、体がボテっとした感じだし、顔も昔の二枚目風で、なんか野暮ったい。魔性の女を演じるジーン・ギリーが大売り出しって感じで登場するのだけど、このあと1本出演したあと肺炎で亡くなったので、今や誰も知らないのではなかろうか。彼女が仲間を車で何度もひいたって訳したけど、映画を見ると1度ひいただけでした。私の誤訳か。彼女が、死ぬ間際に、刑事を馬鹿にしたように笑うのは良かった。お金の隠し場所を聞き出すために、死刑を執行された囚人を医師が生き返らせるあたり、ユニバーサルのホラー映画みたいだった。3点。

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