2009年11月 8日 (日)

1976年11月に見た映画 (その1)

家族を介護しなければならなくなって、ますますブログを書く余裕がなくなってしまいました。

11月05日(金) 太陽がいっぱい (渋谷文化) 4点
11月05日(金) ル・ジタン (渋谷文化) 3点
11月05日(金) ロミオとジュリエット (飯田橋ギンレイホール) 4点
11月05日(金) ブラザーサンシスタームーン (飯田橋ギンレイホール) 4点

たぶん文化祭が終わって余裕ができたのでしょう。一日に二本立てを二回見に行っています。最初は渋谷に一人で。「太陽がいっぱい」は言わずもがなのドロンの出世作。1960年のルネ・クレマン監督作品で、原作は才人トム・リプリー君が主人公のパトリシア・ハイスミスの小説で、脚色はルネ・クレマンとポール・ジェゴフ(「獅子座」「いとこ同志」「二重の鍵」「気のいい女たち」)、撮影アンリ・ドカ、音楽ニーノ・ロータ、プロデューサーはアキム兄弟、共演モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ。「ル・ジタン」は、日本では「気狂いピエロ」という邦題で早川ミステリから出ていたジョゼ・ジョバンニの小説を自らが1975年に監督(小説の訳者は同名ゴダール作品の原作と勘違いしていたらしい)。ジャン・ピエール・メルビル風の都会的な洒落たギャングものを期待していたのですが、主人公が野性的なジプシーだったのでガッカリ。

続いて、映画研究部の先輩と二人で飯田橋でフランコ・ゼフィレッリ作品を見に行きました。男二人で「ロミオとジュリエット」を見るのは恥ずかしかった。「ブラザーサンシスタームーン」は、すでに二人とも見ていたことがあって、大好きな作品でした。しかし、あらためて見ると、話がきれいすぎるかなあと思ったので一点マイナスになっています。ふっくらホッペのジュディ・バウアーが可愛かったし、ドノバンのテーマ曲が印象的でした。

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2009年11月 1日 (日)

1976年11月に見た映画 (概観)

11月05日(金) 太陽がいっぱい (渋谷文化) 4点
11月05日(金) ル・ジタン (渋谷文化) 3点
11月05日(金) ロミオとジュリエット (飯田橋ギンレイホール) 4点
11月05日(金) ブラザーサンシスタームーン (飯田橋ギンレイホール)  4点
11月23日(火) 狼たちの午後 (渋谷全線座) 5点
11月23日(火) ル・ジタン (渋谷全線座) 3点

この月は大学の文化祭があったし、飲む機会も多かったので、あまり映画を見ていません。人との付き合いが多かった月で、一人好きの私としては珍しいことに、三回見に行ったうちの一回は映研の先輩と、一回はグループで見に行っています。

テレビ映画劇場などの説明と以前の鑑賞記録はこちら

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2009年10月28日 (水)

ノーマン・マクラレン作品 (36)

Spheres (1969)
約7分30秒、カラー、サウンド、16ミリ
アシスタント: ルネ・ジョドワン Rene Jodoin
音楽: グレン・グールドのピアノによるバッハ

邦題は「球の配列」。6月26日に書いた "A Phantasy" という1950年ごろの作品に基づいています。あらためて両作品を見ても、6月26日に書いたこと以上のことが思い浮かびません。ただ、2ヵ月前に "Spheres" が YouTube にアップロードされ、現時点では両方とも YouTube で見ることができます。各自検索して、比べてみてください。

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2009年10月27日 (火)

1976年10月第4週に見た映画

10月26日(火) 危険を買う男 (久保ホール) 3点

クラスメートに誘われて試写会に行きました。久保ホールは虎ノ門にありましたが、今もあるのかどうか知りません。「危険を買う男」(L'alpagueur, 1976)は「怪盗二十面相」に次ぐベルモンド主演作。一匹狼が政府から依頼を受けて連続殺人犯を追いつめる話。監督は1973年にベルモンド主演の「相続人」を作ったフィリップ・ラブロ。原案ラブロ、脚本ジャック・ランツマン、音楽ミシェル・コロンビエと撮影ジャン・パンゼルで、これらは「相続人」と同じ。フィリップ・ラブロはジャン・ルイ・トランティニャン主演の「刑事キャレラ10+1の追撃」やイブ・モンタン主演の「潮騒」なども監督していますが、監督作はさほど多くない。詳しく知らないのですが、テレビとかラジオとかが専門の人かもしれません。何年か前にトリュフォーのCD5枚組を購入したら、そのうちの1枚がインタビュー集で、インタビュアーがフィリップ・ラブロでした。監督が監督にインタビューするのが変な感じだったのですが、こっちが本業で、監督は副業だったのかもしれない。

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2009年10月23日 (金)

1976年10月第3週に見た映画 (その2)

10月21日は1984年にトリュフォーが52歳で亡くなった日でした。あれから25年。私もその年になってしまった今考えると、やっぱり残念。

10月22日(金) 男はつらいよ寅次郎相合い傘 (新宿ロマン) 4点
10月22日(金) 男はつらいよ夕焼け小焼け (新宿ロマン) 4点 
10月22日(金) 華麗なるヒコーキ野郎 (名画座ミラノ) 4点
10月22日(金) 運命の饗宴 (東京12) 4点

後年の寅さん映画は見たことがないので、よくわかりませんが、この頃までは一定の水準を保っていたので、キネ旬のベストテンのどこに寅さん映画が位置するかでその年の日本映画全体の水準を推し量ることができます。それを強く感じたのはマドンナに太地喜和子を迎えた1976年夏公開の17作目「夕焼け小焼け」で、なんと2位になったからです(1位は「青春の殺人者」)。「寅次郎相合い傘」は1975年の5位。1975年夏公開の15作目でマドンナは浅丘ルリ子のリリー。1973年夏の11作目「寅次郎忘れな草」に次いで二度目の登場。これはその年の9位でした。「相合い傘」も「夕焼け小焼け」も当然面白かったのですが、4点だから期待以上の面白さじゃなかったのでしょう。

この二本だけじゃ物足りなかったのか、伊勢丹近く新宿ロマンから歌舞伎町の一本立て名画座ミラノへ。「華麗なるヒコーキ野郎」はジョージ・ロイ・ヒル監督、ロバート・レッドフォード主演。ポール・ニューマンこそいないものの、「明日に向かって撃て」と「スティング」のコンビだから当然面白いだろうと期待したのですが、寅さんと同じで予定どおりの面白さ程度。"The Great Waldo Pepper" という1975年のユニバーサル映画で、スーザン・サランドン共演、ウィリアム・ゴールドマン脚本、ヘンリー・マンシーニ音楽、ロバート・サーティース撮影。第一次大戦直後のテキサスで曲芸飛行を商売とする男の話。私としては1960年代半ばのオールスターキャストのコメディで、1910年にロンドンからパリまで競争する「素晴らしきヒコーキ野郎」のほうが好きです。

さらに、アパートに帰ってから東京12チャンネルでジュリアン・デュビビエの「運命の饗宴」(Tales of Manhattan, 1942)を見ています。デュビビエが第二次大戦中にハリウッドに逃れていた頃の二十世紀フォックス作品。ある立派な燕尾服にまつわるオムニバス風物語で、その燕尾服を着た男は必ず不運な目にあう。出演はシャルル・ボワイエ、リタ・ヘイワース、ジンジャー・ロジャーズ、ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ロートン、エドワード・G・ロビンソンら。デュビビエは、ある女性が社交界にデビューしたときに手帖に書いた踊りの相手たちを何年か後に訪ね回るという「舞踏会の手帖」を1937年にフランスで作っているし、1941年にはイギリスで「リディアと四人の恋人」を作っているし、、60年代には「フランス式十戒」も作っているしで、こういうの好きみたい。

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2009年10月21日 (水)

1976年10月第3週に見た映画 (その1)

10月18日(月) 冒険また冒険 (月曜ロードショー) 4点

クロード・ルルーシュ監督の1972年のアクションコメディ。1973年2月に「さらば友よ」とともに福山の一般封切館で見ているので、2007年4月27日にシネシャモ日記に書いたのを転載します。

たぶん最後に見たクロード・ルルーシュ作品は「愛と哀しみのボレロ」(1981)だと思うのですが、それ以後もコンスタントに映画を撮り続けているようですね。「マイ・ラブ」(1974)や「愛と哀しみのボレロ」といった大作も面白く見た記憶があるのですが、私はそれ以前の「流れ者」(1970)、「恋人たちのメロディ」(1971)、「男と女の詩」(1973)あたりの軽くて洒落た娯楽作品が好きだし、なつかしいです。「冒険また冒険」もその頃の作品。音楽は当然フランシス・レイですが、このコンビは現在までずっと続いているのでしょうか。

リノ・ヴァンチュラ、ジャック・ブレル(名曲「行かないで」を作った歌手)、シャルル・デネル(トリュフォー作品でもおなじみ)、シャルル・ジェラール、アルド・マチオーネの五人の悪党が、銀行強盗じゃ儲からなくなったので、身代金目当ての誘拐に切り替えて、次々と要人をさらっていく冒険コメディ。誘拐されるのは人気歌手ジョニー・アリディ(ご本人として登場)、大使(「夜霧の恋人たち」で探偵事務所の所長を演じたアンドレ・ファルコン)などです。

76年と79年にテレビでも見ていて、一番憶えているのは、海辺で主人公たちが一人ずつポーズを決めながら通り過ぎる即興的なシーンです。たぶん手前にきれいな女性が寝そべっているのでしょう。日本版DVDはなさそうですが、アメリカ版があるので、余裕があれば買って、再見したいです。

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2009年10月19日 (月)

1976年10月第2週に見た映画 (その6)

10月17日(日) ある殺し屋 (?) 3点

日曜日の午後にテレビで見たのでしょう。1969年に37歳の若さで世を去った市川雷蔵の1967年の大映作品。この年、この映画と「華岡青洲の妻」でキネ旬男優賞を獲得しています。孤独な殺し屋というと同時期のメルビル監督、ドロン主演の「サムライ」を思い起こさせますが、キネ旬の日本映画監督全集(1976)で監督の森一生を調べると、イタリア映画の「殺しのテクニック」にヒントを得たとあります。「殺しのテクニック」の殺し屋は照準器とサイレンサーの付いたライフルを使用しますが、こちらは畳針を使う。ほとんど憶えていないのですが、窓を開けると墓地がある薄汚れたアパートと共演者の成田三幹夫が印象に残っています(1990年にもう一度テレビで見ているので、そのときの印象かもしれませんが)。原作は藤原審爾の「前夜」、脚色増村保造ら、撮影宮川一夫。同じ年に同じ監督と主演で「ある殺し屋の鍵」が作られていて、goo でストーリーを読むと、続篇というより、似たような趣向の作品らしい。というのも、雷蔵は前作では表向き板前、今度は日本舞踊の師匠で、暴力団から殺人を依頼されるという発端が同じらしいから。

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2009年10月17日 (土)

1976年10月第2週に見た映画 (その5)

10月16日(土) おかしなおかしな大冒険 (中野武蔵野館) 4点
10月16日(土) 007/ロシアより愛をこめて (中野武蔵野館) 3点

すでに見たことのある作品二本立て。友人と見に行きました。中野武蔵野館って客席の奥行きがなくて、横に長かったから、「カニの横ばい」と呼ばれてませんでしたっけ?私がまだ東京にいたころに廃館になって、跡地にミニシアターができたようですが、そのミニシアターには行ったことがあるような、ないような。「おかしなおかしな大冒険」(1973)はフィリップ・ド・ブロカ監督で、月曜に見た「怪盗二十面相」(1975)の前作。両方ともジャン・ポール・ベルモンド主演。共演ジャクリーヌ・ビセット、音楽は「ボルサリーノ」のクロード・ボラン。探偵小説家が自分で書いている小説の中の主人公として大活躍する話で、60年代にジャック・レモン扮する漫画家による同趣向のコメディ「女房の殺し方教えます」がありました。さえない男が想像の中で活躍するというコメディの原型は、ジェームズ・サーバー原作でダニー・ケイが主演した「虹を掴む男」(1947)じゃないかと思うのですが、そういえば「キートンの探偵学入門」(1924)も夢の中で活躍する話でした。しかし、あれはずっと夢の中の話だから、現実と想像が交差するという点では、やはり「虹を掴む男」が原点なのかな?「おかしなおかしな大冒険」は全体的に愉快なスラップスティックなのですが、一つ不快な部分があります。現実の中でビセットと仲が悪くなったベルモンドが小説の中でビセットが集団暴行される場面を描くという部分で、そのものズバリは見せずにコミカルに描いているけど、想像の中の話にしても後味が悪い。というわけで、この時以来この映画を見ていないのですが、もっと大人になっている今見ると違う印象になるのかな。007シリーズの最高傑作と言われている第二作「ロシアより愛をこめて」は、何度か見て満点をつけたこともあるけれど、このときは古臭く見えたのか、あまり良い点はあげてません。

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2009年10月16日 (金)

1976年10月第2週に見た映画 (その4)

10月15日(金) 鐘 (池袋文芸坐) 1点
10月15日(金) 手 (池袋文芸坐) 2点
10月15日(金) いつか見たドラキュラ (池袋文芸坐) 4点

自主製作映画三本立て。テレビのお笑い界で才人と呼ばれる人たちが映画を作りたがるのは現在も変わらない。「鐘」(1966)は、青島幸男が製作・監督・脚本・主演した1時間少々の作品。短篇だと記憶していたけど、川から鐘を引き上げるだけのくりかえしをを1時間少々見せられては、1点をつけたくなろうというもの。萩本欽一の「手」も短篇だと思っていたら、これも1時間あって、シナリオなしで手だけを相手に芝居を見せらるのはキツイ。欽ちゃんには「俺は眠たかった!!」(1970)という松竹で監督した長篇もあります。欽ちゃんはチャップリン好きで、スイスで引退生活を送っていたチャップリンにアポなしで会いに行くテレビドキュメンタリーを見たことがあります。結局、欽ちゃんは豪邸に入れてもらえたけれど、カメラは入れませんでした。ウィキペディアによれば、1971年のことでした。同じくウィキペディアによれば、チャップリン好きというより、世界で一番有名な人ぐらいの認識しかなかったらしい。40年近く「欽ちゃんはチャップリン好き」と思い込んでいたのに。「いつか見たドラキュラ」(1967)は、テレビCMの演出家として活躍していた大林宣彦が脚本・監督・撮影した40分の中篇実験映画。怪奇映画や西部劇のパロディで、けっこう良い点をつけているところからすれば楽しめる作品だったのでしょう。

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2009年10月15日 (木)

ノーマン・マクラレン作品 (35)

Pas de deux (1967)
約13分、白黒、サウンド
音楽監督: モーリス・ブラックバーン
演奏者: Dobre Constantin (パンパイプ)、United Folk Orchestra of Romania
ダンサー: Margaret Mecier, Vincent Warren


題名の「パ・ド・ドゥ」は男女二人による踊りを意味するバレエ用語。バレエをどう鑑賞すればよいのかわからないので不安でしたが、心配ご無用。バレエは単なる素材で、それに基づいた抽象的な動きや特殊効果によって十分楽しめる作品になっています。これは先日、日本で発売されたボックスセットにも傑作選にも収められています。動画サイト Dailymotion や YouTube でも今のところ見ることができます。コントラストの強い白黒映像で、ダンサーの顔や体はほとんど見えなくて、真っ暗なバックに体の輪郭のみが白く浮き出ています。最初は女性のみが登場し、ザ・たっちの幽体離脱のように一つの体が二つに分かれます。最初の体が止まっている間に離脱した体が踊りながら別の位置で止まると、最初の体が同じ動きをしながらその位置まで来て、合体します。それが何度か繰り返されたのち、二つに分かれた女性ダンサーが鏡のように左右対称に同じ踊りをします。そこへ男性ダンサーが登場し、今度は二人のダンサーが連続ストロボ撮影のように時間のずれた五重、六重の体になって踊り始めます。パンパイプを中心にしたルーマニアの民族楽団による音楽が重層で物悲しくて、非常に印象的です。韓国映画の「西便制」やフランソワ・ド・ルーベ音楽による南米が舞台か異国出身のギャングが登場するフランス製犯罪映画を思い起こさせます。

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