2017年1月17日 (火)

昔の全米アルバムチャートを眺める (1968年新春)

1968年1月6日付のビルボートのアルバムチャート。

1. Magical Mystery Tour (The Beatles)
2. Their Satanic Majestices Request (The Rolling Stones)
3. Pisces, Aquarius, Capricorn & Jones Ltd. (The Monkees)
4. Diana Ross and the Supremes Greatest Hits
5. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (The Beatles)
6. Doctor Zhivago (Soundtrack)
7. The Sound of Music (Soundtrack)
8. Farewell To The First Golden Era (The Mamas & The Papas)
9. Strange Days (The Doors)
10. Love, Andy (Andy Williams)

常連のティファナブラスやバーブラ・ストライサンドがいなくなり、ロック色が強くなってきました。

ビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」は、イギリスではEP2枚組でA面の6曲だけの発売だったのですが、アメリカでは「ペニー・レイン」とそのB面「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」、「愛こそはすべて」とそのB面「ベイビー・ユア・ア・リッチマン」、さらに「ハロー・グッバイ」が加えられたLPとして発売。この週から8週連続1位。その次に1位になったのは、ストーンズでもモンキーズでもディラン(「ジョン・ウェズリー・ハーディング」)でもなく、「恋は水色」が大ヒットしていたポール・モーリア。

2位はストーンズ。なかなかビートルズを追い抜けませんね。この週から6週間2位が最高。

3位はモンキーズの4枚目「スター・コレクター」。彼らの最高傑作と言われることもあるようです。「セールスマン」「カドリー・トイ」「恋の合言葉」「プレゼント・バレー・サンデー」「スター・コレクター」など。前年暮れに5週連続1位。

4位のシュープリームス(スプリームス)のベスト盤はモンキーズのアルバムの前に5週連続1位。LP二枚組で、彼女たちのヒットが20曲並んでいれば、文句なく楽しいことでしょう。

5位はおなじみのビートルズの名盤。前年7月から10月にかけて15週連続1位。

6位と7位はロングセラーのサントラ。この時点で「ドクトル・ジバゴ」は95週、「サウンド・オブ・ミュージック」は147週のチャートイン。

8位はママス&パパスのベスト盤。「最初の黄金期にサヨナラ」って、二番目の黄金期があったのだろうか。定番の「マンデー・マンデー」や「夢のカリフォルニア」など12曲入り。前年暮れに5位を3週間続けたのが最高。

9位はドアーズの二枚目「まぼろしの世界」。前年11月から12月にかけて4週3位が最高。そのころ、ファーストの「ハートに灯をつけて」もトップテン入りしていました。

ロックが席巻し始めた時代になぜかアンディ・ウィリアムズ。テレビで自分の番組を持っていたので根強い人気があったのか。シナトラ父娘の「恋のひとこと」、「シェルブールの雨傘」からの曲、「恋の面影」「君の瞳に恋してる」、ビーチボーイズの「神のみぞ知る」、クリス・モンテスの「モア・アイ・シー・ユー」などのカバー。

2017年1月16日 (月)

昔の全米アルバムチャートを眺める (1967年新春)

1967年1月7日付のビルボートのアルバムチャート。

1. The Monkees
2. S.R.O (Herb Alpert & The Tijuana Brass)
3. Doctor Zhivago (Soundtrack)
4. The Sound of Music (Soundtrack)
5. Je m'appele Barbra (Barbra Streisand)
6. Going Places (Herb Alpert & The Tijuana Brass)
7. Parley, Sage, Rosemary and Thyme (Simon & Garfunkel)
8. Born Free (Roger Williams)
9. The Supremes A' Go-Go (The Supremes)
10. Golden Greats (Gary Lewis & The Playboys)

モンキーズ登場!前年11月から2月にかけて13週連続1位で、その翌週からはセカンドが18週連続1位。

まだまだハーブ・アルパートとティファナブラスの勢いは続く。6位は1年前にもあったじゃん!2位の「S.R.O」は standing room only の略。彼らのコンサートは売り切れ続出で、立見席しかないよという意味。「ワークソング」収録。

3位と4位はロングセラーの映画のサントラ。「ドクトル・ジバコ」は前年11月に一週だけ1位になっており、この1月7日付でチャートイン43週目。この年の8月までトップテン入り。「サウンド・オブ・ミュージック」は1965年11月に1位になっており、この週で95週チャートイン。1965年7月から1967年6月まで2年間トップテン入り(たまにトップテンから落ちても、すぐ戻る)。

常連のバーブラ・ストレイサンド。この前に「My Name Is Barbra」というアルバムが二枚あり、それをフランスに訳したタイトルで、収録曲はフランスの「枯葉」や「ラ・メール」だけど、歌詞は英語らしい。このときの5位が最高。

7位は、おなじみサイモンとガーファンクル。「スカボロ・フェア」の歌詞に基づくアルバムタイトル「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム」。ほかに「早く家へ帰りたい」「59番街橋の歌 (フィーリン・グルーヴィー) 」「エミリー・エミリー」など。前年暮れの4位が最高で、このときはトップテンに4週ほどしか入っていなかったのですが、映画「卒業」のヒットで1968年4月から6月まで11週トップテンに返り咲きました。

8位は映画「野生のエルザ」のテーマ曲ですが、ジョン・バリーのサントラではなく、イージーリスニングのピアニストによる演奏集らしい。

9位はシュープリームス(スプリームス)のアルバムで、楽しそうなタイトルとジャケット。彼女たちのアルバムが初めて1位になったとは意外。ビートルズの「リボルバー」のあと、前年10月に2週1位。「恋はすばやく You Can't Hurry Love」や「乱れるハート Love Is Like an Itching in My Heart」といった彼女たちのヒット曲以外は、「マネー」「にくい貴方」「ハング・オン・スルーピー」などカバーも多い。

ジェリー・ルイスの息子ゲイリー・ルイスとプレイボーイズのヒット曲集が10位。前年暮れから4週連続10位が最高。「恋のダイアモンド・リング」「あの娘のスタイル」など楽しいポップス満載(たぶん)。

2017年1月15日 (日)

昔の全米アルバムチャートを眺める (1966年新春)

1. Whipped Cream & Other Delights (Herb Alpert's Tijuana Brass)
2. The Sound of Music (Soundtrack)
3. "Welcome to the LBJ Ranch!" (Various Artists)
4. Going Places (Herb Alpert & The Tijuana Brass)
5. December's Children (The Rolling Stones)
6. Beach Boys' Party!
7. The Best of Herman's Hermits
8. Harum Scarum (Elvis Presley/Soundtrack)
9. My Name Is Barbra, Two (Barbra Streisand)
10. My World (Eddy Arnold)

あれれ?ビートルズがないじゃないか!大丈夫です。翌週、「ラバーソウル」が60位から1位に急上昇し、6週連続1位。でも、ティファナブラスの「Whipped Cream...」が再び1位に。このころ、ハーブ・アルパート&ティファナブラス強し!1枚目は前年4月に発売されたもので、「蜜の味」「ビタースウィート・サンバ」などが含まれる代表作。前年11月から6週連続1位で、このあと「ラバーソウル」に王座を奪われるも、2月下旬に2週連続1位に返り咲き。そのあと1位になったのが、この週4位のアルバムで、前年9月発売。こっちには「ティファナ・タクシー」や「スパニッシュ・フリー」が含まれています。

2位はロングセラーの「サウンド・オブ・ミュージック」のサントラ。

3位は初耳で、こういうのワクワクします。調べてみたら、アール・ダウドとアレン・ロビンというコメディアンかユーモア作家か何かが大統領を皮肉った言葉のお遊びらしい。LBJは当時のリンドン・ベインズ・ジョンソン大統領のことらしい。

5位はストーンズのアメリカでの5枚目。ジャケットは英盤「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」と同じながら、同アルバムからの曲や「ひとりぼっちの世界」「涙あふれて」というヒット曲などが収められたアメリカ独自のアルバム。次の週から3週間4位が最高。

6位は、ビーチボーイズがスタジオでパーティーのように演奏したアルバムらしい。ビートルズの「恋する二人」「テルミーホワイ」「悲しみをぶっとばせ」やディランの「時代は変わる」などを歌っています。彼らのヒット曲「バーバラ・アン」も含む。クリスマス用に前年11月に発売され、この週の6位が最高。

7位はアメリカでも人気があった英国のハーマンズ・ハーミッツのベスト。前年暮れの5位が最高。

8位はプレスリーの「ハレム万才」のサントラ。この週と次の週の8位が最高。

常に登場するバーブラ・ストライサンドは6枚目か。前年5月に発売された「My Name Is Barbra」はテレビ特番からの曲を収めたもので、10月に発売されたこの第二弾は、テレビ特番からの曲も含まれているけど、正確には続編ではないらしい。前年11月から12月にかけて3週2位が最高。

10位のエディ・アーノルドって誰だ?40年代から活躍しているカントリー歌手。ヒット曲「Make the World Go Away」と「What's He Doing in My World」が入っていて、翌週から3週7位が最高。

2017年1月14日 (土)

昔の全米アルバムチャートを眺める (1965年新春)

ビルボードの新春のアルバムチャートを1965年から70年代初頭まで眺めていきます。まずは1965年1月2日付。

1. Roustabout (Elvis Presley/Soundtrack)
2. Beach Boys Concert
3. 12 x 5 (Rolling Stones)
4. Mary Poppins (Soundtrack)
5. Where Did Our Love Go (The Supremes)
6. A Hard Day's Night (The Beatles/Soundtrack)
7. The Beatles' Story
8. People (Barbra Streisand)
9. The Door Is Still Open To My Heart (Dean Martin)
10. My Fair Lady (Soundtrack)

プレスリーやビートルズを含めるとサントラが4枚含まれています。あとはビーチボーイズ、ローリングストーンズ、スプリームス、ビートルズ、バーブラ・ストライサンド、ディーン・マーティンとおなじみの人たち。

1位のプレスリー映画の邦題は「青春カーニバル」。11曲中、ヒット曲はないらしい。この週のみ1位で、このあと10年間1位になったアルバムはなく、むしろ衰退の始まりだとALLMUSICに書いてあります

2位はビーチボーイズのライブ。1964年は「Sut Down, Vol. 2」、「All Summer Long」、このライブ、そして「The Beach Boys' Christmas Album」を発売したようです。ヒット曲の間にジャン&ディーンの「パサディナのおばあちゃん」やフォーフレッシュメンの「グラデュエーション・デイ」を歌っているのが珍しいものの、音は悪いし、観客の歓声がうるさいし、歌や演奏がスタジオ録音とあまり違わないしで、アルバムとしての評価はかんばしくない。前年暮れに4週連続1位。

3位のストーンズは少し前にCDを購入しました。彼らのアメリカでの二枚目。「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」と「イッツ・オール・オーバー・ナウ」というヒット曲入り。ほかに「アンダー・ザ・ボードウォーク」や「スージーQ」などのカバー。オリジナルでは「エンプティ・ハート」が光る。前年暮れから4週連続3位が最高。

4位「メリー・ポピンズ」と10位「マイ・フェア・レディ」のサントラは割愛させてくれ~~。

5位のスプリームス、私にはシュープリームスのほうがなじみがあります。ダイアナ・ロス、メアリー・ウィルソン、フローレンス・バラードから成るモータウンの女性三人組の二枚目。タイトル曲の「愛はどこへ行ったの」、「ベイビー・ラブ」、「Come See About Me」という1964年のシングル1位の曲を含む12曲入り。1月下旬から2月初めまで4週2位まで上昇したものの、この翌週から9週1位になった「ビートルズ65」によってトップの座を獲得できませんでした。

6位の「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」はアメリカ盤のサントラで、英盤の14曲から8曲にジョージ・マーティン・オーケストラの演奏を4曲加えたもの。7月から10月まで14週連続1位。

7位もアメリカ独自のビートルズのアルバム。二枚組。中学時代、友人に聴かせてもらったけど、インタビューばかりで、さっぱり。ほんの少し聞こえてくるライブの様子が珍しかった。この週から4週連続7位が最高。

バーブラ・ストライサンドは、1963年のファーストとセカンドが8位と2位、1964年2月のサードが5位で、同年9月に発売された「ピープル」が初の1位。「ビートルズがやってくる」と「ビーチボーイズ・コンサート」の合間の10月から11月にかけて5週連続1位。タイトル曲が彼女主演のブロードウェイ・ミュージカルからの曲で、6月から7月にかけてシングルチャート5位まで上昇するヒットになったらしい。

1964年の「誰かが誰かを愛してる」で活気づいたディーン・マーティン。その大ヒット曲は1964年の同名アルバムに収録され、その次の次のアルバムが9位の "The Door Is Still Open To My Heart"。12曲とも知らない題名ばかり。1964年暮れからこの週まで3週連続9位が最高。

2017年1月13日 (金)

村の映画だより (2017年1月号)

12月に購入したDVDです。

黒の報告書
1962年の田宮二郎主演「黒の試走車」が好評で、大映は「黒の」犯罪ものを1963年と1964年に5本ずつ公開し、計11本。1963年には宇津井健主演が3本、川崎敬三主演が1本ありましたが、1964年はすべて田宮二郎主演。二作目「黒の報告書」は一作目に続いて増村保造監督で、原作は佐賀潜の「華やかな死体」、主人公は宇津井健の検事。社長殺害事件が起こり、社長夫人の愛人で社長と金銭問題があった金融会社の神山繁を起訴し、楽な事件と思われたが、弁護士の小沢栄太郎が集団偽証を仕掛けたために宇津井は苦戦を強いられる。いやらしい小沢が登場すると「待ってました!」と声をかけたくなります。宇津井のために足で証拠を集める昔堅気の刑事、殿山泰司も好演。ほかに叶順子、高松英郎、上田吉二郎、中条静夫、実の親子の潮万太郎と弓恵子など。見ごたえある作品で、観客の期待を裏切るラストに余韻があります。

黒の札束
黒シリーズ三作目「黒の札束」(1963)はシリーズ唯一の川崎敬三主演作。佐野洋原作、村田三男監督で、合併で整理されるサラリーマンがニセ札犯罪に手を染める話。すでに精巧なニセ札ができており、千円札一万枚を印刷屋から購入した川崎が、高松英郎ら数名の仲間とともに、どうやって本物のお札に換金するかが焦点。川崎には献身的な婚約者がいて、彼女の存在が大きい。家庭的で可愛い婚約者がいるために、犯罪に手を染めた川崎がどうなるのかハラハラします。演じているのは三条江梨子。新東宝で清純派だった三条魔子は、新東宝が倒産した1961年に大映に移籍し、翌年に橋幸夫と共演した「江梨子」のヒットによって芸名を変える。数年後、芸名を三条魔子に戻し、お色気路線に転向し、基本的に歌手として活動しつつ、俳優やクラブのママなども務めたそうです。

黒の超特急
黒シリーズ11作目で最終作の「黒の超特急」(1964)。新幹線公団の専務理事(船越英二)から西日本の建設予定地を聞きだし、先に土地を買い占めて多額の利益を得る加東大介。工場建設と聞かされて土地買収の仲介を行った地元不動産屋の田宮二郎。あとで真相を知った田宮は、加東が専務理事をまるめこむために利用した藤由紀子に接近する。二人は協力して、加東から大金を巻きあげようとするが・・・。田宮二郎と藤由紀子という現代的な美男美女がいれば、50年前の東京もナウい。大金を得ようとする主人公は国際スターになろとした田宮本人のようだし、藤由紀子が演じる寝たきりの母を抱えた貧しい女性も、このあと田宮と結婚して1978年暮れの悲劇まで支え続けてきた彼女自身を思い起こさせ、よけい哀しいフィルムノワール。監督は一作目「黒の試走車」と二作目「黒の報告書」以来の増村保造。1979年に浅草の名画座で鑑賞して以来のDVD鑑賞。

太陽が知っている
中学生だった1971年は、アラン・ドロン人気がすごく、その一年間でテレビと映画館でほとんどの作品を鑑賞することができました。それでも食指が動かなかった「太陽が知っている」。食わず嫌いもなんだからと、やっと箸をあげる。60年代末期の作品で、30代半ばのドロンは渋みが出てきて本当にきれい。ドロンとロミー・シュナイダーの恋人カップルが避暑地の別荘でくつろいでいるところに友人モーリス・ロネとその娘ジェーン・バーキンがやってくる。「太陽がいっぱい」から10年たっても愛されることばかり考えて真面目に努力しないドロンはまたもや成功者ロネを殺害してしまう。殺害以外、たいしたことが起こらないので、なんか微妙な味わい。ポール・クローシェ演じる刑事が探り始めて、やっと面白くなってきたぞと思ったのに、あやふやな結末。「サムライ」「さらば友よ」「シシリアン」「ボルサリーノ」「仁義」といった同時期の本格的な犯罪者のドロンのほうがいい。ドロンとロネによる「太陽がいっぱい」の再現、元恋人のロミー・シュナイダーとの共演、ドロンのボディーガードが殺害される事件、ナタリー・ドロンからミレーユ・ダルクへの移行期と話題はたっぷりで、フランスでは大ヒットしたらしい。ジャック・ドレー監督の最初のドロン作品。

The Shirley Temple Collection Vol. 2
The Shirley Temple Collection Vol. 3

各巻6本で、前に購入した第一巻を加えると、計18本。フォックス社とニ十世紀フォックス社のテンプルちゃんの主要作は20本ほどで、ほぼ全部そろいます。

Doris Day: The Essential Collection
ドリス・デイは、アラフォーだった1960年代前半、北米の興行主が選ぶドル箱スターのトップに4年輝きました。そのころの作品が中心の6本セット。ヒッチコックの「知りすぎていた男」(1956) とヒッチコック風スリラー「誰かが狙っている」(1960) 以外の4本が恋愛コメディ。もっと甘いものかと思ったら、笑わせることに徹底していて、予想以上に面白かったです。大きすぎてハンサムすぎるロック・ハドソンが3本共演で善戦しているけど、のちに「おかしな二人」のジャック・レモンの役をテレビ版で演じるトニー・ランドールがコミック・リリーフとしてハドソン共演作すべてに登場し、笑いを倍増させてくれます。ハドソンがプレイボーイを演じる「夜を楽しく」(1959) はお色気ありすぎですが、ほかは他愛もないドタバタで私好み。
・広告代理店に勤めるドリスがライバル社のやり手ハドソンに振り回される「恋人よ帰れ」(1961)
・主婦ドリスが病気心配性の夫ハドソンに振り回される「花は贈らないで!」(1964)
・主婦ドリスが石鹸CMの売れっ子になったために夫ジェームズ・ガーナーが振り回される「スリルのすべて 」(1963)

The 78 Project Project Movie
心が洗われるというか、耳が洗われるというか。マイク一本で78回転のレコードに直接録音する機械を車に積んで、テネシー州、ミシシッピ州、カリフォルニア州などを巡るプロジェクト。知らないミュージシャンたちが3分間一発勝負でルーツ音楽を心を込めて演奏。私が見たのはドキュメンタリー映画のDVDだけど、たぶん探せば個々の演奏を聴くことができるはず。

The Exterminating Angel
ブニュエルの1962年のメキシコ映画「皆殺しの天使」は80年代初めに日本で初公開。題名から血なまぐさいものを期待していたら、見事に肩透かしを食らわされました。あれから30数年、クライテリオンからブルーレイが発売され、今どのように見えるのかワクワク。10年後の「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」同様にブルジョワをコケにしたコメディながら、なかなか夕食にありつけない連中と対照的に、ここでは晩餐会のあと部屋から出ることができない連中を描く。別に何にも邪魔するものがないのに、なぜか部屋から出ることができない。10数名の男女は何日間も狭い場所に閉じ込められた人質か被災者のようになり、次第に本性をむき出しにし始める。リアルに描いていないし、白黒だしで、ほどよい上品さ。たとえば、クローゼットの中には高価そうな壺がいくつか置いてあり、ときどき一人一人がその中に入ったり出たりするのは、そこで何かをしていることを匂わせます。

Pioneers of African-American Cinema
英国映画協会が発売したDVD5枚組で、1910年代から40年代までの米国の黒人による黒人のための映画を集めたもの。短編と長編あわせて30本ほど。まだ観賞中だから、見終わったら何か書きます。

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2017年1月12日 (木)

1984年1月第5週に鑑賞した映画

月曜を基準にしているので、2月でも1月分に含まれるのです。

2月02日(木) 遊侠一匹 (川崎国際) 4点
2月02日(木) 国定忠治(川崎国際) 2点
2月03日(金) アリバイ (京橋フィルムセンター) 4点
2日04日(土) サン・タジルの失踪者 (京橋フィルムセンター) 3点

加藤泰監督、中村錦之助主演の1966年の東映作品「沓掛時次郎 遊侠一匹」は日本映画史上最高作品のうちのひとつだと思うのですが、体調などの事情があって、そのときどきで採点が異なります。このときのマイナス1点は将来が見えない私の不安のせいだと思っていただきたい。この作品を再見したいがために、わざわざ川崎まで足を運んだのですが。

「国定忠治」は1946年の大映映画で、松田定次監督、阪東妻三郎の白黒スタンダード作品。作品自体はともかく、この映画館はワイドスクリーンでしか上映できないらしく、頭が切れるので、映写技師さんが観客に見やすくするために、たえず画面を上下に動かしていました。こんな働き者の映写技師は、あとにも先にも知らない。それに感動しました。

このころフィルムセンターではフランス映画特集を上映中でした。1937年の「アリバイ」はピエール・シュナール監督、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、ルイ・ジューベ、アルベール・プレジャン、ジャニ・オルトら出演。シュトロハイム演じるテレパシー術師のアリバイをジューベ警部がいかに崩すかという「刑事コロンボ」みたいな作品。

1938年の「サン・タジルの失踪者」はクリスチャン=ジャック監督、シュトロハイム、ミシェル・シモンら出演。サン・タジルという男子寄宿学校で、三人の生徒仲間が次々と消えていくという怪事件。

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2017年1月10日 (火)

村の音楽だより (2017年1月号)

CD、いっぱい買った12月。でも、中古の安いのも多いから、枚数ほどはカネがかかっていない。

まずはローリングストーンズ。

12 x 5 (1964)
Now (1965)
More Hot Rocks (1972)

1965年1月に英国で発売されたストーンズの「No. 2」をCD化したものは現在単品では販売されていないらしい(中古でも高い)。米盤だと、その前後に発売された「12×5」と「Now!」に分散されているし、マディ・ウォーターズの「I Can't Be Satisfied」のカバーがどちらにも入っていない。このカバーが米国で初お目見えしたのは1972年の二枚組「More Hot Rocks」で、さいわい非常に安い中古CDがありました。英盤「No. 2」と米盤「Now!」とも一曲目はソロモン・バークの「Everybody Needs Somebody to Love」のカバーで、英盤では5分なのに、米盤は3分の別バージョン(入れ間違えたらしい)。うちに届いた米盤の中古CDのジャケットにも3分弱と表記されているのですが、実際には5分のが収録されていました(最近のは差し替えられているのか?)。なんにせよ、どれもゴキゲンです。

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次は渋めの作品。

The Furrow Collective: Wild Hog (2016)
イングランドとスコットランドの女性3名、男性1名による民謡集。各々が独立して活躍しているミュージシャンが集まったユニットの二枚目で、一枚目がおとなしかったので食指が動かなかったのですが、fRoots誌の2016年度の9位に入っていたので購入。ドラムとベースが入って、聴きやすくなっています。

Hannah James: Jigdoll (2016)
イングランドやスコットランドの女性ミュージシャン10名が集まって作った Songs of Separation に参加していて、彼女の声が良かったので、ソロアルバムを購入。たぶんインドグランドの女性で、歌手で、アコーディオン奏者で、木靴ダンサー。

Gillian Welch: Boot No. 1 (2016)
公式ブートレッグ。ギリアン・ウェルチの20年前のデビューアルバム「リバイバル」の別バージョンやデモを集めた二枚組。

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60年代前半のイギリス。

The Ultimate Helen Shapiro
英国で人気だったヘレン・シャピロ。1961年に14歳で1位を獲得し、しばらく好調だったものの、男性グループの席巻で1964年にはヒットチャートから姿を消す。しかし、コンサートやナイトクラブなど2002年まで芸能界で活躍。デビュー直後のビートルズが前座としてコンサートに出演したり、弘田三枝子が「子供じゃないの (Don't Treat Me Like A Child)」や「悲しきかた想い (You Don't Know)」をカバーしたりで、名前だけは知っていました。このCD三枚組は「シングル集」「60年代ヒットのカバー集」「レアもの」とうまくまとめていて、各々30曲たっぷり入っています。歌がうまくて声が太いので、モータウン、フィル・スペクター、キャロル・キングらのガールズもののカバーを含む二枚目もゴキゲン。三枚目は、よりジャズっぽく、よりブルーズっぽく、よりR&Bっぽくって、これもグー。すなわち、期待をはるかに超えたセットだということ!

Merseybeat (Original Album Series)
リバプール出身のグループを集めたもの。ジェリーとペースメイカーズ、スウィンギング・ブルージンズ、ビリー・J・クレイマーとダコタス、フォアモストの1963年から1965年のアルバム。ほとんどジョージ・マーティンのプロデュースで、ビートルズの亜流って感じですが、それなりに楽しめるし、初期のビートルズがいた時代のイメージが少し豊かになった気がします。ただ、ビートルズがビリー・J・クレイマーやフォアモストに提供した曲は収録されていないし、ヒット曲よりカバーが多い。一番良かったのはジェリーとペースメイカーズの映画のサントラ「マージー河のフェリーボート」で、ちょっとかすれているけどスカッとした声のジェリーの自作曲のほかに、フォアモスト、シラ・ブラック、ジョージ・マーティン・オーケストラが各一曲含まれています。この映画見たい!

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1970年前後のイギリスのなつかしいのが中古で安く販売されていると、つい買ってしまう。

Pink Floyd: The Piper at the Gates of Dawn (1967)
Bee Gees: Odessa (1969)
King Crimson: Court of Crimson King (1969)
Emerson, Lake & Palmer: Brain Salad Surgery (1973)

ピンク・フロイドのファースト、「メロディ・フェア」や「若葉のころ」が入っているビージーズの二枚組がCD一枚になっているもの、キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」、ELPの「恐怖の頭脳改革」。この12月にはキング・クリムゾンとELPのグレッグ・レイクが亡くなりました。ELPのキース・エマーソンも3月に亡くなったそうで、ご両名ともご冥福をお祈りいたします。とはいえ、キング・クリムゾンのアルバムを買うのは初めてだし、ELPは当時「展覧会の絵」をよく聴いていた程度。

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2017年1月 9日 (月)

村の図書だより (2017年1月号)

The United Artists Story
The Warner Bros Story
The Films of 20th Century Fox: A Pictorial History

ユナイテッド・アーティスツ、ワーナー、20世紀フォックスの各年の映画を紹介した写真満載の本を購入。これで昔のハリウッドの八社すべて買収。どれも絶版となったもので、古本屋さんから、まあまあの値段で購入。パラフィン紙で包装されたユナイテッド・アーティスツは中味もきれい。

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Great British Recording Studios
60年代、70年代の英国のスタジオを紹介した本。アビーロード、デッカ、フィリップス、パイなど。上質紙で写真がきれい。

観察力を磨く名画読解 (エイミー・E・ハーマン、早川書房)
日経新聞の日曜の書評欄で見つけて、近所の本屋さんに行ったら、あった、あった。芸術作品を細かく見ることによって、日常生活での観察・分析・伝達能力を向上させるのが目的。筆者は主として警官を対象にセミナーを開催しているので、犯罪の例が多く、視点を変えて新たな発見をするホームズの推理小説を読んでいるような面白さがあります。映画鑑賞に応用して日常生活を豊かにする一助になりそうだし、嫌悪感を催させる絵画を客観的に分析している章は苦手な作品に取り組もうという意欲をわかせてくれます。

くじ (シャーリー・ジャクソン、ハヤカワ文庫)
奇妙な味の短編を22作品収録。文庫本で昨年秋に発売されたものだけど、オリジナルは1949年にアメリカで発行され、日本では深町眞理子さんの訳で1964年に「異色作家短編集」の一冊として発行。私が大学一年だった1976年に改訂版が発行されたからか、なんか懐かしい。

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2017年1月 8日 (日)

1984年1月第4週に鑑賞した映画

1月23日(月) アトミックカフェ (下北沢鈴なり壱番館) 4点
1月23日(月) スターウォーズ (レーザーディスク) 5点
1月24日(火) ヘカテ (歌舞伎町シネマ1) 4点
1月27日(金) 時をかける少女 (池袋テアトルダイヤ) 5点
1月27日(金) 戦場のメリークリスマス (池袋テアトルダイヤ) 5点

下北沢には散歩で行ける距離にあったので気楽に見に行った「アトミックカフェ」。ほかの映画館で上映されていなかったら、かなり地味な上映だったのかも。詳しいことはウィキペディアで。

記念すべきレーザーディスク10本目は「スターウォーズ」。文句なく面白い。この週三回見ています。

ダニエル・シュミットの「ヘカテ」って、あまり記憶がないんだけど、点数からすると面白かったみたい。1983年8月に日本で公開されたらしいので、封切りじゃなかったのかな?ベルナール・ジロドー、ローレン・ハットン主演。ローレン・ハットンって当時人気で、前歯の間にすき間があったような。Movie Walker によると、「フランス植民地のある北アフリカの砂漠の町を舞台に領事館に赴任してきた若い外交官と人妻との恋を描く」。共同脚本のパスカル・ジャルダンって聞いたことのある名前。ドロンの「危険がいっぱい」「栗色のマッドレー」「もういちど愛して」「帰らざる夜明け」「個人生活」「ボルサリーノ2」の脚本に参加し、ピエール・グラニエ・ドフェール監督の「離愁」やロベール・アンリコ監督の「追想」にも参加。「ヘカテ」は1982年の作品なんですが、ジャルダンは1980年に死去。

原田知世の「時をかける少女」は薬師丸ひろ子の「探偵物語」との二本立てが良かったのに、なぜか「戦場のメリークリスマス」との二本立て。どちらも前年の話題作で、封切り時に観賞済み。

2017年1月 7日 (土)

1984年1月第3週に鑑賞した映画

1月17日(火) セブンチャンス (渋谷ユーロスペース) 5点
1月17日(火) 蒸気船キートン (渋谷ユーロスペース) 5点
1月18日(水) ザッツ・エンターテインメント (レーザーディスク) 5点

1月19日(木) 黄昏 (下高井戸京王) 4点
1月19日(木) クレイマー、クレイマー (下高井戸京王) 3点
1月21日(土) ビートルズがやってくる (池袋文芸坐) 3点
1月22日(日) パリは霧にぬれて (テレビ神奈川) 4点

前週に続いてキートン大会。キートンの長編について私のウェブサイトにまとめているので、「セブンチャンス」「蒸気船キートン」については、こちらで

MGMの黄金期のミュージカルシーンを集めた「ザッツ・エンターテインメント」は、ただただ楽しい。これでレーザーディスクは何本購入したのだろう。前年8月から「昼顔」「海外特派員」「秋刀魚の味」「肉体の冠」「女と男のいる舗道」「太陽はひとりぼっち」「ヤング・ジェネレーション」「ハスラー」に次いで9本目でした。

ハリウッドの良くできた映画は予想がついちゃって、なかなか食指が動かない。そんな映画の二本立て。

「黄昏」 (1981, On the Golden Pond) は1982年のキネ旬4位。老夫婦の話。マーク・ライデル監督、ヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘップバーン主演で、ジェーン・フォンダ共演。1981年度のアカデミー賞で主演男優賞と主演女優賞を獲得したものの、作品賞は「炎のランナー」。

「クレイマー、クレイマー」 (1979, Kramer vs. Kramer) は1981年に次いで二度目の鑑賞。1980年のキネ旬1位。1979年度のアカデミー賞では、作品賞、主演男優賞(ダスティン・ホフマン)、助演女優賞(メリル・ストリープ)、監督賞(ロバート・ベントン)、脚色賞(ベントン)を獲得。ネストール・アルメンドロス撮影で、音楽もジョルジュ・ドルリュー風で、よくできたハリウッド製トリュフォー作品みたい。

リチャード・レスター監督の「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」 (1964, A Hard Day's Night) は有名なので今は特に言うことなし。点数が低いのは作品自体よりも自分の気分のせいだと思う。

1940年代、50年代の名作よりも、60年代以降のサスペンスものが好きなルネ・クレマン監督の1971年の「パリは霧にぬれて」は、「雨の訪問者」に次ぐ作品で、このあと「狼は天使の匂い」と「危険なめぐり逢い」を作って引退。どれも邦題がそそる。セーヌ川でフェイ・ダナウェイが貨物船に乗っている冒頭のシーンが素敵。幼い二人の子供を持つ母親が産業スパイ事件に巻き込まれる。

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