2017年2月28日 (火)

ウィークリー村だより (2017年2月第5週)

2月が終わるとともにドリス・デイの15本セットも終了。来月は何にしようかな。

2月26日(日) 「ママは腕まくり」
前年から大ヒットを続けていた「ベン・ハー」を除くと、MGMの1960年の新作ではエリザベス・テイラーの「バターフィールド8」に次ぐヒットを記録した「ママは腕まくり」。ロック・ハドソンやジェームズ・ガーナーなど純アメリカ的な共演者が多いドリス・デイですが、ここでは珍しく英国紳士のデビッド・ニーブンが亭主。辛口すぎる有力紙の演劇批評家ニーブンが、自ら学生時代に書いた駄作の戯曲を掘り起こされ、いくらか柔らかくなる話。このころのロック・ハドソン共演作よりもドタバタ度が少なく、ドリスは「知りすぎていた男」の良妻賢母に近い。二人の間には四人の男の子と大きなムク犬がいるし、ニーブンに酷評される女優ジャニス・ペイジも印象的だけど、さほど出しゃばらない良い味つけ。夫婦間の微妙な関係に重点が置かれていて、安心して楽しめるホームコメディ。(予告編

2月27日(月) 「ラッキー・ミー」
和文英訳の仕事のほとんどは和文の解釈で、わかりにくい日本語からわかりやすい日本語に変換する機械が登場しないかぎり、私の仕事はなくなりそうにない。週明けに納品することが多いので、プレミアムフライデーどころか、たいてい日曜は仕事。一仕事終わったあとの夜を楽しく。ドリス・デイ15本セットもあと2本。1954年の「ラッキー・ミー」というワーナーカラーの映画はミュージカル初のシネマスコープだそうで、このころは、「聖衣」「百万長者と結婚する方法」「ベラクルス」「スター誕生」「理由なき反抗」など、テレビに対抗した横長の画面が話題だったようです。ノスタルジックさが似合うドリス・デイは古臭い寄席で仲間とともに歌って踊っていたのですが、不入りのため、ホテルの皿洗いとして働く羽目に。そこで新進作曲家ロバート・カミングスと出会い、恋も仕事もうまくいくという話で、マイアミを舞台に、のんびり楽しめました。(予告編

2月28日(水) 「情欲の悪魔」
ドリス・デイとジェームズ・キャグニー主演だからワーナー作品かと思ったらMGM作品で、大ヒット。「情欲の悪魔」として当時日本でも公開され、同じ1955年には「知りすぎていた男」にも主演し、ドリス・デイ作品が日本でコンスタントに公開され始めたようです。ルース・エッティングという20年代から30年代にかけてアメリカで人気のあった歌手の同時期を描いています。一介のショーダンサーだったのを実業家に見いだされ、流行歌手にまで上り詰める。その間、実業家と結婚するけど、実業家が暴君的で、ピアニストと恋愛関係になり、実業家がピアニストを撃つ。DVDのオマケのエッティング主演短編を見たら、女性的な柔らかい歌声で、ドリス・デイとはタイプが違う。「情欲の悪魔」を見ていると、なぜ男まさりのドリス・デイがすぐカッとなるキャグニーと離婚しないのか不思議に思えます。(予告編

2017年2月25日 (土)

ウィークリー村だより (2017年2月第4週)

プレミアムフライデーなんかどこ吹く風。今週も仕事がいっぱいで、幸せ。しかも、昨日、待ちに待った電動自転車が届き、リュックを背負っての買い出し生活から解放されました。

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2月19日(日) 「遥かなるアルゼンチン」

ベディ・グレイブルのDVD4本セットを購入。まずは、虫垂炎になったアリス・フェイの代わりに主演してスターとなった1940年の「遥かなるアルゼンチン」を拝見。戦火が激しくなってきたヨーロッパから南米へと市場を方向転換したハリウッドを象徴するニ十世紀フォックスのミュージカル。ブラジルで活躍していたカルメン・ミランダがハリウッド映画に初登場。グレイブルのピンナップ写真は第二次大戦の兵士たちの間で大人気となり、1943年には北米の興行主が選ぶドル箱スターの1位に輝く。(予告編

2月20日(月) 「マイアミの月」
こんなに楽しいミュージカルが1941年にアメリカで公開されていたとは。ベティ・グレイブル主演のニ十世紀フォックスのテクニカラー作品「マイアミの月」。テキサスのハンバーガーショップに車で乗りつけると、姉妹役のベティ・グレイブルとキャロル・ランディスがウエスタン風のミニスカートで踊りながらやってきて、歌いながら注文を聞いてくる。このキュートさにノックアウトされ、あとは楽しいだけの世界。二人は金持ちを探しにマイアミに旅立ち、ドン・アメチーとロバート・カミングスをゲットする。この四人が嫌味のない美男美女で好感が持てるし、お伴のジャック・ヘイリーとシャーロット・グリーンウッドのコミック・リリーフのカップルもいい味つけ。アステア=ロジャーズ作品の振付師ハーミズ・パンはアステアそっくりで、グレイブルとのダンスはアステア=ロジャーズみたい。高速でタップを踏む兄弟もすごい。(スチール写真で構成された開巻部分

2月21日(火) Cinema Hypothesis
「大人は判ってくれない」の主人公のようにズル休みする奴のほうが映画に似合う。小さいころから授業に映画を組み込むのはいかがなものか?と疑問を呈している本。注文したばかりで、まだ読んでいない本を紹介するのもなんだけど、サイト&サウンド誌の書評が面白かったから。書評者は授業に組み込むのに賛成派らしいのですが、本の著者と一致しているのは、小さいころって大事だということ。本の筆者は子供たちが型にはめられることを危惧しているようですが、映画の授業をさぼって映画を見に行くようなトリュフォーみたいな子供はきっといるはず。(紀伊國屋で注文

2月22日(水) 「マイノリティ・リポート」と「フィルムスタディーズ入門」
レンタル落ちの安いDVDで2002年のスピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の近未来フィルムノワール「マイノリティ・リポート」を拝見。予知能力者の情報をもとに殺人を未然に防ぐ部隊のメンバーが自ら殺人犯として追われる羽目に。いつも古い映画ばかり見ていると、なんかすごい世界で、あれよあれよの面白さ。ウォーレン・バックランドの「フィルムスタディーズ入門」に、この映画に対する五人の映画評論の比較があり、それも面白かった。映画を学ぶ楽しさをわかりやすく伝えようとしている本で、めずらしく「です・ます」調で訳されており、好感が持てます。

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2月23日(木) 今月のストーンズ
1967年の夏と暮れに発売された「フラワーズ」と「サタニック・マジェスティーズ」。前者は米国独自の編集盤で、けっこう楽しめます。最初は「ルビー・チューズデイ」(全米1位)、「マザー・イン・シャドウ」(9位)、「夜をぶっとばせ」(55位)、「レディ・ジェーン」(24位)というベスト盤みたいな選曲。あとはアルバム「アフターマス」と「ビトゥイーン・ザ・バトンズ」の米盤から外された曲やテンプテーションズの「マイ・ガール」(良くも悪くもない)。あらためて「夜をぶっとばせ」を聴くと信じられないほど軽快なポップス。あまりチャートを上昇しなかったのは、歌詞が性的なので、B面の「ルビー・チューズデイ」をかけるラジオ局が多かったからだとか。レコード店に通い始めた頃よく見かけた「サタニック・マジェスティーズ」はLPジャケットの真ん中のプラスチックかなにかが安っぽかったし、ビートルズの「サージェント・ペッパーズ」の二番煎じみたいな雰囲気を醸し出していたしで、50年近く敬遠していました。覚悟して聴いたら、そんなに悪くはない。半分ぐらいは良い曲。次のアルバム「ベガーズ・バンケット」のようなサウンドの「ザ・ランタン」もある。でも、「シーズ・ア・レインボウ」や「2000光年の彼方」はベスト盤で聴いたほうがいいような気も。

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2月24日(金) 「マーメイド作戦」
ドリス・デイの1966年の「マーメイド作戦」。当時のディズニーのコメディみたいな無邪気なお笑いは、仕事の合間にのんびり楽しむのに最適。宇宙ロケット開発をめぐり女スパイと間違われるドタバタ。こちらが歳をとったからか、40代半ばのドリス・デイが可愛く見える。ただ、若作りのルックスや設定に無理があり、両親役の俳優が兄と姉にしか見えない。相手役のロッド・テイラーは、ケイリー・グラントには程遠いけど、ロック・ハドソンよりは似合う。同じMGMによるテレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」のテーマが流れ、一瞬ロバート・ボーンが登場する。監督は「女はそれを我慢できない」やジェリー・ルイス作品のフランク・タシュリン。(予告編

2月25日(土) 「ジャンボ」
30年代の舞台ミュージカル「ジャンボ」の映画化は50年代からMGMがジュディ・ガーランドやデビー・レイノルズの主演作としてMGMが企画していたのですが、1962年にやっとドリス・デイ主演で実現。20世紀初頭、ジャンボという象のいる巡業サーカス団が経済的に苦境に陥る話。ドリス・デイが白馬に乗って曲芸を演じる場面は、実際の曲芸師が遠景で代わりを務めているんだろうけど、馬の上から飛んで、火の輪をくぐり、元に戻るという芸当がすごい。でも、近い将来ジュリー・アンドリューズに取って代わられるような役柄。バスビー・バークレーが第二監督なんだけど、万華鏡のような幾何学模様の群舞はない。ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサー原作、シドニー・シェルダン脚色、チャールズ・ウォルターズ監督。力を入れているにもかかわらずMGMミュージカル末期を飾らなかった作品で、10年前に映画化していれば、数々のサーカスの見せ場が豪華に演出され、フェリーニもビックリ!だったはず。(予告編

2017年2月18日 (土)

ウィークリー村だより (2017年2月第3週)

このところ仕事が忙しくて、ブログ独自の記事を書くことができない。というわけで、フェイスブックに書いたものを抜粋。

2月12日(日) 「カラミティ・ジェーン」
「二人でお茶を」とともに1950年代前半に日本で公開された数少ないドリス・デイ主演作「カラミティ・ジェーン」(1953)。ベティ・ハットン主演のMGM作品「アニーよ銃をとれ」 (1950) に対抗して、ワーナーはアニー・オークレーのかわりに別の伝説的な西部の女性を引っぱり出してきました。ドリス・デイは、いつも以上に元気よく男まさりの主人公を演じており、歌もたっぷり。彼女の歌う「シークレット・ラブ」がアカデミー主題歌賞を獲得し、大ヒット。

2月14日(火) 「パジャマ・ゲーム」
1957年のドリス・デイ主演「パジャマ・ゲーム」について当時ゴダールが「どんな風に踊るかを見て欲しい」というエッセイを書いていて、ミュージカル・コメディでは名監督のスタンリー・ドーネンは振付師ボブ・フォッシーのおかげで「翼が生えたように活気づく」と述べています。パジャマ・メーカーの従業員たちが賃上げを要求してストライキを起こすブロードウェイ・ミュージカルをワーナーが映画化。これまでノスタルジックなドリス・デイ主演作ばかり見てきたので、とても新鮮。還暦の映画だとは思えない。(Steam Heat) (Once a Year Day)

2月15日(水) 「アニーよ銃をとれ」
豪華で楽しい1950年のMGM作品「アニーよ銃をとれ」。19世紀末、射撃の名手アニー・オークレイがバッファロー・ビルに見いだされて、ワイルド・ウェスト・ショーで人気を博す話。当初主演していたジュディ・ガーランドの精神状態が不安定になり、「ポーリンの冒険」のベティ・ハットンをパラマウントから借りてくる。その間、バッファロー・ビル役の俳優が亡くなったり、監督が交代したりしたものの、結局は大ヒット。アービング・バーリンの「ショウほど素敵な商売はない」は原作のブロードウェイ・ミュージカルのために作られた曲だそうで、映画の中でも大々的に使用されています。(予告編

2月16日(木) 「史上最大の列車強盗」
1963年にロンドン郊外で26億円の現金が盗まれた事件を扱った映画は、西ドイツの「史上最大の列車強盗」とイギリスの「大列車強盗団」が各々1967年と1968年に日本で公開。後者の英国盤ブルーレイには前者もオマケとして収録。ドイツ人のスタッフとキャストながら、舞台はイギリスで、英語吹替えだから、まるで英国映画。アレック・ギネスやピーター・セラーズの泥棒コメディをお手本にしているらしく、10名以上の強盗団のほとんどは中年の英国紳士風で、のんびり楽しめます。もともとテレビ放映用の作品。白黒で、画質や音質は悪く、字幕なし。(予告編

2月17日(金) 「大列車強盗団」
1963年の26億円強奪事件を題材にしたピーター・イエーツ監督の「大列車強盗団」。1967年のイギリス映画で、スタンリー・ベイカー主演。イエーツ監督は抑え気味な感じが私好みで、心臓に悪いほどハラハラドキドキさせてくれないのがありがたい。列車襲撃よりも、その後の、のどかな田舎に隠れる犯罪集団をヘリコプターで捜索したり、遠くのほうから警察の車がやってくるのをじっと撮影しているのがいいムード。最初のロンドン市内のカーチェイスもスマートで、これを見たスティーブ・マックイーンが「ブリット」の監督に彼を起用したいと提案したとか。(英国盤ブルーレイ

2017年2月11日 (土)

ウィークリー村だより (2017年2月第2週)

15作品入り The Essential Collection で、ドリス・デイ三昧な日々

2月5日(日) 「ブロードウェイの子守唄」
ドリス・デイの1950年代前半の主演作って、あまり日本では公開されておらず、「二人でお茶を」(1950)と「カラミティ・ジェーン」(1953)だけらしい。ほかにカーク・ダグラスが自己破滅的なトランペッターを演じる「情熱の狂想曲」で共演したぐらい。1951年の「ブロードウェイの子守唄 Lullaby of Broadway」も当時未公開。生みの母を探すエピソードがしんみりしすぎて、明るいのが取り柄のドリス・デイらしくない。相手役のジーン・ネルソンがカッコいい。小さい頃フレッド・アステアの映画を見て習い始めただけあって、タップダンスが上手。フィルムノワールの「土曜日正午に襲え Crime Wave」(1954) でも好演していたし、プレスリー主演の「キッスン・カズン」(1964)や「ハレム万才」(1965)では監督を務める。
ネルソンのタップダンス
予告編

2月6日(月) 「ムーンライト・ベイ」
ビートルズが1963年暮れにテレビ番組で歌った「ムーンライト・ベイ」は、もともと1912年の曲で、1940年のニ十世紀フォックス作品「ティン・パン・アレー」でアリス・フェイが歌っているらしいのですが、1951年のワーナー作品「On Moonlight Bay」で題名どおり大々的に取り上げられたのでした。このドリス・デイ主演の映画は、ジュディ・ガーランド主演の1944年の「若草の頃」のような古き良き時代の中流家庭を描いており、ガーランドが魅力的に歌うMGM作品ほどの傑作ではないにしても、ノスタルジックな雰囲気が冷戦時代のアメリカ国民に安心感をもたらしたようで、続編も作られました。
予告編

2月7日(火) 世界の映画作家シリーズと「パリの四月」
最近リーズナブルな価格で入手した古本。1980年に40巻で終了したキネ旬のシリーズ。価格のわりに読み応えあり。三冊とも最初のほうで双葉十三郎さんが各ジャンルの歴史を書いており、「よく知ってるなあ」と感心。

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「パリの四月」は1933年のブロードウェイ・ミュージカルのために書かれた曲で、こういうスタンダード・ナンバーをネタにした作品がドリス・デイにはけっこうありそう。彼女を主演にワーナーが映画化したのは1952年だけど、この曲が一番有名なのは1955年にカウント・ベイシー楽団がヒットさせたものらしい(いったん終わったと思わせて、再び始まる)。映画は、パリの芸術祭のためにエセル・バリモアに招待状を送ったら、間違えてエセル・ジャクソンというコーラスガールに送られたところから始まります。舞台の中心はフランスに向かう船で、やっとパリに着いたと思ったら、ワーナーの撮影所に再現されたパリでした。ドリス・デイは相変わらず素敵なんだけど、「オズの魔法使」の案山子で有名なレイ・ボルジャーとの恋愛が信じがたい。既婚者が恋愛相手なら、ケイリー・グラントぐらいの容姿とユーモアが欲しい。もう一人の相手役クロード・ドーファンは同じ年にジャック・ベッケル監督の「肉体の冠」で親分を演じているフランス俳優で、彼との恋愛なら納得できる(当時日本未公開で、なぜかDVDの邦題は「四月のパリ」)
予告編) 

2月8日(水) タムボリンから購入したCD二枚
二か月ごとに手作りのカタログを送ってくれる湯布院のCD通販タムボリン。アイルランド中心で、イングランド好きはお気に入りを探し出しにくい。ゴチャゴチャ書いてある中から、どうにか二枚見つけ出す。一枚はスコットランドのアーチー・フィッシャーとバーバラ・ディクソンが組んだ1970年の「Thro' the Recent Years」。曲の説明がないからわからないんだけど、民謡ではなく、ザ・バンドの「Tears of Rage」のカバーなど現代ものが中心らしい。男性のフィッシャーは太くて暖かい歌声で、女性のディクソンは素直な歌声。基本的にギターの弾き語りで、ベース、ドラム、ストリングスなどが加えられた聴きやすいフォークロック。もうひとつの Moulton Morris Men はイングランドのフォークダンスで、アコーディオンにベースやドラムなどを加えたもの。私が最も愉快な気分になる音楽。1979年発売で、フェアポート・コンベンションのデイブ・ペッグとサイモン・ニコルがプロデュース。

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2月9日(木) 「銀色の月明かりの下で」
1909年に作られた曲を映画の題名にした1953年のノスタルジックなホームコメディ「銀色の月明かりの下で」。幸せ一杯の心地よいドリス・デイ主演作。古き良きアメリカというものが実際に存在したのかどうか知りませんが、少なくともこの映画の中にはあります。二年前の「ムーンライト・ベイ」の続編で、家族もお手伝いさんも恋愛相手もライバルも配役がみな同じ。エピソードも他愛がない。たとえば、ドリスの弟は自分が飼っている七面鳥を殺すのがかわいそうだから、近所の七面鳥を盗んで鳥肉屋に加工させる。七面鳥を盗まれた家の人たちを気の毒がった両親は彼らを夕食に招待し、「盗んだ奴はけしからん!」とか言いながら、みんなで七面鳥をおいしく食べる。罪悪感で食欲のない息子を見て、まわりの人たちは「自分が可愛がっていた鳥が殺されたんだから無理もない」と同情する。そこへ当の七面鳥が飛び込んでくる。
予告編

2月10日(金) ハリウッドの撮影所の本
同じ著者による昔のハリウッドの撮影所に関する本三冊。MGMの序文はデビー・レイノルズ、ワーナーはドリス・デイ。パラマウントを代表するスターは誰もいなくなったのか、ルビッチの次の言葉が冒頭に掲げられています。「フランスのパリにもパラマウントのパリにも行ったことがあるが、パラマウントのパリのほうが良い。」

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2月11日(土) 「国際諜報局」と石上三登志
1960年代半ばのマイケル・ケインの「国際諜報局」を楽しむための四つのアイテム。キネ旬を読み始めたころ、石上三登志さんがなにか書いていたなあと探したら、見つけた「私の映画史」。そのエッセイ「イプクレス・ファイルの男」だけではなく「世界の映画作家20」の巻頭を飾る「スパイ映画論」も含む。600ページの最後の三分の一が70年代にキネ旬に連載した「TVムービー作品事典」で、刑事コロンボや警部マクロードを含む当時のテレビ放映用作品の短評を読むだけで楽しい。80年代以降の石上さんは知らないのですが、この本が出版されたのは2012年1月で、同年11月に病死されているので、覚悟して集成された本に思えます。遅ればせながら、ご冥福をお祈りいたします。

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2017年2月 6日 (月)

映画観賞記録は月一度にしようかなあ

そろそろ映画観賞記録も飽きてきたなあ。この1984年2月を最後に点数をつけなくなっているし。私にとって、これ以降は最近の映画で、特に懐かしいことはないし。とりあえず、当時の点数を記入して、最後に少々コメントを。

第1週

2月06日(月) 裏窓 (新宿シネマ1) 4点
2月06日(月) 私は弾劾する (京橋フィルムセンター) 4点
2月07日(火) 裏窓 (新宿シネマ1) 4点
2月07日(火) 不思議なヴィクトル氏 (京橋フィルムセンター) 4点
2月08日(水) 鬼火 (高田馬場パレス) 4点
2月08日(水) 去年マリエンバードで (高田馬場パレス) 3点
2月09日(木) パン屋の女房 (京橋フィルムセンター) 4点
2月10日(金) レベッカ (下高井戸京王) 4点
2月10日(金) 白い恐怖 (下高井戸京王) 4点
2月10日(金) 酒とバラの日々 (テレビ朝日) 4点
2月12日(日) 2001年宇宙の旅 (レーザーディスク) 4点
2月12日(日) ロスト・ロスト・ロスト (四谷三丁目イメージフォーラム) 5点

第2週

2月13日(月) 王になろうとした男 (大塚名画座) 3点
2月13日(月) ガンジー (大塚名画座) 1点   
2月14日(火) コムプリートビートルズ (レーザーディスク) 1点
2月16日(木) 間奏曲 (下高井戸京王) 2点
2月16日(木) 汚名 (下高井戸京王) 3点
2月17日(金) 野良犬 (新宿西口パレス) 3点
2月18日(土) 知りすぎていた男 (新宿オスカー) 4点
2月18日(土) 風流深川唄 (フジ) 3点

第3週

2月20日(月) の・ようなもの (八重洲スター座) 3点
2月20日(月) 日は昇る (京橋フィルムセンター) 2点
2月21日(火) ザッツ・エンターテインメント (レーザーディスク) 4点
2月23日(木) 肉体の冠 (レーザーディスク) 5点
2月25日(土) トワイライトゾーン (新宿ミラノ) 4点
2月26日(日) オーケストラリハーサル (テレビ朝日) 4点

第4週

2月28日(火) 幸福の旅路 (大塚名画座) 以下、点数なし。
2月28日(火) ニューヨークの恋人 (大塚名画座) 
2月??    人類SOS (テレビ神奈川)
3月01日(木) Again (新宿東急)
3月01日(木) ときめきに死す (新宿東急)
3月02日(金) コンフィデンス (歌舞伎シネマ1)
3月03日(土) Study 1 - 5 (お茶の水アテネフランセ)
3月03日(土) 実験室の中 (お茶の水アテネフランセ)
3月03日(土) 蜃気楼 (お茶の水アテネフランセ)
3月03日(土) 極北の怪異・ナヌーク (京橋フィルムセンター)
3月03日(土) ブラジルから来た少年 (フジ)
3月04日(日) 新・平家物語 (下高井戸京王)
3月04日(日) 雨月物語 (下高井戸京王)
3月04日(日) 鉄火場破り (日本テレビ)

ヒッチコックのリバイバルがお盛んだったようで。

フィルムセンターは古いフランス映画特集で、普段見る機会の少ない貴重な作品が多い。

レーザーディスクも何枚か購入。「コンプリートビートルズ」はビートルズのヒストリーもので、点数からすると、後年のアンソロジーほどは面白くなかったらしい。これは映画じゃなくて、ビデオ用の作品か?

普通の劇映画では飽き足りなくなって、ジョナス・メカスの私的ドキュメンタリーやスウェーデンの実験映画も見に行っています。3月の初めにアテネフランセで上映された後者はペーター・ヴァイスというドイツ出身の作家の作品らしい。

2017年2月 5日 (日)

ウィークリー村だより (2017年2月第1週)

2月2日(木) 「S/Z」と「フィフス・エレメント」
ロラン・バルトの「S/Z」を説明する題材として「現代アメリカ映画研究入門」がリュック・ベッソン監督の1997年の「フィフス・エレメント」を使っているので、レンタル落ちの安いDVDで鑑賞。エジプトで学者が絵文字を解読していると、巨大な岩のような宇宙船か降りてきて、ロボットみたいな宇宙人が出てくる。300年後の未来都市になり、ミラ・ジョボビッチが再生して、高層ビルから飛び降りると、ブルース・ウィリスが運転する空中タクシーのなかに落ちる。そのあたりまでは面白いけど、その後おふざけがすぎる。幸いなことに、五つのコードで細かく分析するバルトの手法を適用しているのは最初のエジプトの部分のみ。この本、作品研究というより、映画理論の紹介で、「S/Z」の解説などは役に立つんだけど、「ダイ・ハード」「ジュラシック・パーク」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など、理論がわからなくても十分面白い作品を難しく論じているので、帯に書いてあるように「難解だと敬遠されがちな映画理論がぐっと身近」になるのか?

2月3日(金) 「紳士泥棒/大ゴールデン作戦」
ビットリオ・デ・シーカ監督は「靴みがき」「自転車泥棒」「ウンベルトD」といったネオリアリズムの名作で有名ですが、60年代のコメディも好き。ソフィア・ローレンとマストロヤンニの「昨日・今日・明日」「ああ結婚」やシャーリー・マクレーンの「女と女と女たち」などが中高生のときテレビで放映され、「紳士泥棒/大ゴールデン作戦」も高校時代に淀川さんの映画劇場で放映されました。金塊を強奪しようとするドタバタで、主演のピーター・セラーズよりも、映画監督に扮した彼にだまされる往年のスターを演じる往年のスター、ビクター・マチュアのほうが面白かった。最近、米盤DVDで再見。バート・バカラックの主題歌をホリーズが歌う。(クレジットタイトル

2月4日(土) 「二人でお茶を」
アート・テイタム、ジャンゴ・ラインハルト、セロニアス・モンクなど数多くのジャズ奏者に愛されてきた「二人でお茶を」。もともとは1920年代半ばのミュージカル「ノー・ノー・ナネット」の挿入曲。そのミュージカルをヒントしたのがドリス・デイの5作目ぐらいの「二人でお茶を」という懐古調の1950年の映画。「ノー・ノー・ナネット」の上演費用を得るために、二日間「イエス」のかわりに「ノー」しか言わないという賭けを金持ちの叔父として、恋愛などに混乱が生じる。ドリス・デイは、これまで歌が中心だったのが、ここではタップダンス満開。きっと猛特訓したんだろうけど、ソツなく満面の笑みでやってのけ、ワーナーのトップスターに。(予告編

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2017年2月 3日 (金)

ラプターグレーの自転車を待つ日々

車は運転できなし、持病で息が切れるので普通の自転車には乗れないしで、10年前から電動自転車に乗っているのだけど、自転車の調子が悪い。普通に乗っても大丈夫なのに、一晩明けると空気が抜けている。

かかりつけの自転車屋さんに持っていくと、タイヤがすり減っているので交換したほうがいいとのこと。それなら、おニューに買い替ようと思ったけれど、気に入った色のは今月下旬に入荷。今後10年お世話になるので、気に入った色のを待つことに。

おかげで、毎日スーパーまで片道20分歩いて通う。早朝寒すぎて散歩できないので、朝10時からブラブラ歩くのって、まんざらでもない。

こんな人を備後で見かけたら、「がんばれよ!」って声をかけてやってください。

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2017年2月 1日 (水)

1984年2月に鑑賞した映画 (概観)

やたら映画を見てますが、夜間のキーパンチャーのアルバイトを辞めて、充電期間だったと思う。

第1週

2月06日(月) 裏窓 (新宿シネマ1)
2月06日(月) 私は弾劾する (京橋フィルムセンター)
2月07日(火) 裏窓 (新宿シネマ1)
2月07日(火) 不思議なヴィクトル氏 (京橋フィルムセンター)
2月08日(水) 鬼火 (高田馬場パレス)
2月08日(水) 去年マリエンバードで (高田馬場パレス)
2月09日(木) パン屋の女房 (京橋フィルムセンター)
2月10日(金) レベッカ (下高井戸京王)
2月10日(金) 白い恐怖 (下高井戸京王)
2月10日(金) 酒とバラの日々 (テレビ朝日)
2月12日(日) 2001年宇宙の旅 (レーザーディスク)
2月12日(日) ロスト・ロスト・ロスト (四谷三丁目イメージフォーラム)

第2週

2月13日(月) 王になろうとした男 (大塚名画座)
2月13日(月) ガンジー (大塚名画座)   
2月14日(火) コムプリートビートルズ (レーザーディスク)
2月16日(木) 間奏曲 (下高井戸京王)
2月16日(木) 汚名 (下高井戸京王)
2月17日(金) 野良犬 (新宿西口パレス)
2月18日(土) 知りすぎた男 (新宿オスカー)
2月18日(土) 風流深川唄 (フジ)

第3週

2月20日(月) の・ようなもの (八重洲スター座)
2月20日(月) 日は昇る (京橋フィルムセンター)
2月21日(火) ザッツ・エンターテインメント (レーザーディスク)
2月23日(木) 肉体の冠 (レーザーディスク)
2月25日(土) トワイライトゾーン (新宿ミラノ)
2月26日(日) オーケストラリハーサル (テレビ朝日)
2月26日(日) ある夏の日々 (NHK)

第4週

2月28日(火) 幸福の旅路 (大塚名画座)
2月28日(火) ニューヨークの恋人 (大塚名画座) 
2月??    人類SOS (テレビ神奈川)
3月01日(木) Again (新宿東急)
3月01日(木) ときめきに死す (新宿東急)
3月02日(金) コンフィデンス (歌舞伎シネマ1)
3月03日(土) Study 1 - 5 (お茶の水アテネフランセ)
3月03日(土) 実験室の中 (お茶の水アテネフランセ)
3月03日(土) 蜃気楼 (お茶の水アテネフランセ)
3月03日(土) 極北の怪異・ナヌーク (京橋フィルムセンター)
3月03日(土) ブラジルから来た少年 (フジ)
3月04日(日) 新・平家物語 (下高井戸京王)
3月04日(日) 雨月物語 (下高井戸京王)
3月04日(日) 鉄火場破り (日本テレビ)

2017年1月31日 (火)

ウィークリー村だより (2017年1月第5週)

1月29日(日) 「ボーン・イエスタデイ」
オツムの弱いブロンド娘で売り出したジュディ・ホリディはIQが172あり、役作りに知性をたっぷり使ったとか。ジョージ・キューカー監督の1949年のコメディ「アダム氏とマダム」でスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘップバーンの夫婦が検事と弁護士として法廷で争う夫射殺未遂事件の妻の役で注目を浴び、キューカー監督の翌年のコメディ「ボーン・イエスタデイ」でアカデミー主演女優賞を獲得。しかし、非米活動委員会に呼ばれたり、演劇中心だったりして、その後の映画作品に恵まれないまま、1965年に40代半ばで病死。「ボーン・イエスタデイ」では、暴君的な成金ブロドリック・クロフォードの愛人で、教養がなさすぎるので、ジャーナリストのウィリアム・ホールデンが教育係に雇われ、次第に知識をつけ、クロフォードの不正取引を見破るまでになるという話。クロフォードとホリディは毎晩カードゲームで遊ぶのか、本筋と関係ないその場面が妙におかしい。

1月30日(月) アリス・フェイ
オットー・プレミンジャー監督の1946年のフィルムノワール「堕ちた天使」で印象的だったアリス・フェイは1930年代半ばから40年代半ばまではニ十世紀フォックスのミュージカルで人気だったらしい。ミュージカルといっても、バスビー・バークレー、アステア&ロジャーズ、戦後のMGMと違って、魅力的な踊りが少なく、歌が中心なので、少々物足りない。アービング・バーリンの「世紀の楽団」(Alexander's Ragtime Band)は含まれていない彼女の作品集二つ。

1月31日(火) 「ロスト・ハイウェイ」
デビッド・リンチ監督の1997年の「ロスト・ハイウェイ」をレンタル落ちDVDで鑑賞。妻を殺した容疑で逮捕された男が、なぜか刑務所のなかで別の若者に入れ替わり、別人だということで出所した若者がヤクザの情婦とできちゃうという話。話の展開は非合理だけど、不穏で怪しげな雰囲気に満ちていて、よるべない世界を経験させてくれます。トマス・エルセサーらの「現代アメリカ映画研究入門」で認知主義の物語論を紹介する題材として使われているので安い中古を購入したのですが、基本的な図式を映画に適用して情報不足の部分を推理で穴埋めする観客の働きを説明する題材として、非合理な人間のエネルギーを表現するために筋立てが難解になっている作品を選ぶとは大胆な!

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2017年1月29日 (日)

ウィークリー村だより (2017年1月第4週)

1月22日(月) トラフィック
最近発売されたトラフィックの廉価五枚組。

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1月24日(火) 現代アメリカ映画研究入門 (トマス・エルセサー&ウォーレン・バックランド)
「映画は今、分析するのが楽しい」という帯の文句につられて購入したけど、やはり私には難解。なにが難解なんだろう?たとえば、「ボードウェルが「同心円状の標的」図式という言葉を使ったのは、演出批評にとって登場人物が物語映画の中心にあり(中心あるいは「標的」の的)、それに舞台設定が続き(同心円状の標的の中心から二番目の輪)、そして映画言語がある(同心円のいちばん外側の輪)」。手元にあるデビッド・ボードウェルの原著 Making Meaning を確認してみたら、ようするに「円の中心に登場人物がいて、そのまわりに物語の世界があって、一番外側に撮影や編集による物語世界の描き方がある」という図式。

1月25日(水) 可愛いオディ
1934年の「輝く瞳」で家政婦の娘シャーリー・テンプルをいじめる金持ちの娘ジェーン・ウィザーズは、アナーキーな悪ガキぶりが面白く、主演映画も作られるようになり、テンプルちゃんがドル箱スターのトップだった1930年代後期、彼女も6位に入る人気ぶり。テンプルちゃんのアンチテーゼとしてイタズラっ子を演じているのかと思ったら、少なくとも1936年の「可愛いオデイ」ではテンプルちゃんみたいに子犬を抱えた良い子。家政婦の母を頼ってロシアから米国にやってきたら、母親が亡くなっており、歌と踊りで愛嬌をふりまき、まわりの人たちから助力を得るのもテンプル風。庶民的なのが魅力で、60年代からはクレンザーのCMに出演して茶の間で親しまれたらしい。現在90歳。

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1月26日(木) ストーンズの米盤ファーストと「ディッセンバーズ・チルドレン」
ローリングストーンズの60年代アルバムのCDをボチボチ集めていて、今月購入したのはアメリカでの1枚目(1964年5月)と5枚目「ディッセンバーズ・チルドレン」(1965年11月)。1枚目は英盤からボ・ディドリーの「モナ(アイ・ニード・ユー・ベイビー)」を外して、バディ・ホリーのボ・ディドリー風「ノット・フェイド・アウェイ」を加えたもの(ほかは曲順が同じなので簡単に自家製英盤を作成可能)。まだスローなナンバーは味わいが薄いけど、アップテンポな曲はタイトなリズムや歯切れのいいギターなどでカッコいい。英盤「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」と同じジャケットの米盤5枚目は、その英盤からの数曲とヒット曲「一人ぼっちの世界」「涙あふれて」AB面とライブ2曲を加えたもの。フォークロック調の曲もあって、ゴチャゴチャした面白さがあるし、やっぱりカッコいい。(昨年暮れに新作発売記念として特別価格で販売されたCD。日本語解説は2008年に書かれたもの。)

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1月27日(金) チカ・チカ・ブン・チック
ブラジルの爆弾娘カルメン・ミランダが1941年の「That Night in Rio」の開巻で歌う「チカ・チカ・ブン・チック」。客よりダンサーの多いナイトクラブって高そう。ドン・アメチーが演じる芸人と男爵がそっくりなために生じるドタバタで、各々のパートナーが歌手カルメン・ミランダと男爵夫人アリス・フェイ。音楽とテクニカラーにあふれた作品。ドン・アメチーってユーモアがあって芸達者な二枚目なんだけど、脂がのっていた時期が戦時中だったからか、宇宙から来た繭で老人たちが活力を取り戻す1985年の「コクーン」で初めて知った気がするし、彼が1943年に主演したルビッチの「天国は待ってくれる」の日本公開も1990年でした。

1月28日(土) ピーナッツバタージェリーラブ
6月いっぱいで引退して幼児教育の道に進む「ももち」のスワンソング(たぶん)。10歳から15年間コンスタントに活動し続け、教員免許も取得した、心身ともにタフなアイドル界のシーラカンス。ご本人曰く「誰が生きた化石だ!」。一番小さい船木結は親が心配して医者に左手の骨を調べてもらったら、もう伸びないって言われ、ご本人曰く「大人のカラダです」。大滝詠一がプロデュースしたようなアイドル歌謡で、作者のペルーの日系三世エリック・フクサキを調べたら、山下達郎を尊敬しているそうで、なるほど。正月のハロコンでのライブ。

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